地下室の手記

地下室の手記

世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!

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地下室の手記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    暗く、ジメジメした穴ぐらから溢れ出る呪詛。
    ポジティブを全て向こうに回し、己の駄目さ加減を棚に上げて捏ねくり回される自己肯定。
    でもなんか途中から、なんか自分のこと言われてる‥と感じたり。
    妙にハマった。

    1
    2020年02月04日

    Posted by ブクログ

    主人公に、まるで未来の自分が書いたような強い共感を感じた。肥大化したプライドで他者を見下し、同時に自己が矮小で卑劣な存在だと認識していながらも、それを変える為に前向きな、つまり現実と対峙することから逃げ続ける。高すぎる理想で、他人を嘲笑するが、それは自分自身にも適用される。

    自己嫌悪、自意識過剰、

    0
    2024年04月17日

    Posted by ブクログ

    「俺は病んでいる・・・ねじけた根性の男だ」で始まる非常に暗い小説。小説は2部に分かれ、Ⅰ部の「地下室」はモノローグで主人公のねじれた人生観がくどく語られ、Ⅱ部の「ぼた雪に寄せて」では主人公を「ひどく苦し」めている思い出が語られます。
    Ⅰ部は難解で矛盾だらけ(ただ、注意深く読むと論理的一貫性があるのか

    0
    2024年01月25日

    購入済み

    娼婦を感動させたのに...

    娼婦に気持ちが伝わったのは感動だ。
    でも、主人公は分裂した感情を持つ。
    単純でないのはつらいことだ。
    だが、読者が
    アンビバレンツを直視するなら
    何かが見えるかもしれない。
    娼婦ではないが汚れた状況下の女性である
    『ブギーポップは笑わない』の織機綺、
    『青春の門・筑豊篇』の牧織江、

    #タメになる #切ない #深い

    0
    2021年08月26日

    Posted by ブクログ

    肥大する自己意識。ちっぽけであると分かっていると同時に、どこか偉大であると信じている自己の存在意義。結局、極悪にも、善良にもなりきれずに世界を恨む。人間の普遍的な自己意識と世界との関わりの間で揺れ動く悩みは時代や場所が変わっても色褪せずに多くの人々の心に問いかけ、また、慰めてくれている。

    0
    2019年09月24日

    購入済み

    自意識過剰と書いているけど、実際は人の悪意を正面から受け止め過ぎた悲しい主人公だと思いました。人間は脳髄で考えているのではなく手足からつま先に至るまで、それぞれ別々に考えている。頭も尻もない下等動物の連中が暑い寒いを正確に判断したり、喰い物の選り好みをするのはまだしも、人間の脳髄なんぞが寄っても附け

    0
    2019年03月03日

    Posted by ブクログ

    新訳ではありますが、久々に手にしてみました。
    凄いですな、これは。
    主人公の倒錯の果ての自意識過剰・自己中心意識には憐れみを覚えると同時に読者(あるいは当方)自身の欺瞞を抉り出されているようで慄きを感じる。
    また、リーザの設定などヨーロッパを知っていればより深くこの本を味わえるんだろうと思いますな。

    0
    2014年02月10日

    Posted by ブクログ

    この手記の主人公の惨めな姿に、自らを重ね合わせてしまうのは私だけであろうか。
    この主人公は現代に特有の深刻な人間像の、1つのモデルになっていると思う。高度な知識人、教養人にありがちな、自意識の肥大化、その自意識と目の前の外界がうまく結合せず、自意識の中でもがき苦しむ人々。高等教育が普及した現代にこそ

    0
    2013年12月08日

    Posted by ブクログ

    屈辱的な体験を飾らずリアルに描写したような話です。
    主人公の葛藤が、恥辱の体験があまりにもリアルで、単なるフィクションとは思えません。
    ドストエフスキーの人間観察の鋭さに圧倒されました。

    0
    2012年05月31日

    Posted by ブクログ

    罪と罰、カラマーゾフの兄弟の次に読んだドストエフスキー作品なのですが、今のところこれが一番好きかもしれません。
    100年以上も前に書かれた小説だというのに、人間のどうしようもない傲慢で自分勝手で撃たれ弱い所が良く出ていて、ああ、あるあると共感できてしまう所がたくさんありました。
    頑張ろうとすると空回

    0
    2012年04月30日

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