経済学は人びとを幸福にできるか

経済学は人びとを幸福にできるか

ビジネス・実用
1,408円 (税込)

7pt

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2003年刊の底本『経済学と人間の心』(四六版上製)の新装版。
著者は市場メカニズムや効率性の重視に偏った考え方を批判し、人間の尊厳や自由を大切にした経済社会の構築を訴えてきました。
実際、2000年代後半のリーマン・ショックや世界経済危機を経て、「人間が中心の経済」という思想はますます輝きを増しています。同時に、幸福な経済社会を作るうえで、経済学がどのような役割を果たせるかという議論が巻き起こっています。
新装版では底本の構成をガラリと変え、未公開の講演録2本を追加しました。さらにジャーナリストの池上彰氏が「『人間のための経済学』を追究する学者・宇沢弘文」と題して、解説を加えています。
ノーベル経済学賞候補と言われた世界的な知の巨人・宇沢弘文氏が、温かい言葉でその思想を語った、珠玉のエッセイ集です。

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経済学は人びとを幸福にできるか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    経済学が科学にシフトした分、「人々の幸せ」から遠くなっているのではという、基本的問題意識は共感できるとともに、非科学ではないかという恐れもある。
    我々は「アカデミズム」という現代宗教の門徒であって、破門される恐怖があるのは中世と変わらない。
    その呪縛を否定したのが宇沢先生、特に、公害・自動車問題など外部不経済について厳しい論調に転じられたような気がする。
    本書でもそのスタンスは揺るがないとともに、世界史では英国帝国主義、国内では官僚権力体制に対する姿勢は驚くほど厳しい。
    現在のアベノミクスや、原発問題など、宇沢先生のコメントがほしいと思うのは、甘えだろうか。
    本年、ご逝去のご冥福を祈ります。

    0
    2021年02月09日

    Posted by ブクログ

    夢中になりました。
    現代社会の課題に対する考察は、どれも共感できるものでした。むしろ今まで意識していなかったことを、不意に気付かされた印象です。
    中でも特に大事にしたいと思ったのは、教育と都市造りに関する論考です。
    教育に関する部分では、子を持つ親としてこれまでの認識を改める必要性を感じました。親はもちろん、教職に付く全ての人に知ってもらいたい内容でした。
    都市造りに関する論考は、言われてみれば納得の内容でした。ではなぜ今まで認識できなかったのか?それは自身で考えることを疎かにしていたから。そして他人の意見を鵜呑みにしていたからだと思います。
    素晴らしい読書でした。

    0
    2020年07月07日

    Posted by ブクログ

    経済には滅法疎い私だが
    一昨年、宇沢弘文さん
    という偉大な経済学者がいらしたことを
    NHK「クローズアップ現代」で知った。

    同僚であったミルトン・フリードマンと激しく対立し
    市場原理主義の考えには全く相容れなかった。
    常に人間のための経済学を追求し続けた。
    だから何度もノーベル賞の有力候補に挙げられながら
    果たせなかったのかもしれない。

    この本は宇沢先生のエッセイ集だ。
    だから人としての先生の姿がよく見える。
    「社会的共通資本」を読む前に
    この本を読んでおいてよかった。

    いま
    アメリカ的な社会をひたすら目指す日本、
    格差と分裂、混乱が益々拡大していく世界を
    宇沢先生はどんな思いで見つめているだろう。
    その目は哀しみに満ちているに違いない。

    0
    2016年01月09日

    Posted by ブクログ

    宇沢教授の著書は何冊か読んでいるが、あらためてその崇高な志に文章を通して触れることが出来、身が引き締まる思いです。
    勿体なくて先を読みたいけど読みたくないという思いで読む本は久しぶりでした。
    社会的共通資本の考え方を知る入門書として多くの人に薦めました。
    自分自身もこの本の中に出ている参考図書を読み、再読したいです。

    0
    2014年04月28日

    Posted by ブクログ

    宇沢は、モンペルラン・ソサエティに淵源する正統ネオリベラリズムの潮流(ハイエクやナイト)とフリードマンの市場原理主義を峻別して、前者には一定の重要性を認めた上で、後者を厳しく批判している。宇沢によれば、フリードマンは経済学について、マクロな側面についてはいっさい論文を書いていないし、ミクロな側面についても一貫した理論を持たなかったらしい。じっさい論文審査にあたり「どんなに前提条件がおかしくとも貨幣数量説が結論として出てくるならばそれは良い論文である」などと放言していたそうである(本当に学者なのか?)。
    「共産主義者など一人でも多すぎる」などと吠え、“自由”を守るためなら北ベトナムへの水爆投下もやむなしとするほどの狂犬は、同じ自由主義者ながらあくまでも人道を重んずるナイトによりスティグラーとともに事実上の破門宣告を受け、ゴールドウォーターにさえ“too extreme”と評された。フリードマンの訃報に接したとき、宇沢は妻とともに喜んだそうだが、まあ無理からぬことかと。

    経済学の話よりも日本の教育批判の方が面白い。日本の学歴ヒエラルキーの頂点は医学部と法学部であるが、欧米の一流大学は自然科学、人文科学、哲学、古典のような“虚学”が中心であり、工学部、医学部、法学部、経済学部などはスクールと呼ばれ、専門大学院のような扱いである。1960年代、丸山眞男は、本郷の学部を専門学校化し、駒場を東京大学とする東大改造案を構想していたが結局頓挫、その後東大を去った。
    本書第10章で宇沢は、学部における少人数制の演習が大量生産方式の教育に慣れきった学生たちに与える影響の大きさを強調している。いまCOVID-19の蔓延により日本の政治家、官僚、医師の愚劣さ加減が炙り出されており、タイムリーなことであるが、日本における偏差値エリート(実務家)の腐敗、リベラルの弱さは畢竟、「リベラル」・アーツ軽視に相当の原因が帰されるのではないかと私はけっこう本気で思っている。

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    2021年09月18日

    Posted by ブクログ

    宇沢弘文の経済学に対する考えに触れることができ、新たな学びがあった。経済学とは豊かになることが前提だが、豊かになるという事がどのような事なのかを考えさせられる。相手も自分も幸せになるために、心をどれだけ豊かにすることができるのかが経済学の根底かもしれない。

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    2015年10月12日

    Posted by ブクログ

    延長すれば良かったのに時間切れ 経済理論より歴史的記述として勉強になる さすがはこの先生 社会的費用 資本の問題は重要であり難しいかな

    フリードマンに対して、個人的には誤解もあるような気はします

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    2015年04月23日

    Posted by ブクログ

    格調の高い冷静な文章で、著者の交友関係を通じて時代が描かれており、その内容が大きな時代のうねりを感じさせるもので、著者のスケールの大きさを感じた。

    0
    2014年07月20日

    Posted by ブクログ

    人間が幸せになるための経済学であるべきなのに、ただたんに儲ければいいというテクニックに資するための経済学に堕落した一部経済学者がはびこってしまった。

    社会的共通資本という考えを打ち出し、本来の人間の営みと調和していくため色んな角度で経済学を立て直していこうという宇沢氏の生き様が描かれている。

    宇沢経済学の通ってきた道をおさらいするためのガイド書である。

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    2014年02月06日

    Posted by ブクログ

    経済学の観点も踏まえ、21世紀を生きる我々が持つべき、都市や学問、環境、政治のあり方についての考え方を教えてくれる。宇沢弘文さんの思想が、おそらく表面的、簡略的にではあるが、その一端を伺い知ることはできるのではないか。
    戦中、戦後に生きて、欧州やアメリカなど世界を奔走した稀代の経済学者が宇沢弘文先生である。多くの歴史的な経済学者だけでなく、様々な分野の偉大な学者との交流もあり、スケールの大きな内容も多く、学生にとっても、興味深いのではないか。
    デューイ、ヴェブレン、ケインズ、フリードマン、昭和天皇、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世、マッカーサー、歴代の日米首脳等々が端々に登場する。宇沢弘文先生は、こうした人物の多くと関わりを持っていて、彼の偉大さをより一層際立たせる。
    ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世、昭和天皇との逸話は、彼らと宇沢先生の「人間的な素晴らしさ」を表していたように思う。
    ウィットに富んでいるものの、辛辣さを隠しきれないマネタリストとしてのフリードマン批判には、宇沢弘文という経済学者の信念を感じた。

    環境経済学についても、地球温暖化を生半可な知識をもって批判・誹謗する、ウィリアム・ノードハウス(2018年、「地球温暖化の統合評価モデル」の構築に大きな貢献をし、経済学賞を受賞した。)といった経済学者を糾弾している。スティーブン・シュナイダー博士(著作に『地球温暖化で何が起こるか』がある。)のような、理性的な考え方が、地球温暖化問題の解決には欠かせない。

    ここが個人的に重要で、面白いと思ったのが以下の内容だ。

    後半の19章「人間的な都市を求めて」と20章「緑地という都市環境をどう創るか」では、都市のあり方が、ジェーン・ジェイコブスの『アメリカの大都市の生と死』や、エベニーザー・ハワードの「田園都市」、ル・コルビュジェの「輝ける都市」等の考え方を挙げながら、論じられ、どのような都市が人間的、文化的でかつ、環境に優しい都市なのかがよくわかる。ここで重要なのは、人間的、文化的な都市と、環境に優しい都市が「矛盾しない」点ではないだろうか。
    ル・コルビュジェの建築への貢献は大きいものだと思う一方で、その「非人間的な」建築と彼の描いて、現実化してきた(たしか、政治都市のブラジリアなんかが、ル・コルビュジェの理想通りに計画してつくられた都市であった気がする)都市計画が、今、我々を「呪縛」し続けていると思わずにいられない。
    非常に有用かつわかりやすい「ジェイコブスの四大原則」を以下に紹介したい(基本的に、本書の249~250頁から引用しているが、一部、改変して引用している)。 ①都市の街路は必ずせまくて、折れ曲がっていて、一つ一つの区画が小さくなければならない。

    ②都市の各地区には、古い建物ができるだけ多く残っているのが望ましい

    ③都市の多様性が大切である。都市の各地区は必ず2つ以上の機能、働きを持っていなければならない。

    ④都市の各地区の人口密度が充分高くなるように計画した方が望ましい。

    その詳しい内容については、本書を読んでほしい。もしくは、私に尋ねて欲しいところ。笑

    総じてみると、「社会的共通資本」の考え方が、平易にまとめられており、「宇沢弘文入門」と位置付けて良い本だといえる。教育や医療、都市における緑地の重要性、格差と貧困、戦争という行為の愚かさ、総括すれば、本書のタイトルに似ているが、経済学という営みは人間を幸せにするものなのか?という宇沢先生が生涯考え、挑戦した問いの一端が垣間見れる。 「グローバル・チェンジ」を考察し得る、「人間主義的な」経済学のパラダイムの、一刻も早い確立が待たれる。

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    2020年01月12日

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