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コロンブスの新世界到達を契機として、ヨーロッパ人は南米へと進出した。黄金郷という見果てぬ夢を追い、己の全財産、全人生をかけて、彼らは探険を決行。その黄金にかける情熱は、やがて南米北部におけるスペインとイギリスの覇権争いにつながっていく。緑の秘境として知られるギアナ高地。そこは黄金の争奪戦が繰り広げられ、探険を侵略の道具とする「探険帝国主義」の舞台だった。黄金と領土争奪の五百年のドラマを追う。
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Posted by ブクログ
これぞ在野研究の鏡! 硬質の文章なので南米文学好きの男性研究者が書いた本なのかと思ったら山田篤美氏は女性。本書の面白さにつられて最初の著書と思われる「ムガル美術の旅」を読んだが、こちらもすばらしい。どちらも、かなり非日本語の資料を読み込んで書かれているのだろうし、とにかく書いているご本人が楽しそうな...続きを読むのだ。「ムガル・・」の方にはお写真もありかなりお若い。結婚されても好奇心をフル稼働させて著書を産み出していくパワーにほとほと感心しました。
中南米史、といえばすなわち15世紀からの侵略の歴史で、ぼんやり知っているけれどあまり面白くないので真面目に勉強していなかった。が、この本は読みやすいし、へー、あそこでそんなことが?あの地名にはそんな意味が?あの小説と映画の舞台がそこ?みたいな驚きがたくさん。そして、何より筆者の好奇心と、そこから生ま...続きを読むれた調査へのエネルギーに感服した。見習わないと・・・
本書を読み、奴隷貿易で世界有数の国家までのし上がった英国がなぜ金本位制を主張したのかと、西洋列強がいかにして植民地を拡大したのかが理解でき有意義だった。と同時に本著者の別の著作にも出会え如何にして中国が今の大国へと上り詰め如何にして西側諸国と縁を紡いで来たか?がわかりそうで満足である。今一度明治維新...続きを読むと大戦によりずれた我が国の時計の針を戻す手がかりとしたい。
南米に残された最後の黄金郷、インカ、アステカに続く第三のロマンの地、「エルドラド」について書かれた一冊。 ベネズエラというおよそ日本人にはなじみのない土地を舞台とした歴史の物語が、年代を追って活描される。 悪魔の山から流れる天使の滝。品川区の面積の山頂を持つ断崖絶壁の山。急斜面に密生するラン。牛をも...続きを読む殺すデンキナマズの潜む河……。 未知の土地への冒険譚は、当時の探検家、黄金を欲した列強の政治家と読者を同じ目線にする。 一方で、著者は西洋の植民の歴史への警告も忘れていない。 南米に興味のない人にも読み物としておすすめの一冊。
まだ50p程度しか読んでいませんが、 確かにコロンブスは侵略者以外の何者でもないよなあ・・・。 また、当のスペイン人などはこれらの行為を現在どう捉えているんでしょうねえ?
コロンブスから現代までの南米北辺ベネズエラ、ギアナ辺りの歴史。『ロビンソンクルーソー』『失われた世界』『パピヨン』の舞台が、金だけでなく鉄やダイヤモンドの採掘ラッシュの地となり、探検帝国主義そしてモンロー主義の始点となる。 専門ではなく数年ベネズエラに滞在した著者によるものだが、なかなか無い視点故興...続きを読む味深く。
最初はスペイン、ついでイギリス。まぁ南米における彼らのヤクザで詐欺師なこと!!グアタラッルという乱暴モノが出てきて町を破壊し略奪するわけですが、これがエリザベス女王の寵臣ウォルター・ローリーと知ってあぜん。サーとかもらってるけどただの海賊やん。。。探検して測量して地図を作ることで、その土地を自国の領...続きを読む土とするというイギリス人。勤勉でヤクザで、その両面性がとても興味深い人たちだなと思いました。
歴史に名を残した探検家は数多くいます。勇名どころでは大航海時代のコロンブスやマゼラン、ヴァスコ=ダ=ガマ、「暗黒大陸」アフリカ探検のリヴィングストンやスタンリー、中央アジア探検のスウェン=ヘディンなど・・・。「探検」という言葉は浪漫を感じさせますが事実はさにあらず、帝国主義的領土拡張の先兵として探検...続きを読む家たちは「未開」の奥地へと分け入ります。それというのも、近代ヨーロッパの論理では「地図の空白を埋めた国」こそその地域の支配権を認められるというルールがあったからです。たとえそこに先住民がいたとしてもキリスト教徒でなければお構いなしです。現地の人とときに交流し、ときに騙し、そして奴隷的苦役を強いて探検家たちは「ヨーロッパ人に知られていない地域」 を埋めるべく進んでいきました。本書はラテンアメリカとくにベネズエラを中心とした北部に焦点を当て、「探検帝国主義」をキーワードに南米北部の歴史を綴ります。本著に書かれてある、この地に向かうスペインやイギリスの「貪欲さ」と「自己正当化」は帝国主義をトータルで考える際に大変示唆に富む内容でした。
[ 内容 ] コロンブスの新世界到達を契機として、ヨーロッパ人は南米へと進出した。 黄金郷という見果てぬ夢を追い、己の全財産、全人生をかけて、彼らは探険を決行。 その黄金にかける情熱は、やがて南米北部におけるスペインとイギリスの覇権争いにつながっていく。 緑の秘境として知られるギアナ高地。 そこは黄...続きを読む金の争奪戦が繰り広げられ、探険を侵略の道具とする「探険帝国主義」の舞台だった。 黄金と領土争奪の五百年のドラマを追う。 [ 目次 ] コロンブスの航海の本質 南米真珠狂騒曲 エルドラド伝説の誕生 オリノコ川のエルドラドの噂 サー・ウォルター・ローリーのギアナの発見 デフォーのオリノコ川植民計画 地図作成という侵略 「ギアナ高地」と探険帝国主義 ベネズエラ国境紛争とモンロー主義 ドイルの『失われた世界』の新解釈 パピヨンとエルドラド刑務所 黄金探しは今も続く [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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黄金郷(エルドラド)伝説 スペインとイギリスの探険帝国主義
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山田篤美
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