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Posted by ブクログ 2021年07月14日
恐ろしいほど狂気に満ちた作品だった。
ナチスドイツがさいしょに虐殺したのはポーランド人でもユダヤ人でもなく、同胞ドイツの精神病患者たちだった、という事実。それを当たり前だと賛同していた精神科医師たちが多くいたと言う事実。
狂気の沙汰にあふれた時代を舞台に、患者を救うため一か八かの博打に打って出た医師...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月02日
『楡家の人びと』を読んで再読したくなった初期作品集。
表題作は述べるまでもないが、他の4作品も締め付けられるような死の臭いが漂う緊張感、そして読者を放り出すような感じでもってそれぞれの解釈に作品そのものを委ねるような結末、いずれも素晴らしい作品ばかり。
自分の時間を割いたことに対する十二分な報い、小...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月02日
北杜夫の短編集。『夜と霧の隅で』がよみたかったのだけれど、その他の名前の知らない短編も、非常に繊細で理知的で心に残るものばかりだった。人間の不気味さを綺麗な文章で浮き彫りにしているかんじ。前から読みたいと思っていた『夜と霧の隅で』は、想像以上にグロテスクで悲しい話。ナチスドイツの時代というだけで物語...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年08月20日
恥ずかしながら、北杜夫のまともな小説を読むのは始めてだった。これまでエッセイやコメディ系の作品ばっかり読んでいたので、彼の事を、てっきりうわっ付いたおっさんだとばかり思い込んでいたが、この小説を読んで考えを改めた。これ程端正な文章を書く人は珍しい。しかもそれだけではなく、内容も読者に媚びる事なく、非...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月09日
頭から順に読んでいくと文芸というか文学というか
解説に云う「透明な論理と香気を帯びた抒情」というふぜい
つまり「お話」のない小説でない文章で
心境を情景描写に仮託しているようなそれである
仮託とかいうことばを使う時点でそんなかんじお察し
最後に収められている表題作は他と違って「お話」が明瞭な小説と...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月10日
ひさしぶりに文学な作品を読んだ。
小説と文学の違い(とわたし流の分け方)は、
地の文が説明、解説になっているものと、
文が練れていて、雰囲気が漂うもの
とである。
もちろん、前者でも後者でもいいものはいい。
コクがあるものが傑作なのであるし、読む楽しみになる。
この短中編集に収めてあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年07月22日
「岩尾根にて」
山中で自我を失ったような気分になる話
クライマーズ・ハイかな?
「羽蟻のいる丘」
自暴自棄のため放射能Xの女王蟻に自分を重ねる女がいて
気の毒なのはそれにつきあわされる幼い娘だが
「霊媒のいる街」
逃げ場のない大人たちはロマンを求めてたわごとを言う
本当に過去を忘れられない坊やは...続きを読む
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