ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
最初の記憶は五歳のとき。公営住宅の庭を眺めていたあたしにママが言った。「逃げるわよ」。母の名前はマコ、娘の名前はコマコ。老人ばかりが暮らす城塞都市や奇妙な風習の残る温泉街。逃亡生活の中でコマコは言葉を覚え、物語を知った。そして二人はいつまでも一緒だと信じていた。母娘の逃避行、その結末は。(講談社文庫)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
この本は桜庭一樹が全て詰まっている。 「私の男」のザラザラした不快感。「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない」のティーンエイジャーの複雑で理解不能な闇。「荒野」も「製鉄少女」も、そして全編通して「地獄行き」。前半はマコとコマコの非現実世界での、リアルで暗い逃避行。後半は駒子の幸福へ背を向けて大人になる姿。相...続きを読む変わらず靄のかかった暗い世界なのだが、なぜか読み出したらやめられない陶酔感。長い話でしたが、とても印象的な心に刻まれる小説でした。
続けて読むのではなく、1ヶ月か少なくとも1週間に一章ずつ読み進めて行くべき小説。 前半と後半では全然違う小説だが、前半の奇想集のような地獄巡りと、後半の現実界での地獄巡りが対になり、孤独な主人公にとっての家族というものを様々な角度から浮かびあがらせる。
桜庭一樹の物語の中で一番好きな物語だ。 眞子と駒子の親子はずっと旅を続けている。 駒子には戸籍がない。だから学校へも行けない。言葉を話すこともできない。 それでも駒子は幸せだった。 何故って、何よりも自分を必要としてくれる眞子がそばにいたから。 でも子どものままではいられない。 時が経てば駒子も成長...続きを読むする。大人になっていく。 文字を覚え、本の中にある世界を知り、物語に魅了される。 眞子だけを見ていた駒子は、もう存在しない。 求めているのは眞子だけではないのに。 駒子だって苦しいほどに眞子を求めていたのに。 眞子の心は揺らぎ、脅え、少しずつ疲弊していく。 突然の別れ、置いていかれた駒子。 切なくて、哀しくて、けれどどうしようもなく惹きつけられる。 そんな物語だった。 言葉を紡ぎだすというのは作業ではないんだな、とあらためて思った。 心の奥底にあるものがあふれるように言葉になっていく。 作家というのはそうして物語を作りだしていくのだろう。 どこか荒唐無稽で、なのにとてもリアルで。 きっと好きな人はとても好きで、受け入れられない人にとってはどうしようもない物語なのだろう。 人生はやり直せない。過去に戻ることもできない。 でも、過去を通り抜けてきた軌跡が未来を作る。 そして未来は不確定でだからこそ素晴らしいのだ。
この本は好き嫌いがはっきり分かれるだろうな。感覚的にどこか共感できる人、恐らく女性にはたまらなく心の片隅に沁みる一冊になるだろう。ダメな人は全くついて行けないだろうし、読解ミスを引き起こすと思う。それほどアクの強い作品、私には心に突き刺さるトゲのような一冊になった。
「幸福から、立ち直らなければいけない」という言葉を読んだとき、体を駆け巡る何かの正体が分かった。駒子の体を支配していたのは、愛による幸福の記憶だったのだと。
個人的には著者さんといえば「少女感」という言葉が浮かんできます。これはそれを極限まで書ききってやろう!こんにゃろう!という気合いの詰まった1冊だと思いますん。 変質的な愛と幸福に包まれた母との逃避行・その後の余生、その中で傷ついて絶望して、堕ちながさまよい続けた、主人公コマコの生き様から目が離せなか...続きを読むったす。 結構な分厚さだったけど、それを感じなかった。
暗い、とても暗いけど、前半と後半の対比、救い、成長、長い旅をしたような気持ちになった。 コマコが幸せでありますように。
完全な人間に物語など必要がない。でも完全な人間などいないから、誰にでも物語というものは必要…本当にそう思います。完全とまではいかなくても、真っ当な人も物語を必要としないよな、とも。このお話だと、真田みたいな。 圧倒されました。母と娘、お互いしかいないというのは悲劇だけれどとても幸福なのかもしれないで...続きを読むす。 幸福から立ち直る…初めて接する言葉だけれどこの感覚はわかるので不思議。とても悲しいけれど、生き続けるには欠かせないです。 母と娘ってこうだな、と思いました。これが濃いか薄いかの違いで。ここまで描写出来るって凄いな。 眞子と駒子の頃と、駒子の余生と。息苦しいけれど、物語の力も感じられました。体力奪われる読書でした。
第一部の 旅 はそれぞれの町が現実に在りそうで、 少しファンタジーな感じで、温泉街の風習とか 豚の脚とか。 コマコの夢なのかな?とも読めた 第二部のバーでの一人語りにその旅の経験が形を変えて出てくると、コマコが実体験したことなんだと、マコとの濃さを改めて感じた。 読み進めるのが苦しくて でも読みた...続きを読むくて 終わらないでほしいけど 絶妙なところで終わった
主人公はなにやら事件を起こしたらしい母親と逃避行をする。母親は主人公を虐待するが、主人公は母親を盲目的なまでに慕う。やがて逃避行は突然の終わりを告げ、主人公は一人で生きていくことななる・・。 なんだか歪んだ母親と娘の関係。著者はそういう関係性を描くのがとっても上手いですね。主人公の数奇な人生はこの先...続きを読むどうなるのかな?という興味も充分に惹いてくれます。好き嫌いが分かれるかもしれませんが、心に残る作品でした。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ファミリーポートレイト
新刊情報をお知らせします。
桜庭一樹
フォロー機能について
「講談社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
GOSICK GREEN
GOSICK PINK
GOSICK BLUE
GOSICK RED
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet
名探偵の有害性
赤朽葉家の伝説
試し読み
赤×ピンク
「桜庭一樹」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ファミリーポートレイト ページトップヘ