冥談

冥談

572円 (税込)

2pt

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。僕は小山内君に頼まれて留守居をすることになった。襖を隔てた隣室に横たわっている、妹の佐弥子さんの死体とともに。しかしいま、僕の目の前に立つ佐弥子さんは、儚いほどに白く、昔と同じ声で語りかけてくる。彼女は本当に死んでいるのだろうか。「庭のある家」をはじめ、計8篇を収録。生と死のあわいをゆく、ほの瞑(ぐら)い旅路。

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冥談 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    全体的に仄暗く、あの世とこの世の境目が曖昧な冥い短編集。各話でそれぞれ何度も印象付けるようにループする風景や心象の描写。それが一層ふわふわとした現実だが現実でない境目をより不安定にさせているように思える。京極氏の死生観や幽霊観の私説も含まれているのでは。何にせよ、最後が曖昧な終わり方だからこそ、もや

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    2021年05月09日

    Posted by ブクログ

    読んでとても 後を引くさびしいお話の集まり
    余韻というか話の空間が絶妙
    空地のおんなはちょっとむごすぎる・・・
    庭のある家の 異次元感覚がとても好き

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    2014年01月13日

    Posted by ブクログ

    一番目のみ★4 白波に「どろぼう」とルビがアリ、白浪五人男を思い浮かべる。なるほどなるほど。ネット辞書を引いてみた。しら‐なみ【白波/白▽浪】 1 泡立って白く見える波。 2 《「後漢書」霊帝紀から。黄巾の乱の残党で、略奪をはたらいた白波賊(はくはぞく)を訓読みしたもの》盗賊。どろぼう。

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    2018年11月20日

    Posted by ブクログ

    雰囲気は何となく綾辻さんの「深泥丘奇談」のような感じで、不思議な御話が沢山です。説明のつかないようなものが殆どで自分の中で色々と消化出来るところが個人的には好きです。

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    2014年07月18日

    Posted by ブクログ

    京極夏彦さんのホラー短編集、第1弾。

    私はあまりホラーが好きではない。
    ミステリと比べると、なんだか「いいっぱなし」みたいなところがあるんじゃないかと思ってしまうのだ。
    ただ「怖い」という状況を作り、それがどういう過程でつくられたのか、とか、結局何があったのか、というところが無視される気がするから

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    2014年03月12日

    Posted by ブクログ

    ・京極夏彦「冥談」(角川文庫)巻 頭の一編、「庭のある家」のかなりは話し手とその友人小山内君との会話でできてゐる。「庭のある」小山内君の家での庭を見ながらの会話である。「何だね、 君が庭を観るなんて珍しいじゃないか」「そうかな。まあ、別に庭を愛でていた訳じゃあない云々」(8頁)と始まるこの会話、何と

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    2014年03月09日

    Posted by ブクログ

    なんだろうか。読み終えたあとのやけに浸透した感覚は。
    あぁ、なるほど、と。

    京極夏彦さんらしさが垣間見える作品。
    語り手の性別は大方想像にお任せ?

    「空き地のおんな」ゾッとした。
    「柿」には狂気を感じた。

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    2014年02月17日

    Posted by ブクログ

    「幽談」と一緒に購入・・・するでしょ、並んでたら。モヤモヤする短編8つ。「幽談」同様、"日本的"な怖さを感じる1冊。ダイレクトに幽霊がひゅ~どろどろというのではなく、遠い昔の思い出にあるあれってもしかして・・・とか、なんか違う気がするといった、背筋がゾクッとする話。個人的には「凬

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    2014年02月08日

    Posted by ブクログ

    幽談と併せて買って、こちらを後に読みました。
    タイトルだけを見た時は幽談の方が魅力があるように感じたのだけれど、
    蓋を開ければこちらの方が文章が胸に迫る。

    幽談は怪異と登場人物の間に距離が感じられます。
    『こわいもの』はあくまでもベッドの下にいる存在であったり、後ろから追いかけてくる
    正体不明のも

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    2014年01月29日

    Posted by ブクログ

     まず最初に全体を読み終わったの感想。

     なんだか漱石の『夢十夜』に似ている。勿論、雰囲気が似ているだけなんだけど……。

     『幽談』に比べると怖さは控えめ。どちらかと云うと幻想文学に近い印象。読んでいて映像が鮮明に浮かび上がる描写はやはり秀逸!

     この人は泉鏡花に近いものを書くこともできる作家

    0
    2014年01月15日

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