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「いちど観てみたいわ、春を。ここには夏しかないものね」 ぼくは柔らかい春の雨を想像した。美しく残酷な夏の終わりに―― 日本SF大賞受賞作家の初長篇、待望の電子書籍化。仮想リゾート〈数値海岸〉の一区画〈夏の区界〉。南欧の港町を模したそこでは、ゲストである人間の訪問が途絶えてから1000年、取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。だが、それは突如として終焉のときを迎える。謎の存在〈蜘蛛〉の大群が、街のすべてを無化しはじめたのだ。わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦が幕を開ける――仮想と現実の闘争を描く〈廃園の天使〉シリーズ第1作。
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Posted by ブクログ 2024年02月25日
理系ではない頭では設定に理解がついていかない部分はあるけれど、それにしても面白かった。
登場人物はAIであり、グロテスクで救いのない場面が続くけれど、無機質ではない。むしろ、情や執着や羞恥心のような人間味と、生きていることの切なさのようなものがある。もっと雑にいえば、なんだかよくわからないけれど、切...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月03日
これほどまでに文章だけで人を惹きつけることができるのか、と思った。どこまでも残酷で、救いがない。「作られた」存在であるAI。だがそこに確かに感情は存在している、心はある。例えそれすらも最初から規定されていたものだとしても。読めば読むほど苦しくなるのに読むのをやめられない。かけ離れているように思える残...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月05日
90年代グロテスクの孫という印象の仕事。AI周りの描写は2002年という時期を考え合わせると非常によくできており、2019年の今読んでもまるで古ぼけていない。語彙は実に美麗だ。間違いなく何度も読み返し、あちこちのつくりを参考にするだろう。
とはいえこの物語には瑕疵とまでは言えないが、個人的に看過し...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月03日
久々に「ヤバい」小説。田舎の鄙びたリゾートをおそう謎の物体。天才少年の活躍により、どうやら別の世界からやってきた人工知能に襲われていることがわかり、生き残った住民は不思議な力を発揮する「石」を駆使して謎の物体と戦うが、、、というよくある設定で映画マトリックスを想像させるが、大きく異なるのは、襲われて...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月04日
最初20ページ読んだあと、別の本読むために放置していたのだが、20ページ目までの感想は「メシがうまそう」
この後少しでも読み進めれば、メシがうまそうなどと呑気なことは言ってられない展開なのだが、この描写力で残酷ながら美しい人間臭くもAIの域を出られないAIの最期が描写されていく。
謎が多く散りばめら...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月14日
ーーー仮想リゾート〈数値海岸〉の一区画〈夏の区界〉。南欧の港町を模したそこでは、ゲストである人間の訪問が途絶えてから1,000年、取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。だがそれは突如として終焉のときを迎える。
仮想と現実の闘争を描く〈廃園の天使〉シリーズ第1作
初めて読む作家、飛浩隆...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年10月13日
「最期の言葉は―――そうだ、あの蜻蛉にかけてやったのと同じ科白」
美しく清新で、残酷な物語。
存在意義を失われて1000年。設計されたものと、使用されたことによって蓄積された負の記憶。この数値海岸のAIたちが、ゲスト(人間)によって付けられた爪痕が、来訪者によって抉りだされる。
その時に生じ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月08日
全体の辻褄の合い方が心地よかった。
グロさ、官能、残酷さ、優しさ、諸々の要素が絡み合った、AIながら人間味あふれる描写が魅力的だった。
描写が丁寧なためか、感情移入して辛い場面が多かった。酷く痛々しく、醜い。
ありふれた設定かもしれない。それでも引き込まれる強さがあった。
ど好みではない。
続きは...続きを読む
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