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わが街のドングリ公園は、住民から愛されるちょっとしたオアシスだ。治安を維持するため、吉森らボランティアの「見回り隊」が毎日パトロールしている。今夜の巡回も無事に終わると思いきや、いきなり喧嘩腰のカップルに絡まれるわ、怪しげな男が道具を組み立てているわ、さらには……。ここではいったい、何が起こっているのか? 夜の公園を訪れる奇妙な客たち。彼らの来訪と共に起きた事件の、意外な真相とは? ユーモアあふれる筆致で贈る、第10回ミステリーズ!新人賞受賞作。
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ミステリーを読みたかった・・・
ミステリーとしては、完全に期待はずれです。 謎もたいしたことないし、推理も鮮やかというにはほど遠い。 人物はどれもつかみどころがない。 ユーモアをめざしているらしい文章、会話は痛々しい。 残念。 新人賞というのはこの程度、と思うしかないのでしょうが。 せめて、ミステリーらしい作品を読みた...続きを読むかった。
ミステリーか?
「第10回ミステリーズ!新人賞」満場一致の選出だそうです。 でもこれ、ミステリーか? 「ミステリーズ!新人賞」は、いつからギャグ選抜になったのだろう。 選評を読むと、選考委員もミステリ要素より「軽妙な筆致」「文章力」等々を買ったと書いているけれど。 結局これ、ふざけ半分に言うべきことを言...続きを読むわない人間と、人の言うことをろくに聞かない人間と、ばかりが登場するためにユーモアめいたやりとりばかりになり、謎めいたことが生じるというだけの話ですよね。 作中に起こる事件は、何故警察がすぐに犯人を突き止められないでいるのか判らない、被害者の仕事面を調べれば一日かからずに容疑者が判りそうな話。 その事件とは別の面で選考委員もやや評価している仕掛けは、作中でその場に居合わせた三人のうち二人がすぐ気づいている、残った一人が話者に近い位置づけになっているために読者に判りにくくなっているというだけ。要は、たいていの人がその場にいたら気がつくはずのことをわざと作者が描写しなかったために読者に伝わっていない、というだけのことです。 登場人物の行動の意味も判らない。ユーモア、ギャグに関する部分はもちろんですが。何故この人物は敢えて警察に隠し事をしたのか。何故探偵役の人物は警察に報せずこそこそ捜査をしていたのか。「話を面白くしたかったから」「作者の都合で」以外の理由が思いつきません。 何だかただ作者に馬鹿にされただけの読後感しか得られなかったのは、読者として素直でないせいでしょうか。 これだけを目的に1200円の雑誌を買ったとしたら、「金返せ」の気分です。個人的には、BookLive版の210円でも高いかな。 同じ賞の他の候補作に対する選考委員の選評で、論理性はあっても「いたずらに複雑難解」はいけない、「あとひと息で解けそうなのに解けないという匙加減が読者には最も意欲をそそる」という、見ようによっては読者を馬鹿にしたような表現がありましたが。私は、読み口が軽いだけの文章を「ミステリ」と謳って読まされるくらいなら、難解でも論理性のあるものを読みたい方です。「ミステリーズ!新人賞」という名称で送り出すなら、魅力的な謎と論理性を目指したものを期待したいと思います。 こんなミステリファンは現代では異端なのかもしれませんが、少数でも同志がいることを信じたいところです。
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櫻田智也
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