ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
あのとき、経済は真っ赤に熱をはらんでいた――。1960年、安保闘争後の騒然とした世情の中で首相になった池田勇人は、次の時代のテーマを経済成長に求めた。「所得倍増」、それは大蔵省で長く“敗者”だった池田、田村敏雄、下村治という3人の男たちの夢と志の結晶でもあった。戦後最大のコピー「所得倍増」を巡り、政治と経済が激突するスリリングなドラマを、ノンフィクションの巨星が活写する!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
日本近代史に詳しくないので知らないことだらけでした。 高度経済成長の始まりにいた池田内閣の話。 人として政治家として応援したくなる人物たちですが、今もこういうマジメな政治家がいるんだろうか。 経済学や経済学者がどんな働きをしているかも、少しわかってきた。
高度経済成長とは何だったのか・・・ 所得倍増とは何だったのか・・・ この閉塞感漂ういま、日本が輝いていたと思われる時代が、 いったいどういったものなのかを知りたかった。 それにあたり、本書を読んでみたのだが、 やはり、60年代というのは、輝いていたのだと思った。 もちろん、テーマは政治であるが...続きを読む、 いかんせん、下村治の異色ぶりに感嘆させられる。 キーワードは大蔵省だ。関係している人たちの出自が大蔵省。
「沢木耕太郎」が、「池田勇人(はやと)」の経済成長テーマだった「所得倍増」を巡るプロセスを描いたルポルタージュ作品『危機の宰相』を読みました。 「城山三郎」が78歳で国鉄総裁になった「石田礼助」の人生を描いた作品『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』を読んだのですが、「石田礼助」を国鉄総裁に...続きを読む強く推薦したのは「池田勇人」だったんですよね… そんなこともあり、本書を選択、、、 「沢木耕太郎」作品は、8月に読んだ『檀』以来なので、約1ヶ月半ぶりですね。 -----story------------- あの時、経済は真っ赤に熱をはらんでいた 安保闘争の終わった物憂い倦怠感の中、日本を真っ赤に燃え立たせる次のテーマ「所得倍増」をみつけた3人の敗者たちのドラマ 1960年、安保後の騒然とした世情の中で首相になった「池田勇人」は、次の時代のテーマを経済成長に求める。 「所得倍増」。 それは大蔵省で長く“敗者”だった「池田」と「田村敏雄」と「下村治」という三人の男たちの夢と志の結晶でもあった。 戦後最大のコピー「所得倍増」を巡り、政治と経済が激突するスリリングなドラマ。 ----------------------- 1977年(昭和52年)7月に『文藝春秋』で発表された作品に300ページ近くの加筆をして2006年(平成18年)に単行本として刊行された作品の文庫化作品です。、、、 宰相「池田勇人」とブレーン「下村治(エコノミスト)」、「田村敏雄(宏池会事務局長)」… 彼らの大蔵省での敗者(ルーザー)としての軌跡を追いながら、「所得倍増」と言う夢を如何にして現実させたのかがのプロセスが克明に描かれた作品です。 ■序章 ささやかな発端 ■第一章 黄金時代 ■第二章 戦後最大のコピー ■第三章 第三のブレーン ■第四章 敗者としての池田勇人 ■第五章 敗者としての田村敏雄 ■第六章 敗者としての下村治 ■第七章 木曜会 ■第八章 総理への道 ■第九章 田文と呉起 ■第十章 邪教から国教へ ■第十一章 勝者たち ■第十二章 やがて幕が下り ■終章 世界の静かな中心 ■あとがきⅠ ■あとがきⅡ ■主要参考文献 ■解説 父が見た「危機の宰相」 下村恭民 政治と経済… うーん、個人的に苦手な二大テーマなので、ちょっと辛かったですね、、、 でも、1960年(昭和35年)の日米安保という時代に「岸内閣」の後を受けて組閣され、1964年(昭和39年)の東京オリンピックの時代に幕を閉じた「池田内閣」において、「池田勇人首相」と、そのブレーン「下村治」、宏知会事務長「田村敏雄」の三人に焦点をあて「所得倍増計画」というのは何だったのか、この政策がいかにして生まれ、日本の高度経済成長をどのように導いていったのかについて、理解を深めることができた作品でした。 自分が体験していない時代だし、歴史の教科書ではほとんど学んでいない時代なので、ほとんど知識がない時代なんですよね、、、 戦後の復興期のあと、自然体やなりゆきで高度成長期があったわけではなく、彼等の理念や夢や志が政策を生み出し、それに国民が共感することが高度成長を促すことになったんでしょうね… 勉強になりました。 また、三人とも大蔵省官僚としては不遇な道を辿り、それぞれ業病と闘い、捕虜生活に苦しみ、死病に苦しんだ経験があり、キャリアと人生において大きな挫折を経験した敗者(ルーザー)であったという共通点も運命を感じますよね、、、 『海賊とよばれた男』、『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』に続き、明治人の気骨が感じられる作品でした。 経費をプライベートなことに流用して、必要経費だと説明するような現在の政治家とは違うよなぁ。
そんなにこの作家の経歴を知らないので、ほー、こんなところに手を出してたのか、と意外感あり。そしてそこから本能的になのか、その筋には進まなかったことも妙に納得。 ともあれ内容はなかなか面白いです、そして分かってはいるけれどもますます日本は斜陽なんだな、、、と得心する次第です。
▼1960年の安保闘争の終盤。首相だった岸信介さんは、私邸をデモ隊に何重にも包囲されてしまいました。そして、防衛庁長官の赤城宗徳さんを呼びつけ、自衛隊の出動を要請。しかし、赤城さんがこれを断固拒否。「日本人同士を戦わせて、流血するわけにいかない」。▼沢木耕太郎さんは、この時に自衛隊が首相を守るため、...続きを読むという大義名分でデモ隊と戦っていたら、その後の政治は決定的に変わっていただろう、と述べています。恐らく自民党政権は遠からず倒れ、所得倍増計画も無かったことになります。ちなみに岸信介さんは、弟が佐藤栄作首相。娘婿が安倍晋太郎首相。孫が現在の安倍晋三首相。うーん。身分制度?歌舞伎?▼「危機の宰相」沢木耕太郎。1977年に雑誌掲載、単行本は2006年。文春文庫。「所得倍増」を担った、政治家・池田勇人、官僚・下村治、田村敏雄という3人の主人公の履歴足跡人間を描きながら、「所得倍増」というドラマを戦前からの近代史の中で描いたもの。▼言ってみれば自民党の戦後政策を賛美する内容、とも言えますが、きちんと読んでみればそういう狙いの本ではありません。日本の近現代史、そして評伝ノンフィクションとして、えらいこと面白かったです。▼本筋と関係ないですが、池田首相と担当の新聞記者たちの関係で、「記者たちが首相のエッセイや論文のゴーストライターをやっていた」という記述が。やっぱりなあ。
池田勇人を支えた人物にも焦点をあてたドキュメントです。 池田総理の所得倍増計画と田中角栄の日本列島改造って夢がありましたよね。
池田勇人、田村敏雄、そして下村治。三人の人生が交差して戦後最大のキャッチーな政策「所得倍増」が誕生した。旧大蔵省という超エリート組織のLoserである三人が不思議な縁で結びつき、高度経済成長という経済主導の「新しい形の『強い国家像』」を牽引することになったのは歴史的必然なのだろう。池田内閣が組閣され...続きを読むた1960年は安保改定という戦後脱却のエポックメイキングがあり、退陣した1964年は東京五輪開催の年であった。まさに時代の変革期にうまく日本国を成長軌道に乗せた、と振り返って今思う。 沢木耕太郎氏の俊逸な取材力を文章力には毎度驚かされるが、本作品では下村治の再発見が特筆すべき点だろう。安定成長路線を望む官僚組織において、溜まる需要のマグマをいち早く見抜き「民間企業の設備投資促進により供給を需要にMeetさせれば経済は飛躍的成長を遂げる」とは何たる素晴らしい読みであろう。下村自身、その才覚に反して恵まれた処遇だったわけではないが、「あとがきⅡ」を読むと彼への再評価と彼自身の喜びが伝わってきて何かうれしくなる。
安保危機のなか経済成長を遂げた1960年代の政治経済を 軽くまとめた本。危機を成長に変えたのは、池田勇人総理と そのブレーン達による「所得倍増」というスローガンにあるとした 池田勇人が 魅力的に描かれている。次は 吉田茂→池田勇人→田中角栄を中心とした現代史や政治比較の本を読みたい 「所得倍増」...続きを読む「日本列島改造」に比べて、今の政治スローガンは インパクトがない と思う
タイトルの危機の宰相とは、池田勇人のことである。 本作は、彼とそのブレーンであった下村治、田村敏雄の3人に焦点を当てた物語である。 池田勇人といえば「所得倍増」である。 著者が戦後最大のコピーというこのキャッチーなコピーもさることながら、実現不可能と言われた経済成長率を彼らは見事に実現させた。 紆余...続きを読む曲折を経て彼らは出会い、歴史の1ページに名を残した。 一国の総理ですら挫折を味わったのだと思うと、親近感が湧くと同時に、当時の彼の想いを想像すると切なくなる。 丹念に取材されていて、読みやすくとても面白かった。
池田勇人とそのブレーン下村脩、更に後援会の田村敏雄という大蔵省における敗者三人が、所得倍増計画を作って実行していく様子なので、果てしなく地味な話ではあるものの、なかなか皮肉な運命が散見されておっていやはや。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
危機の宰相
新刊情報をお知らせします。
沢木耕太郎
フォロー機能について
「文春文庫」の最新刊一覧へ
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】
旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版
旅のつばくろ 電子オリジナル版 無料お試し版
試し読み
天路の旅人 無料お試し版
飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版 無料お試し版
「愛」という言葉を口にできなかった二人のために
一瞬の夏(上)
一瞬の夏(上下)合本版(新潮文庫)
「沢木耕太郎」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲危機の宰相 ページトップヘ