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かつてウサギ小屋などと海外から揶揄されたように、日本の住宅事情は劣悪だとされている。だが夏目漱石や内田百間、高村光太郎など極小の空間を楽しみながら住んだ先人たちをみると、広さのみが豊かさに通じるとは言えないのではないか。本書は、究極の住居の実例を示し、住むことの根源を考えてみようとするものである。狭い住居の工夫を知って身の丈の生活の意味を再検討する。【目次】はじめに――狭いながらも豊かな空間/第一章 内田百間、二畳に夫婦で住む――作家が語る小屋生活/第二章 高村光太郎の山小屋――雪深い里で詩作にはげむ/第三章 永井隆の二畳の如己堂――原爆の町で平和を求めて/第四章 多摩川渡船場二畳の小屋――氾濫したら持ち運ぶ/第五章 夏目漱石・中村是公、二人の二畳の下宿/第六章 正岡子規の病床六尺――ふとん一枚、これが我が世界/第七章 四国、村はずれのお茶堂――遍路たちの一夜の宿/第八章 建築家提案の最小限住居――極小空間の特色/おわりに――狭いながらも楽しい我が家
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年09月06日
二畳で豊かに暮らす。そんな挑戦的な、不可能と思われるタイトルに惹かれて一読。
内田百問、漱石、子規らの住まいの考察、遍路を接待していた建物の調査、戦後の建築家によるミニマムな住居の提案など、ためになる論文を読んだ気になれた。
劣悪な住環境は、ひとを荒ませる。
でも、ただ広ければいいというものでもない...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月24日
そのためには
「不便」という概念を超克し、空間の豊かさを追求する
という姿勢が最重要である。
故に、トレーラーハウス、カプセルホテル、ネットカフェの類はそれに叶わない。
これらは単に普通の居住空間を模倣したり、個々の欲求だけを具現化したに過ぎないからである。
どんなに豪華で快適な空間であっても、工...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年04月28日
ひとはどのくらいまで狭い場所に住むことができるのだろうか。
戦後、住む場所をなくした内田百閒は屋敷の離れに間借りして妻と二人で三畳(一畳は荷物置き場)に住む。炊事は外で七輪を使い、憚りは外へ。
智恵子亡き後、山小屋に暮らす高村光太郎。夏目漱石の小さな下宿。病床の正岡子規に至っては、布団の中だけがマイ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月21日
引越した部屋の狭さに絶望して思わず手に取った一冊。お蔭で大変心強くなりました。うん、彼らに比べたら全然マシ。
二畳。「起きて半畳、寝て一畳」とはいいますが。残り半畳は収納ですか。
たしか森見登美彦の「四畳半神話体系」には、「二畳に住んでいる強者を一人だけ知っていたが、彼は精神に異常をきたして親に実...続きを読む
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