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「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて……」明治初頭、十七歳で結婚。小樽湾の岸壁に立つ小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、六人の子を育てた母セキ。貧しくとも明るかった小林家に暗い影がさしたのは、次男多喜二の反戦小説「蟹工船」が大きな評判になってからだ。大らかな心で、多喜二の「理想」を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生きたセキの、波乱に富んだ一生を描く感動の長編。
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Posted by ブクログ
中学の時に一度読んだきりの「蟹工船」だが、強い印象に残っている。その作者、小林多喜二の母の語りが本書だ。実話を元にしたノンフィクションとのこと。 今の時代では考えられないような貧しさだが、母の心の清らかさと温かさには首を垂れるしかしない。誰から教えられることもなく、ここまで人を清らかに優しく、純粋...続きを読むにさせるものは何なのかと思う。当たり前のように心から子供たちがすることを信じて背中を押す姿もとても印象的だ。母を迎えた多喜二の父も同様だ。多喜二の優しさと清らかさ、賢さ、一途さも、こんな人は今まで知らない。小林多喜二とはこのような人だったのか。 貧しさ故に学校に行くこともできず、子供の頃から働き詰めで、その上子供を殺される経験までして、80過ぎまで生きてきた多喜二の母。戦後の日本には、このような方がたくさんいたのだろう。そのような方々の存在を胸に留めておきたいと、改めて感じた。
小林多喜二の母セキが作者に語る形で綴られる小林多喜二の人生と母の思い。幼い頃の思い出、遺体が戻ってきたときの怒り悲しみ、死後の絶望。セキさんの真っ直ぐな性格とあいまって、多喜二への思いがぐさりと刺さる。北海道に1人やっていた長男もなくしていたというセキさん、若くして子供を立て続けになくす悲しみが辛す...続きを読むぎて電車の中では読み進められなかった。 それにしても昔の女性はこんなにも真っ直ぐに子供を愛せていたのかと思うと羨ましくもある。セキさんの言葉に自分の時間がとか自分の人生が、とか自己犠牲を嘆く姿は全くない。子供が大きくなったらその家々を回って布団を繕ってやることを夢見る、そんな人生。もっとも、セキさんのように家族に恵まれず犠牲を強いられて辛い人生を送った女性が大半であろうからこの時代がよかったとも思わないが、子供を目の前にしたときの純粋な愛のようなものを、現代の私は随分拗らせてしまったのではないかと考えてしまった。
蟹工船は昔読んだことがありましたが、小林多喜二の人生はよく知りませんでした。母親の目線から語られる多喜二は自分の正義に真っ直ぐ向かう強さを持っていて、そして惨い最期を遂げます。なぜ人を助けようと行動することが罪になるのか、母親の苦悩にキリスト教が最終的に支えとなったのは自然の流れかと思います。理不尽...続きを読むがまかり通った時代の子を思う親の気持ちに身につまされる思いでした。
小林多喜二は名前を聞いたことがあった程度で、三浦綾子も初めて読んだ。 語り口調でかつ訛りも入ってるのに、すごく読みやすくてページをめくる手が止まらなかった。 母の子を思う気持ちが溢れていて、私も涙が止まらなかった。 小林多喜二についてもっと知っていきたいし、三浦綾子の作品もどんどん読んでいこうと思う...続きを読む。
多喜二のすること信用しないで、誰のすること信用するべ 母さんはいい母さんだ。体はちんこいけど、心のでっかい母さんだ。 そんな会話ができる子育て、素晴らしい。学歴じゃない!
何気なく手に取って買った本でこんなに感動するなんて・・・。小林多喜二=プロレタリア文学=『蟹工船』と昔暗記したあの小林多喜二の母の物語だ。特高につかまり,拷問を受け,亡くなった多喜二。そんな知識で彼の印象を決めつけていた自分が恥ずかしくなった。三浦綾子さんは多喜二の母になりきって,独特の口調で語りか...続きを読むける。学はないが,寛容で息子の選ぶことはすべて善と信じ切る母。貧乏の中で育った多喜二は,貧乏な人を救うには世の中を変えなくてはいけないと考え,小説を書き続ける。若くして女郎に売られたタミちゃんに恋心を抱いた多喜二は彼女を救おうと自分の財をなげうつ。しかし,彼は彼女に指一本ふれようとしない。自立した学ぶ者同士が結びつこうと理想を語り,読んでいていらいらするほど,実直に生きる。いたわりあう二人があまりにいじらしく,いつしか「母」と同じ視点で彼ら2人を見守っている自分に気づく。彼の死はあまりにむごかった。母は牧師と出会い,息子の多喜二の死とキリストの死をだぶらせる。それでも命日が近づくたびに,哀しみが打ち寄せてくる。その哀しみは限りなく深い。 私はこの本を読んで多喜二が好きになった。タミちゃんという女性を好きになった。時代がもう少しずれていたら,彼ら二人はきっと結ばれていたにちがいない。 読み終わった後,もう一度多喜二が小さい頃書いた夢を読み返した。 「うちの母さんの手は,いつもひびがきれて痛そうです。着物も年がら年中,おんなじ着物を着ています。・・・ぼくは,ぼくのお母さんにも,よい着物を着せて,小樽の町中,人力車に乗せてやりたいです。これがぼくの夢です。」 こんな多喜二が好きになった。
読み終わって一言。しんどい。とにかくしんどい。 読んでいてこれ程までに胸を締め付けられるような小説がこれまであっただろうか? そう自問する。 読めば読む程、(殺されていい人なんていやしないのだけども)この人程、こんな死に方をしてはいけない人はいないだろうに、そう思って苦しくなる。 こんなに優しい人...続きを読むが、こんなに家族想いの人が、どうしてあんなに酷い死に方をしなければいけなかったのか。そればかりが頭の中でぐるぐると回った。 作中でお母さんも口にした疑問。小林多喜二はあんな目に遭わなければいけないような極悪人だったのか。そんなわけがない。元からそう思ってはいたが、この小説を読んでますますその思いが強くなった。 人一倍優しくて、誠実で、真面目な普通の人だ。 今ならば誰に咎められることもないような、当たり前のことを当たり前に言って、殺されるなんて。そんなことがあっていい筈がないのに。 ただただ悲しくて、それだけがぐるぐると胸の内に渦巻いているような、そんな感覚。 会ったこともない、それどころか私が生まれるずっと前に亡くなった小説家に、随分と惚れ込んだものだな、と自分でも不思議な気持ちになる。 知れば知る程、彼の小説を読めば読む程、彼が遺した作品は勿論のこと、彼自身もどんどん好きになっていくのだから本当に不思議なものだ。 それ程長くはないとはいえ、最初から終わりまでほぼ一気に読み切った。頁をめくる手を止められなかった。文字を追うのをやめられなかった。悲しい最期は知っているのに。 いつも以上に何もまとまらないけれどこれ以上書こうとしても悲しいとか辛いとかそんなことしか書けない気がするのでこのあたりでやめにしましょう。また読んだ時に、もう少し整理して何か書けたらいいと思う。 何度読んでも同じことになりそうではあるけども。
小林多喜二の母が語る、多喜二や家族のこと。母の言葉そのまま書かれているからこそぐっと距離が縮まり、子への気持ちが手に取るように伝わってくる。子を虐殺された母、どんなに辛かろう。母は子が全て。だから多喜二が何をしたとか、世の中がどうとか関係ない。なぜ小説を書いて殺されなければならなかったのか。この一言...続きを読むにつきる。多喜二が殺されて、数十年たち母はクリスチャンとなり共産党へ入党する。が、母の軸はここでも多喜二。多喜二がいいと言っていたのだから間違いはないと道を行く。宗教思想政治すら凌駕する母の想い。強く大きな愛。
本屋さんでふと手に取った文庫本 三浦綾子だし、小林多喜二だし、読んでみようかなあと よかったあ! 一気読み 三人称で綴られていたらここまでの感動はなかったと思う 学校へは行かれなかったけれど聡明でまっすぐで愛情深い母セキさんの秋田弁の語り口がなんとも切ない 丹念な取材と文献を調べた結果だろうが、やは...続きを読むりキリストと多喜二を重ねた作者はすごいと思う 手に取ってよかった一冊 友人に薦めたい 治安維持法と共謀罪法案と根っこが同じようで空恐ろしいのです ≪ ただ信じ 息子の理想 後たどる ≫
三浦綾子にはまっていたのは2009年。「氷点」&「続氷点」、「道ありき」を読んだ以来8年ぶりに彼女の著書を手に取ってみた。 小林多喜二の母であるセキが一人称の形で綴られている「母」。面白く読みやすく一気に読んでしまった。 「蟹工船」は買ったもののまだ読んでなかったな。マンガバージョンでなら何...続きを読む度か読んだけど。 戦中、言論統制、思想統制が強くなる中、信ずることを表明し広め社会を変えていこうとした多喜二。針を刺されながらも血を吐きながらも世の中が間違っている、これからは人間こう生きていかねばならないと唱え続けることができるその姿を、イエス・キリストと重ねて見た三浦綾子。 三浦綾子だからかけた小説だなぁと思う。彼女の本引き続きもう少し読み進めたい。
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