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小説執筆のためパリのホテルに滞在していた作家・植村は、なかなか筆の進まない作品を前にはがゆい日々を送っていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼の感情を昂ぶらせる。透き通るような青空の下で、恋が動き出そうとしていた。ポケットに忍ばせたロックンロールという小さな石ころのように、ただ転がり続ければいい。作家は突き動かされるように作品に没頭していく――。欧州の地で展開される切なくも清々しい恋の物語。
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Posted by ブクログ
大崎善生作品の中で、一番のびのびとしたほんわかヒューマンラブコメディ。 大崎作品の中で、これほどコメディ色が強い作品は珍しい。 一番、大崎さん自身を生身で感じられる、まるで大崎善生さんと旅をしているかのような作品。 大崎作品の中ではトップレベルに読みやすく、またふんわりとして温かい。 それで...続きを読むいて、キュンキュンする。 「スワン・ソング」とは正反対で、この登場人物である冴えないのか冴えてるのか分からない、"のしイカ"のようにヒラヒラとした"おじ"に、淡く鮮烈に恋する読者は少なくないのではなかろうか。 -- . 恋というものは、 人間の一番性的な部分と、一番プラトニックな部分が一つにつながっている部分を刺激する。 メビウスの輪なのか螺旋状なのか、本来相反する二つの本質ががっちりとつながっている部分。 大崎さんはこの作品で、それを描いているように思う。 -- 大崎善生作品の「ディスカスの飼い方」に出てくるハイコプレハのように、「ロックンロール」で登場人物が云うように、 "意味もない海底の石をめくってはめくり、 焦げ付いた鍋の底を磨いては磨き、 人生でいつの日かレンブラントの大作のような作品に挑めるように、 片方のポケットに小石を入れて、 諦めず、悔やまず、振り返らない、 何があっても最後まで生き抜く" そんな人生にしてゆきたい。
パリの街や音楽の美しさや、主人公のシンプルな考え方が、カッコよくおもえた。しっかりしたイメージのある哲学を持っているのに、謙虚だとおもった。シリアスじゃない登場人物たちが良い。
私も趣味で小説を書きます。 でも磨く鍋が……全然…足りない^^; まだまだ未熟であります故…精進精進。
陽気で激しい、明るい大崎作品。珍しく陰気な話題は無い。George Harrisionの「All Things Must Pass」、Jeff Beckの「哀しみの恋人達」が物語の鍵となる。
大崎善生を読むと小説の醍醐味は中身の内容だけではないことに気づかされる。 このロックンロールというなんの中身の無い小説が面白く感じるのは、1行1行の文章がとても緻密で、計算されていて、繊細で、優しくて、突き刺さるような言葉の集合体だから。 この小説の中でも語られていたが、 「なんでもいいからひと...続きを読むつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだ。」「犬の交尾を正確に描いていても泣くね。」 とある。1つのことを洗練させる必要性。小説家でないがしろにしてはいけない要素。人にとっても何かを1つ正確に出来る人の方が、心を揺さぶるのだろう。 小説の書き方や出版者とのやり取りや執筆活動など、著者と重なり合うような自伝的な要素もいれたかったのだろう。でも嫌味がない。 中身はないけど、面白い。文節すべてを人生と照らし合わせる小説。でも中身があれば☆5つだろう。 作中名言 「僕に出来たことは無関心を装うことだった。社会通念から遠ざかる。尻尾をまく。耳をたたむ。夢や希望や反骨心といったものは全て危険だった。もちろん捨てた。 そうすると少しだけ心が軽くなった。」 「とにかく女性はヒステリーを起こす。 それはまるでバスの停留所のようだ。 世の中の女性は全て、そうゆう名前の停留所を勝手に作り上げていて、必ずそこに停車しなければいけないと考えている。 それは分かっているつもりだが、もしかしたらこの人に限って、そうゆう停留所を持っていないのではないかと幻想を抱くことがある。その大きな勘違いが、結局は新しい恋が始まるきっかけとなる。」 「きっとお互いを深く傷つけ合ったりすることのないように、ガラス玉を真ん中において付き合っていたのかも知れない。でもそれは何か違うのだという感覚ー。人間と人間が繋がるということは、ときとして物凄く動物的なことだという、理屈ではないとても皮膚的な感触。」
なぜだろうか?この著者は私と同じ様な恋愛経験をしてきたのではないかな?と感じる。文章を読んでいると、言葉に共感でき、過去の甘酸っぱい思い出が甦ってくる。著者が言葉を磨いているからだろうか、文章を読んでいると癒される。文章を読むことが楽しいと思う数少ない著者一人。でもこの本を読み終えた後、ストーリーは...続きを読む何だかなぁ、と思った。
いつもの大崎さんの空気。大好きな雰囲気。 中盤の物語の展開がとても好き。 また読み返します。
うーん、やっぱり私はこの人の小説が好きだ。 世界観とか、そんな大袈裟なものじゃないかもしれないけど ちょっとしたところでとっても近いものを感じ、嬉しくなる。 ロックンロールの教え。 諦めないこと、悔やまないこと、振り向かないこと。 転がり落ちる石ころのように、運ぶままに身を任せる。 ...続きを読むずっとそうなわけじゃない。 けど、石が転がり始める瞬間って誰にもある。 そんな瞬間を意識してしっかり心に刻み、 思いっきり楽しんで前を向いて転ぶような生き方がしたいと思う。
他の作品でもちょくちょく目にしますが、フランス(特にパリ)・ドイツなどのヨーロッパ、ツェッペリン、ジョン・レノン、ポリス、クラプトンなどのロックが著者はお好きなようです。 関係していく女性がおまじないみたいに繋がるっていうのが今までにない感じでスキです。他の大崎さんの作品と比べて、暗くないのが新鮮。
最近の作家さんで唯一読み続けているのが大崎善生です。 作品のトーンは毎回似ているんですが、でも、読み出すとしみこむように文章が頭の中に入ってきて、さくさくと読み続けることができます。 この作品の主人公が語った言葉にそのヒントが。 「僕にとっての小説の感動は、ストーリーや感情の起伏というよりも、も...続きを読むっと単純で文章そのものということが多いんだ」 「何でもいいからひとつのことを、正確で美しい、ということはつまり適切な言葉を使って表現する。その枝葉の積み重ねの先にある樹が小説なんだと僕は考えている」 これは主人公の小説家の小説感として描かれていますが、筆者自身の小説感ではないかと思うのです。 文章そのものの質。 それがこの人の特徴なんだと。
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