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九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも? 事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは〈人間もどき〉の存在に気づく……。
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Posted by ブクログ
珈琲怪談を買ったのですが、関連書籍と聞いてこちらの作品と不連続の世界も購入。 恩田陸さんの作品を読むのは初めてでしたが、読みやすくてすごく面白かったです。町のじっとりとした空気感や仄暗い雰囲気が終始目に浮かぶようで、設定も文章もすごく惹き込まれるものがあり他の作品もとっても気になって積読が増えました...続きを読む…読むのが楽しみです!!
多聞さんまで盗まれたいたとは 予想外の展開でした 掌に握られていた鳩笛 藍子も同じ鳩笛を握りしめていたのは何故? 得体のしれない あれの存在にビクビクしながら 楽しんで読みました
恩田陸さん、好きで結構読んでるんですが、私が合わない作品も稀にあり。挫折しそうになり実際に中断して他の小説読む期間がありましたが、皆様の感想を読んで再度、一から読み直しました。結果、申し上げると最後まで読み良かったです。私の感想はネタバレにならないよう控えてますが素晴らしかったです。先の評価された方...続きを読む、感謝申し上げます。
恩田ワールド、流石です。ホラー、ミステリー、ファンタジー、うーん、ひとくくりにはできない。そして日本ならではの郷愁もあり。そして、もしかしたら、盗まれた、世界があるのかもしれない、と思わせてしまう、恩田陸さん、あなたは何者ですか!?当分、抜け出せない恩田ワールドです。
お手本のようなSFモダンホラーだ。間違いない。未読の方は幸せだ。情報など欠片も仕入れずにこの本を手に取り、頁を開け。夢か現かわからない悪夢にうなされる事は間違いない。保証する。 20年振りに再読してもなお、本書は新鮮だ。奇妙な出来事に直面した登場人物たち、彼らが追っていく事件の一つ一つ、そして明らか...続きを読むになっていく真実と事件の姿……この様に静かに悲鳴をあげたくなった。大口を開けて悲鳴をあげるのではない。息を押し殺して心の中で叫ぶのだ。このねっとりとした、まとわりつくような恐怖は詩的で、郷愁を誘い、魅力的だからタチが悪い。一度取り込まれたら最期だ。もう引き返せない。
●所感 2025年、最も、考えさせられる小説かもしれません。 いや、小説という括りが適当ではない書籍といえるかもしれません。 感想は後日改めます。 簡単には、書けないからです。 ------------ ●2025年12月記録 感想 1.世界観 『月の裏側』は、私たちを日常の裏側に潜む不確かな世...続きを読む界へと誘い込む、冷たくも美しい傑作です。 物語の根幹を成す不可解な現象――人が唐突に失踪し、しばらく後に記憶を失ったまま戻ってくるという出来事と、街の至るところに溢れる水源という異様な設定から生まれています。 2.テーマ この小説が提示するのは、「見えているものの本来の姿は何なのか?」という、哲学的な問いかけです。 物語の舞台となる街は、失踪と水源という二つの「異界の兆候」を抱えながら、あたかも何も起こらなかったかのように日常を営んでいます。 この不気味な状況は、私たちが生きる「自分」という存在の基盤を揺るがします。 それは、私たちは、生きているが、「どこまでが己なのか?」「肉体と精神の境界は何なのか?」という根源的な問いです。 3.得体の知れない怖さ 記憶を失って帰還した者たちの姿を通して鮮烈に突きつけられます。 それは、自分の肉体が知らない時間を過ごし、精神が空白を抱える状況に、、、です。 私たちが「私」だと認識しているアイデンティティは、いかに脆く、曖昧な境界の上に成り立っているのかを痛感させられるのです。 4.恩田陸さん 日常の隙間から滑り込む「月の裏側」のような異世界を、恩田陸さんは圧倒的な想像力と創造力で具現化しています。 あり得ないはずの現象を、あたかも現実であるかのように描写する筆致に、ただただ圧倒されました。 この作品を読み終えて痛感したのは、AIが論理的な「物語」を構築できても、恩田さんのような作家が作り出す、読み手の存在そのものを問い直す「作品」は生み出せないのではないか? というものでした。 以上 ------------ ●2025年11月内容 このレビューでは、なぜそのように考えたのか? そのきっかけの原文を転記しておきます。 なお、□は、私側で勝手につけた分類である。 ------------ ●お願い もしも、どれか一つでも、皆様の心を捉えるならば、ぜひご一読をお願いしたい ------------ 『月の裏側』は、生物史であり、人類史であり、哲学であり、そしてそれらの上でのミステリーであるのかもしれない。 -----以下は原文----- □男のひと、女のひと 「男はさ、たまにバラバラな奴もいるけど、だいたい同じ方向向いた矢印がいっぱいぶら下がってるんだよ。 でも、女の子って、向きの違う矢印がいっぱいぶら下がってるのね。 だから、男は自分の矢印と女の子の矢印の向きを合わせようとするんだけど、女の子の矢印は全部方向が同じわけじゃないから、いつのまにか他の矢印と正面衝突したり立体交差になっちゃてたりする」 ------------ □人類 「なあんで、こんなに複雑な生き物になったのかなあ、人間って。僕らのサブカルチャーなんて、人類の進歩には全く貢献してないよねえ。人間って無駄なことばかりする方向に向かってるけど、これも何か戦略と関係あるのかなあ」 ------------ □進化 「この一世紀、人間はどんどん身体を使わない方向に向かってますよね!!乗り物が発達して足を使わない。道具が発達して手も使わない。首から上ばかりを使う。話す、聞く、読む。 つまり、目に見えない部分、言い換えれば『意識』をどんどん発達させて、イメージを広げて頭の中のものを目に見えるようにしたいと思っているわけです。これがさらに進んでいくと、テレパシーに近い状態になっていく。意識だけで他人と交信する。」 ------------ □共同体 『ひとつ』になりたいという誘惑だ。宗教も、家族も、社会も、我々の「ひとつ』になりたいという誘惑が生み出した形式なのではないかと思うことがある。なぜなら、個々に自分の戦略を探るのは大変なストレスが伴うが、「ひとつ』になるのは楽だし何も考えずに済むからだ。 ------------ □同化、多様性 我々は無意識のうちに他者と同化することを避け、恐れてきた。なぜならば、多様性こそが我々の生物としての戦略だからだ。 ------------ □日常への観察と認識 みんながどっぷり平凡な日常に浸っていて変化に気付かない。または、頭から変化を否定して気付かないふりをしている。 ------------ □生命の歴史 人間が意識を獲得し、社会を作り、倫理や哲学を確立して自らの行く末を模索してきた歳月も、生命というもの自体の巨大で冷徹な流れには何の関係もない。
あらすじを読まずに表紙買いしたので、あれあれ……と思ううちにホラーになって、思わず笑ってしまいました。詩的な表現の多い作家さんだというイメージだったので、序盤で、この不穏な感じがだらだら続いていくのかな?とのんびり歩くような気持ちで読んでいたら、三分の一くらい読んだ辺りからSFホラー……それも、段...続きを読む々と何かが人間に入れ替わるという、どっかで見たSFホラーに。個人的には大好物なので、『面白くなってきたあ!』と駆け足になり、最後は全速力で走る気持ちで読み切りました。ホラーとは言いましたが、中盤以降は洋画的な、動きのある展開が多く、SFとか洋画とか好きなら笑いながら読めるかも。 むしろ、ストーリーよりも、登場人物の語る「生命の戦略」についての話のほうが刺さりました。「私って、なんでこうなんだろう……」に対しての力強いアンサーにも感じてしまいます。一つになれば平和になるし楽になるだろうけど、やっぱり私は他の人と同じにはなりたくないかなあ……。
ぞわりとする余韻が味わえるホラーSF小説?私はミステリだと思って読んでたのでびっくりした。しかし心とは、自分を自分たらしめるものとは一体何なのか。何があれば人間あり自分であると自信を持って言えるのか。そういう哲学的な面を考えさせられる小説でもあった。 途中から面白くて一気に読んでしまう。どんな結末を...続きを読む迎えるのかどきどきしながら読めた。 恩田陸の書く話は、斬新な観点に触れられるのでおもしろい。合わせて「不連続の世界」も読みたい。
終始ドロリと粘っこい黒い液体が身体にまとわりついてくるような作品でした。 ホラー耐性が強くない自分には、グロテスクなシーンを想起させる文脈も多く登場して、なかなか辛い部分も。 そして途中から、どうやらホラーの要素だけではないことにも気付きました(遅い)。 一体どこにどうやって着地させるのか、と気にな...続きを読むりながら読み進めましたが、なるほど、恩田陸はそこに着地させたかと、ウンウン唸りながら本を閉じました。 シリーズ作品ということなので、続けて読んでいこうと思います。
九州の水郷地方都市で、三人の老女が相次いで行方不明になり、行方不明中の記憶を失くして数日後にひょっこり帰って来た事件の謎を解明するために、元大学教授の協一郎と、協一郎に呼ばれた教え子だった多聞、協一郎の娘の藍子、ジャーナリストの高安が奔走する。 すごく久しぶりに恩田陸を読んだのだけど、ああそうだ、...続きを読むじわじわーっと気色悪いのが近づいてくるこの感じ・・・緊迫感とか、逃げ場のない不安感、寄る辺のない心もとなさが「これぞ恩田陸」なんだったなーと思いながら読んだ。 「父には分からなかったのだろう。いつも独りぼっちでいるのが当然と思っていた私の中に、『誰か』に助けを求めるという選択肢がなかったということを」 この文章が私に刺さった。なぜ刺さったのか、これからゆっくり考えていこうと思う。
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恩田陸
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