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「公正中立」な視点という共同幻想に支えられながら、撮り手の主観と作為から逃れられないドキュメンタリーの虚構性と魅力とは何か? 情報が「正義」と「悪」にわかりやすく二元論化され、安易な結論へと導かれる現代メディア社会の中で、ドキュメンタリーを作る覚悟と表現することの意味を考察したエッセイ。自らの製作体験や話題の作品を分析しつつ、自問と煩悶の末に浮き彫りにした思考の軌跡。
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Posted by ブクログ
唐沢なをきのNHKやらせ騒動の件やイルカ漁などを髣髴とさせるタイトル。ドキュメンタリー作家が、ドキュメンタリーとは何かを自伝とともに。コラムの途中で、森氏自身の経験と意見が織り込まれ、大変生々しく、始終スリリングで目が離せない。ただ、タイトルとは違って"ドキュメンタリーの敗北"に...続きを読むついてが目立つ内容ではある。
想田監督作品から始まった私のドキュメンタリー映画への道。 森さんのドキュメンタリーへの熱い想いを伺いしり、ますます深みにははまって行きそうです。 世の中は、割り切れないことばかり。しかし、現在のマスメディアはいろいろなことを単純化しすぎている。 それは社会自体にも当てはまる。 森達也氏の指摘をもっ...続きを読むと噛みしめるためには、ドキュメンタリー映画が訴える様々な人々から発せられるメッセージを受け止めるべきかもしれないと強く感じました。 大学生にオススメの文庫本だと思いました。これから社会にでる前に読んでおくべき本ですね。
2009年59冊目。安易な二元論を排し、悩んで悩みぬいて結論を留保することもある森達也さんの著作です。この人の考えには全面的に賛同することはありませんが、誠実に考え続け、考え続けようとする姿勢は学ぶものがあります。
うーん、面白かったようなそうでもないような。森達也の事は「いのちの食べかた」で知ったんだけど、AもA2もまだ観ていない。別のこの人にドキュメンタリー映像の歴史を紐解いてもらわなくてもよかったし、なんか主語がでかいし、語り口は甘ったれてるのにやたら使い慣れない難しい言葉を繰り出したがる(平易に表現が十...続きを読む分にできるのに!)ところがなんか気に入らなかったな。中身以前に文章が嫌いなんだな。ただ興味深い部分も沢山あったよ。ドキュメンタリーとドラマに本質的な違いはない事、モザイク処理の罪について、セルフドキュメンタリーについて、とかね。
テレビではどの局も、情報が分かりやすく結論も決まっているかのように、同じような内容を伝えられている。そうした日本のメディアの問題を捉えている。タブーを映像化してきた森達也さんのドキュメンタリーに対する姿勢が理解できる本。
森達也のドキュメンタリー論とでも呼ぶのが正しいのだろうか。 たしかに本書に書かれているように、「ドキュメンタリー=公正なもの」という意識は我々の中に根付いている。 ただ、実際は監督の意思にそって進められている映像作品であり、それが正義だとは限らない。 しかし、観ることで自分のなかに問題定義を呼びか...続きを読むけてくる作品かどうかは重要で、少なくとも私にとって森氏の映像作品や著者はそういう存在であることは確かだ。 ドキュメンタリーが好きだと自負する人こそ、本書を読んで頭をガツンと殴られてほしい。
ドキュメンタリーのマニアックな話(巨匠やその代表作の偉大さ)に多くのページ数が割かれ、かつ文章が冗漫であるため、読むのに時間がかかったが、核となる主張は以下の通り ■ドキュメンタリーは決して客観的事実の蓄積ではなく、あくまで主観に基づいて創作された、自分本位な「作品」 ■すべての映像は主観基づい...続きを読むて作られている(すべての映像はドキュメンタリーだ。 ジャン=リュック・ゴダール)。なぜならば、すべての映像はキャメラによって主体的に映像を現実を切り取る、そして選択的に編集するという、二つの過程を経ているからである。 ここのエピソード(ex 地域住民は実はオオム信者をマスコミから守っていた)は大変興味深く、昨今話題のメディアリテラシーについて、学者目線( 内田樹 町場のメディア論)とは違って、”現場からの声”を聞くことができる
簡単に「わかったふり」をするのであれば、他者から馬鹿にされても「分からない」と言い続ける勇気を持とうと思いました。 若干、森さんの「ドキュメンタリー論」みたいな歴史変遷?の話は一回だけでは理解できなかったけど、後半の9.11のこととかがショッキングでした。
読みたい。 少し前に興味あり。12/2 本屋行ったがなかった。 その後、読んだ。9/28か9/29完
後れ馳せながらここを通過した 様々な価値観と視線による差異がある それと共にあらゆるグラデーションもある
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それでもドキュメンタリーは嘘をつく
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