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Posted by ブクログ
H大学の学生部に貼りだされる不思議なバイトの紹介。大学女性職員に勧められたバイトをする学生たちの姿を描いた連作短編。
ファンタジーであり、ホラーでありミステリー。各話ごとに作品のジャンルが変わる何とも不思議な作品。しかし、ホラーやファンタジー要素が思わぬ形でバイトをした学生たちに影響を与える、という点があり、そうした意外性と結末が分かってからの暖かさが非常に雰囲気のいい作品でした。
美しさという点では最終話の「メグル」が印象的。毎年庭の手入れのバイトを依頼する女性の真実が分かってからの切なさ。そして登場人物たちの優しさと最後の彼女の言葉と思いがとても綺麗です。
この短編集では味わいの違う「アタエル」もなかなか強烈な作品。学生たちにバイトを進める女性職員は「あなたは行くべきよ、断らないでね」と毎回学生に声をかけるのですが、この短編に限っては「あなたは行くべきじゃないわ、後悔しないでね」と声をかけます。
作品全体の雰囲気の不気味さ、そして結末に思わず背筋が凍りました。この学生はちゃんと注意を聞けよ、と思わずにいられなかったです(苦笑)。
そうした短編もあるものの全体的には読後気持ちが少し明るくなる短編集でした。
Posted by ブクログ
メグルという題名と乾ルカさんの作品であることから、輪廻転生をイメージして表紙を開いた。
5つの短編で構成されている。短編だがユウキによって連作になっている。そして5つの作品は順に読むことで読者に心理的影響を与えているように感じた。
ヒカレルはライトなホラーだが、どこか暖かさを感じる。日本の将来を見通すと、死にゆく者の淋しさは一層拍車をかけると思うのである。奨学係のユウキという女性は何者なんだろう。この後も登場する。
モドルは、ユウキから紹介されたアルバイトにより、失ったものが見つかる。
アタエルでは、ユウキはいつもなら「あなたは行くべきよ。断らないでね。」というのに、今回は「本当ならあなたは行くべきじゃないわ。後悔しないでね。」という。アルバイトの内容は犬に餌を与えるだけだが、中を絶対見ては行けないという。そしてその中にあるのは・・・。
タベルでは、ユウキが紹介したアルバイトの業務内容は食事。なぜ佐藤は食事をするだけの依頼をしたのか?優しさに包まれる。
メグル、表題作。なぜかユウキが悠木になった。ユウキが悠木だったことが少しわかる。輪廻転生ではなかった。三瀬がアルバイトの依頼主、何年も風貌が変わらないミステリアスな女性。心温まる作品。
私はグロいのは苦手だ。1つだけある。それ以外はほっとする場面のある作品だった。ホラーといえばそうなのかもしれないが、乾ルカさんの文筆力がドキドキさせながらも温もりを伝えてくれる。そして最後に意外な結末が待っていた。
Posted by ブクログ
5編からなる連作短編集。ホラー要素の強いファンタジー作品。
各編の主人公は何らかの問題を抱えているH大学の学生で、奨学係の女性職員・悠木に斡旋されたアルバイトによって人生に光明が差すというストーリー。
* * * * *
物語を動かすのはキーパーソンとなる悠木の眼力(能力?)。それは主に2種類あります。
1つは奨学係を訪れる学生のプロフィールや心に宿る陰を見抜く眼。
もう1つはその陰を取り除く仕事を選定できる眼です。これこそ悠木の魅力だけれど、それだけでなく、その風貌から言動まですばらしく魅力的なのです。ナイス設定だと言えます。
彼女の秘密が各話で小出しになっていくのもいい。(能力の源泉に触れられることは恐らくなかろうが。)
最終話の幽霊譚はやりすぎの感もあるのですが、続編を期待してしまうような良作だと思います。
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