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日本人は、生の力を肯定する思想とともに、生の暗さを凝視する思想を愛した。この地獄の思想こそ、人間の苦悩への深い洞察と、生命への真摯な態度を教え、日本人の魂の深みを形成してきた。源信、親鸞、紫式部、世阿弥、近松門左衛門、宮沢賢治、太宰治などは、みな現世に地獄を見た人びとであった。これら先人の深い魂の苦闘の跡を知らなければならない。生命の強さは、どれだけ暗い生の事実を見つめるかによって示されるからである。
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Posted by ブクログ
芥川作品の影響で地獄というものに少なからず興味を抱き、地獄絵図を集めた画集などいろいろと読み漁っていたのですが中でもこの本は特に優れていました。 一度読むだけでずっしりと体の奥に響きます。 日本人として(?)一度は読んでおいてほしい一冊。 ただ、これを読んでいると頭おかしい人認定をされるとか…
源氏物語、平家物語、世阿弥、近松門左衛門、宮沢賢治の作品から地獄の思想を読み説くのが本書の内容なのですが、僕はそういうのを求めていたわけじゃないので、ちょっとがっかりでした。 『地獄の思想』というタイトルから、地獄の体系と歴史が書いてあると思っていたのですが、どうもそれらは末節のようです。 生の中...続きを読むに地獄あり。愛欲、人情、義理に見る個々人の葛藤こそが地獄であり、死によって罪を贖い、来世に希望を託すのは、まさに仏教思想の真髄ですが、『割りとキリスト教と似てるんじゃね?』と、表面的には現世が辛く、死後報われる世界観という共通点があります(大雑把に言えば)。 宮沢賢治の修羅の世界(食う・食われるの連鎖関係から離れたいという気持ち)など、んーなるほどなぁと唸る部分もありますが、全体的には何か物足りない感じを受けました。生きながらの地獄を見てきましたが、どこか他人事で、人によって人生が天国だったり地獄だったり、色々あるなぁ~と改めて思いました。 僕の評価はAにします。
梅原猛さんで初めて読んだ本。 ここから梅原さんと日本古代への好奇心は始まった。 ただ日本史、仏教史に詳しくない自分には理解できたとは言えない。
[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時...続きを読む間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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地獄の思想 日本精神の一系譜
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