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Posted by ブクログ
戦後を代表する知識人の一人である加藤周一の生涯と思想について、著者自身の観点から比較的自由に語っている本です。
加藤周一については、鷲巣力や成田龍一といった論者たちがその思想的経歴について立ち入った考察をおこなっていますが、本書はフランス文学を専攻し、加藤に近い立場から文学や思想、政治についての評論をおこなっている著者が、加藤の著作を読み解きながら、ときに疑問を提出しつつ、彼の思想にせまっていく試みだといえるように思います。
著者は、戦後の加藤が「エゴイズムを拡充した高次のヒューマニズム」を掲げ、「作家は自己の戦争体験から出発せよ」と主張した荒正人を批判していたことに着目して、「観念によって、思想によって〈戦中〉を耐えてきた加藤にとって、肉体-心理-エゴイズムの側面を強調する論法は受け入れられるものではなかった」と述べています。さらに著者は、こうした観点から加藤と、本居宣長へと回帰していった小林秀雄を対比する視点を提出しています。
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