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Posted by ブクログ
9つの短編集
水色の涼しげな装丁に惹かれて購入したが、
内容は少し危険で甘美だった
いくつも男女間の話を読んできたけど、
作者によってこうも違うのかと
味わい深かった
( )内で心の内や説明を描き、
関西弁が飛び交う自然体の会話劇に
妙な親近感を覚える
時折、鋭利な心理描写で核心を突く表現や、
その後はどうぞご自由に想像してください
という話のスタイルが徹底されてて心地よい
表題作は映画化や漫画化もされてるようで、
確かに設定が面白い(といえば語弊かあるが)
ので凄く映像向きだと思う
話も良かった
他に「恋の棺」も特に気に入った
田辺聖子さんの作品は初めて読んだけど、
内に欲望をひた隠しながら生きる、
そんな「二面性」を抱えた女性の描き方が
抜群にうまいとおもった
Posted by ブクログ
本日は 田辺聖子さんの ご命日でもあります。
最近では おせい忌として認知されつつあるようです。
「お茶が熱くてのめません」
人気が出始めた脚本家の女性のところへ、かつての恋人がきちんとアポを取って七年ぶりに訪ねてくる。
再会した彼は、昔と同じように頼りなさはあるものの、女はまだ情が残っていて、必要ならお金くらい貸してもいい、そう思ってしまう程度には、過去を許している。
しかし、男の“本当の用件” 、自分の人生経験を原作として買い取ってほしいという依頼を聞いた瞬間、女の心は遠のく。
あまりに自然で、あまりにリアルな文章。
「うすうす知ってた」
父の死後、母と娘ふたりだけになった家族。
物語は姉の視点で進み、妹との距離や関係の変化が、説明しすぎることなく、ごく自然に語られていく。
家族というのは、互いの秘密も弱さも、言葉にしなくても “うすうす知っていた” のだと気づく
「恋の棺」
叔母と甥の恋。
惹かれあっていたのはわかっていた。
一度だけの関係を棺に収める。
「それだけのこと」
夫とは、気の置けない“相棒”のような関係。
彼の一人遊びだって許せるし、そこに不安もない。
そんな妻が、趣味を仕事にした先で出会った若い男の子に、ふと心をゆるしてしまう。
デートめいた行動もしてみる。
それは決して生活を揺るがすような恋ではない。
ただ、それだけのこと。
「荷造りはもうすませて」
結婚して10年。
夫は、子どもを実家に残している再婚者。
時おり彼は実家へ戻り、用事をこなして、その日のうちに帰ってくる。
夫との生活は楽しい。
が、離婚した元の妻が “実家に戻った” ことで、
自分の居場所がいつの間にか別宅のように感じられてしまう。
十年の月日を積み重ねても、
子ども、という壁の前では揺らいでしまう女。
うまいなあ、聖子さん。
「いけどられて」
若い女に子どもができ、折り合いの良かった妻と別れてその元へ向かう男。
自分が選んだ道なのに、
最後まで元妻に甘えようとするその未練がましさ。どこか不憫でもあるけれど、
正々と不幸になれ。
「ジョゼと虎と魚たち」
この短編集を選んだのは、表題作を読みたかったから。
2003年に実写映画化、2021年にはアニメ映画化もされ、どちらも観ている。
そして、どちらも名作だと思う。
驚いたのは、普通なら映画化で原作をギュッと凝縮しそうなところ
むしろ“世界を広げて”見せていたことだった。
これだけの短編と知って少し意外に思いました。
けれど、短編だからこその余白と余韻はさすが。
「男たちはマフィンが嫌い」
手作りマフィンは食べない男達。
結局は、女の気持ちをわからんのかな。
待つのをやめて、若い男の子と他の世界へ。
「雪の降るまで」
あくまでひとりで生き抜く力のある女性を
それでも女性であることを基調とした生き方で描く総集編的一作だと思います。
先日の柚木麻子さんの講演でも 田辺聖子さんに触れていました。吉屋信子さんの作品が大好きだった田辺聖子さん。このお三方の小説に出てくる女性たちは 元気という言葉では しっくりこないのだけれど 自分が進みたい方向がわかっているというような。女性であることを否定しないで一人で立っていられるような女性を書いているような気がしてます。
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