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2003年刊の底本『経済学と人間の心』(四六版上製)の新装版。
著者は市場メカニズムや効率性の重視に偏った考え方を批判し、人間の尊厳や自由を大切にした経済社会の構築を訴えてきました。
実際、2000年代後半のリーマン・ショックや世界経済危機を経て、「人間が中心の経済」という思想はますます輝きを増しています。同時に、幸福な経済社会を作るうえで、経済学がどのような役割を果たせるかという議論が巻き起こっています。
新装版では底本の構成をガラリと変え、未公開の講演録2本を追加しました。さらにジャーナリストの池上彰氏が「『人間のための経済学』を追究する学者・宇沢弘文」と題して、解説を加えています。
ノーベル経済学賞候補と言われた世界的な知の巨人・宇沢弘文氏が、温かい言葉でその思想を語った、珠玉のエッセイ集です。
Posted by ブクログ 2021年02月09日
経済学が科学にシフトした分、「人々の幸せ」から遠くなっているのではという、基本的問題意識は共感できるとともに、非科学ではないかという恐れもある。
我々は「アカデミズム」という現代宗教の門徒であって、破門される恐怖があるのは中世と変わらない。
その呪縛を否定したのが宇沢先生、特に、公害・自動車問題など...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月07日
夢中になりました。
現代社会の課題に対する考察は、どれも共感できるものでした。むしろ今まで意識していなかったことを、不意に気付かされた印象です。
中でも特に大事にしたいと思ったのは、教育と都市造りに関する論考です。
教育に関する部分では、子を持つ親としてこれまでの認識を改める必要性を感じました。親は...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月09日
経済には滅法疎い私だが
一昨年、宇沢弘文さん
という偉大な経済学者がいらしたことを
NHK「クローズアップ現代」で知った。
同僚であったミルトン・フリードマンと激しく対立し
市場原理主義の考えには全く相容れなかった。
常に人間のための経済学を追求し続けた。
だから何度もノーベル賞の有力候補に挙げら...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年04月28日
宇沢教授の著書は何冊か読んでいるが、あらためてその崇高な志に文章を通して触れることが出来、身が引き締まる思いです。
勿体なくて先を読みたいけど読みたくないという思いで読む本は久しぶりでした。
社会的共通資本の考え方を知る入門書として多くの人に薦めました。
自分自身もこの本の中に出ている参考図書を読み...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月30日
宇沢弘文の正義感に惹かれる。市場原理主義を厳しく批判。ミルトン・フリードマンを憎んでいるような発言も同根。制御しない資本主義は強欲を暴走させ、しかも力を与えてしまうから、社会的に制限をかけないといけない。社会的共通資本は、市場原理主義では守れないのだ。
本書は宇沢弘文の思想や日常に触れるエッセイや...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月18日
宇沢は、モンペルラン・ソサエティに淵源する正統ネオリベラリズムの潮流(ハイエクやナイト)とフリードマンの市場原理主義を峻別して、前者には一定の重要性を認めた上で、後者を厳しく批判している。宇沢によれば、フリードマンは経済学について、マクロな側面についてはいっさい論文を書いていないし、ミクロな側面につ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月29日
亡くなった時クロ現で特集してて、なんつー風体だと思いましたね。初めて読んだのがこちらなんですが、宇沢さんがどういう研究だとか、学問や社会についてどんな考え方を持っていたか、てのをさらえる内容になってまして、最初に読んだのは正解だったかもしれないですね。それと、経済は一種の思想なんだってことも理解でき...続きを読む
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