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歴史は1秒で変わる――歴史家はどのように史料を読み、歴史を描き出していくのか? 「一級史料」を題材に、教科書や歴史書を鵜呑みにしない「私の史観」の身につけ方を学ぶ。
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Posted by ブクログ
史料に基づいて歴史を考察する、その「歴史感覚」を伝授する本。 第1章 有名時代劇のもと史料・・・宮本武蔵、忠臣蔵の真実とは。 第2章 歴史家は何をどう読む?・・・東京大学史料編纂所の歩みと 史料に関する仕事。編纂とは?史料の読み方。 第3章 新しい史料を発掘する・・・全国各地に残る史...続きを読む料を探訪。 大名家の膨大な史料から、古書店から、旧家からの発見。 第4章 一級史料の宝庫「島津家文書」を読む・・・史料でわかる、 島津家の内情。 第5章「歴史学」への招待・・・一級史料との出会い、データベース化、 時代劇の見方、史蹟散策。 江戸時代一級史料一覧、著者が訪問した史料所蔵期間一覧有り。 過去から遺された史料。 中でも一級史料と云われるものとは? 東京大学史料編纂所で多くの史料に関わってきた著者による、 一級史料を介し「歴史感覚」を身に付ける入門書です。 歴史書や歴史小説を鵜呑みにせず、正しいかどうかを判断する 「歴史感覚」を身に付けるためにも史料を読むのは大事、と。 読み易い文章で、史料について分かり易く、書かれています。 島津家文書から読み取れる事や藤沢作品の時代考証は 面白かったし、史料の大切さもよくわかりました。 そして、著者の他の本も読んでみたくなりました。
日本史の資料は様々ある中で、一級・二級・三級…とそれぞれカテゴリー分けで分別されているらしい。 やはり大学の教授が書いた本、めちゃくちゃ分かりやすい。 色んな史跡や博物館などに展示されている古文書等の資料は膨大な数過ぎて 展示してあるのものはほんの一部にすぎないし 全てデータベース化していこうと思う...続きを読むと途方もない時間と労力。 オークションなどで取引されたり、あるいはまた個人の私物として持っていることもあるし 今歴史の教科書や本なども新しい情報が更新されていき、少しずつ解明している謎もある それでもまだまだ、今も尚更新され続けている歴史はやはり面白いもんだと感じた。 そういえばだいぶ前に「るろうに剣心」実写版の映画を観に行った際 一緒にいた友人が「これって実話でしょ?」という一言に驚愕した。 そんな馬鹿な!と思うけど世の中にはそういう人もいるということ… 歴史を学ぶって大事だなと心の中で思ったのである。
赤穂義士には史料がたくさん、宮本武蔵にはほとんど史料がない。へ〜。一次史料を丹念に読み解くことで日に日に歴史が書き換わる。
東京大学史料編纂所の教授で著書も多数ある著者さまの、史学入門書というか、史学の心得を説いた本。 史学とは何ぞやという初心者の方にも分かりやすく「です・ます調」で書いてあるので読みやすい。これから史学を学びたい学生さんは勿論、すでに学んでいる方々にも初心を思い出すのに良いと思う。 ウィキペディアやネ...続きを読むットでの知識で「私歴史詳しいんだから!」とか言っている方々にも是非読んでいただきたい一冊。
史学科に入学する大学生に読んでもらいたい本って感じだった。 でも、史料について見直す部分もあったので、勉強になった。
[ 内容 ] 現在、われわれが知りうる歴史というのは、史料から復元されたものであり、かつ史料からしか復元されえないものです。 現代に生きるわれわれは、織田信長の肉声を聞くことも、関ケ原の戦いを目撃することもできません。 すべては、残された史料をもとに、歴史家たちによって紡ぎ出された「歴史」なのです。...続きを読む ですから、固定された正しい歴史などというものはどこにも存在しません。 歴史とは、新しい史料と新しい解釈によって、この一秒の間にも書き替えられ、更新されていくべきものなのです。 ―本書では、「一級史料」を題材に、歴史家がどのように史料を読み、歴史を描き出していくのか探っていきます。 そのうえで、教科書や歴史書の記述を鵜呑みにしない、自分なりの「歴史感覚」の身につけ方を学んでいきます。 [ 目次 ] 第1章 有名時代劇のもと史料(宮本武蔵の一次史料はたったこれだけ;一次史料が豊富な「忠臣蔵」) 第2章 歴史家は何をどう読む?(東京大学史料編纂所;史料集の編纂とは何をするのか? ほか) 第3章 新しい史料を発掘する(歴史学の基礎を築く「史料採訪」;わたしの「史料採訪」 ほか) 第4章 一級史料の宝庫「島津家文書」を読む(島津家の文書とともに死ぬのなら本望;一次史料だけで「歴史」が書ける ほか) 第5章 「歴史学」への招待(いろいろな一級史料に出会う;データベースから史料を探す ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
日本史についての正確な史料というものは、意外に少なく、いままで習ってきた日本史がすべて正しいということはないということを本書は気づかせてくれます。 宮本武蔵を例に挙げて、多くの人の彼に対する認識の間違いを指摘していて、なかなか面白かったです。
歴史の痕跡である史料とは何か? ヨーロッパの中世史は好きだし、日本史だってまぁまぁ興味がある。 歴史上の有名な出来事について、いろいろな事が起こったことを知っている。 昔から映画やテレビで時代劇を見るし、扱う時代によっては今でも大河ドラマを見る。 気に入ったものが見つかれば、歴史小説や時代劇だって読...続きを読むむ。 あぁ、歴史上の有名人であるところのあの人は実はこんな人であったのか…こんなことやあんなことも言ったのだな…などと感心しながら楽しんでいる。 で…巌流島の戦いで武蔵が小次郎に言い放った名セリフ。 「小次郎敗れたり!」 いや、これを言ってないってどういうこと? 言ったでしょう…いや、言っていて欲しい。 いかにも言いそうでしょう? いやいや、そもそも五輪書は武蔵が書いたものではないって…それはさすがに不味いでしょ… 武蔵の死後、弟子たちは流派を守り、発展させていく中で、自らの出自を正当化する必要に迫られ、五輪書を捏造し、その秘伝書を授かったという事実も捏造した。 私こそがかの秘伝を相伝した正統なる弟子。 秘伝を受け継いでない、貴方は違うでしょって感じ? そもそも秘伝なんかなかった(?)のに… 伝説だけが独り歩きしてしまっている。 一方、それは正真正銘本物の文書だった場合でも、それを持っている者が、自らを正統であることを主張できるとしたら… 己が正統であることを証明するために、時にはその文書を奪い合う。 書物や記録の持つ力って、本当にすごいのだ!
古本で購入。 東京大学史料編纂所教授による日本史入門書。 史料を巡るあれこれを述べていくわけではあるけど、テーマになっているのは「如何に歴史に親しみ、自分なりの歴史を見る眼を持つか」。 教科書の丸暗記的知識ではなく、歴史の中で生きてきた人々のことを考えるのは楽しいよ、ということを著者は言う。...続きを読む そのための格好の素材が「古文書」であると。 そうは言っても古文書を読んで理解するにはそれなりの知識が要るわけで。 だから本書は「日本史を勉強して知識を得たけどそれで満足している人」向けと言っていいと思う。 少しでも日本史に興味のある高校生あたりに読んでもらいたいね。 内容については、個人的には不満。 著者がこれまで触れてきた「一級史料」を紹介していくのいいとして、広く浅くなので物足りない。 例をもっと絞って深く突っ込んだ史料論を展開してほしかった。 史料編纂所の生い立ちや藤沢周平作品の検証なんかは読み物としておもしろいけど。 それにしても本書には著者の自分情報がやたら多い。 これほど「○○については私の著書『~~』で述べたので繰り返さない(読んでみて下さい)」というのが多い文章も珍しいような。 著者の卒論・修論も史料を用いた一例として出てくるのだが、「一級史料をきちんと読み解けばこれほどの成果が出るんです」という勢い。 卒論でそんなに堂々と出せるほどの研究成果を出したのだろうか… ダメ学生だった自分には到底理解できませぬ。
著者には品位がある。想像の翼を広げず大風呂敷を抑制する。、そこに文献史料学者としての矜恃がある。取り上げている史料は片々たる物であり、大きな史実が発掘される訳でもない。だが、何気ない1次史料からどのようにして一つの史実が引き出されるかが解説され、十分に面白い。著者自身の研究の過程を基にして近世文献史...続きを読む料学の現場と問題意識がよくレポートされ、この学問の楽しさが十分に味わえる。 星について 史料学の楽しさが良く活写された好著である。であるが、入門書のために、新しい知見があるわけでなく、深く考えさせられる内容でもない。よって星3個。
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日本史の一級史料
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