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各賞総ナメの映画「かぞくのくに」の原作本。
人生に「もしも」はない。私たちの家族のひとりが「もしも・・・」と口にした時点で、きっと私たちの間で何かが壊れる。それが「何か」はわからないけれど、私たちの誰もが、この言葉を口にしたことがない。でも私は思ってしまう。もしも兄が帰国していなかったら?(本文より)~1960~80年代に日本から北朝鮮に10万人ちかくが移住した「帰国事業」。旗振り役だった総連幹部の一人娘として生まれたヤンヨンヒ監督。パラダイスを夢見て北朝鮮に渡っていった3人の実兄と日本に残った両親とヤン監督。国家や思想によって引き裂かれてしまった「かぞく」に突きつけられた厳しい現実をリアルに綴った感涙のドキュメンタリーノベル。昨年「映画芸術」2012年日本映画ベストテン第一位、第86回キネマ旬報日本映画ベストテン第一位、第55回ブルーリボン賞作品賞、第64回讀賣文学賞戯曲・シナリオ賞ほか各賞を総ナメした話題の映画「かぞくのくに」の監督が涙ながらに綴った原作本。
Posted by ブクログ 2013年07月15日
著者には北朝鮮に「帰国」した3人の兄がいて、それぞれがどうにも言いようのない人生を歩まされている。芸術家肌だった長兄は、精神を病んで亡くなってしまう。次兄は三度の結婚を経て、半分あきらめたかのように自分を抑えながら、ささやかな幸せのなかで生きている。末兄は病気で、束の間の帰国を許されるが、予定を大幅...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月28日
3人の兄が北朝鮮に「帰国」した、映画監督ヤン・ヨンヒ氏の手記。同タイトルの映画「かぞくのくに」を見た後、この本を手にとった。
私は朝鮮半島を専門にしているが、数年前まで「在日」という人々について深く考えることはなかった。いや、避けていたといっていい。
私がもっとも多くのコリアン(在日だけでなく在米...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月12日
一年ほど前に映画をCSで観て原作がある事を知り、読むに至る。
映画はどうしても時間の都合があったりで飛ばし飛ばしになるが、原作は詳細に書かれている。
ヨンヒさんの文章はとても読みやすくて、難しい内容だけれどスラスラと頭に入ってくる。そして、身内の事をここまであからさまに書いてくださったヨンヒさんに...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月24日
幼い頃、3人の兄が帰国事業によって北朝鮮に渡り、国家と思想によって、引き裂かれてしまった、家族の話。
朝令暮改など当たり前で、夢や希望という言葉も、"考える事" さえも捨てなければ生きる術がない、理不尽な国に暮らす人々の実態を初めて知って愕然とした。
知る自由、考える自由、行動す...続きを読む
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