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Posted by ブクログ
ふと夏至南風に吹かれたくなって。
腐りきった夏がやって来ました。叛骨心よ!
どことなく三島由紀夫『午後の曳航』を思い出す本作は、長野さんも愛する代表作で、頁という頁にわたって、腐爛した、湿り気のあるグロテスクなモチーフが鏤められています。しかし、その悍ましさは果実のように妖潤であり、ひと夏の惨劇でありながらも永遠にちかしい時間の粼に何度恍惚としたことか! 碧夏との出逢いから、サディスティックな眉姿の潜む鬱々とした地下部屋に検疫公司の廃墟、近親相姦に峻拒の囁き、絶望の怨嗟を彷彿とさせるラストシーン…。「醜悪ながらも美しい」とはこの手の作品を形容する時に使われがちですが、まさしく本作がそれで、文章が内容を凌駕していますね。三島由紀夫しかり、そんな作品は大好物です。ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ
一言で言ってしまうと、気持ち悪くて、いかがわしい。
あまり人に薦め(られ)たくないような、逆に薦めたいような、…万人に好かれるモノでないことは確か。
地面から湧き上がるようなじっとりとした文体で、綺麗なものがたくさん…ではない。
すべてを腐らせてしまう、夏至南風。
どこかの遠い、知らない国の風景にまぎれて、ギラギラと、生に執着するような描写がたまらない。…いや、逆に執着していないのかもしれない。よみたくないのに、よんでしまうのだ。
今まで読んできた長野まゆみの小説とは少し違う気がした。根本では変わらないものがあるのだと思うが。
解説をよんで、ああ、わかったような、わからないような。そういう曖昧さすら心地いいと思えてしまうほど。私は中毒になっているのかもしれない。
そして吐き気を催すほどの言葉の並びに、登場人物の名前がすごく美しく転がっている。
どんな内容であっても、私はこの人のそういう部分でのこだわりがすごく好きだったりする。
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小説・文芸
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