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マルクス主義が大きく後退した現在の状況下で、今あらためてマルクスを読みなおす意義はあるのだろうか。『資本論』をはじめとする主要著作を再度きちんと読み込むことで捉えられるマルクス像は、哲学においても、経済学においても、あらゆるイデオロギーを批判して、常に無神論の位置に立ち続けようとする姿であった。既存のマルクス像から自由になり、マルクスの新しい可能性を見出すための最良の入門書。
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Posted by ブクログ
階級闘争=現実世界における経済的関係の網の目から生じるもの なぜならある時代における生産手段の発達はそれを支えている生産関係と矛盾するから 資本家の打倒と新しいプロセスを革命ととらえ、共産主義への移行をとくマルクス。 観念論と対立関係にある唯物弁証法ですいわゆる
お堅くて合わないかもと思ってたマルクスだけど、思ったよりずっと親しめそう。思ったより現場主義だし。 やみくもに原初的共同体を懐古するのではなく、ヘーゲルの歴史的時間の概念を極めるような形で、現在における過去の包摂(現在の編制体の諸要素の形態的差異を峻別(ここがマルクス独特)し、遡及的に認識することで...続きを読む過去が見えてくる)を文明史のなかの資本主義に適用し、ギリシア的共同体を高次の状態で復活させようとしているのがパワフルだなと思った。 諸事象を物質的なもの(唯物論!)と観念的なもの(観念論!)の複合体であるとみなし、対象に向かう経済的批判(科学的考察)(形態的差異)と自己へと回帰する哲学的思索とを両立させているのがやはりすごいところ。(ヘーゲルも読まなくては…) フェティシズムのところも面白そうだし、ベンヤミンとか読むべきかな。
マルクスの思想の概説書というよりも、著者自身のマルクス解釈を展開する試みというべき本。アルチュセールの構造主義的マルクス主義の影響のもとで、社会認識批判の試みとしてマルクスの思考様式を読み解いている。 著者は、「自由」と「共同体」についてのマルクスの理解が古代ギリシア的な理解に近いということを明ら...続きを読むかにした上で、近代市民社会に対するマルクスの批判を検討している。マルクスは、ルソーの市民社会論の影響を受けながらも、利己的な「私人」と「公的人間」との分裂を解消する具体的な道筋を示していないことに不満を持った。そこでマルクスは、現実の一人ひとりの個人が、抽象的なままにとどまっている公民をみずからのうちに取り戻し、個人としての人間がその経験的生活、その個人的労働、その個人的諸関係の中で「類的本質」を実現するための、現実的条件を明らかにすることを、みずからの課題として引き受けることになる。 マルクスはその条件をプロレタリアートに求めたのだが、著者はプロレタリアートが、もはや「一つの」社会的階級、「一つの」身分ではないという。それは市民社会から排除された存在であり、それ自身がすでに社会の解体そのものなのである。そうであればこそマルクスは、社会は社会自身がみずからを変革する条件を内部から産出しているときに、またそのときにのみ、社会変革は起きると言うことができたのである。 本書の後半は、マルクスの貨幣形態論の中にヘーゲルの「止揚」(Aufheben)の発想がどのような形で引き継がれているかを論じている。「止揚」は、その結果のうちに、過去の経験を否定・保存・昇華する。それゆえ、マルクスの貨幣形態論は、貨幣の分析を通じて人類史における交易様式の歴史的形態を読み取る試みであり、そうした系譜学的省察を通じての経済学批判・社会認識批判になっていると、著者は主張している。
ソ連の崩壊により忘れ去られたマルクス主義、、、しかし、ソ連が実践したのはマルクスが予想した社会ではない。 マルクスは自由を、労働からの解放と自由時間の中に見ている。この考えは、先進的であり、労働時間の短縮よりに、労働からが労苦的から健康のための活動になり得る。この視点で見ると、共産主義の労働共同体が...続きを読むマルクスの精神からかけ離れているかがわかる。また、マルクスは貨幣を誠実を不誠実に、愛を憎しみに、憎しみを愛に、徳を悪徳に、悪徳を徳に、奴隷を主人に、主人を奴隷に、愚鈍を理知に、理知を愚鈍に転倒させる力として批判している。 マルクスの考は、貨幣な支配されている資本主義からの脱却に、繋がる思想なのだとおもった。
経済学批判の章しか読んでいないが、マルクスの顕微鏡的論理、いわゆるミクロロジックなるものが非常に興味深い。マルクスの、人間の経済活動全般を微に入り細に穿って探求しようとするその精神には素直に感嘆する。人間労働の中に社会的性格を見出したときのマルクスの気持ちというものはどんなものだったのだろうかと思っ...続きを読むた。
このタイトルが間違ってる・・・ これはどう考えても「入門」ではない気がする・・・ マルクスは悪いのか? 冷戦の終結とともに忘れさられたマルクス。 しかし、マルクスは、マルクス主義は悪かったのか? マルクスとは何か・・ って感じの「入門」書(笑)
2006.6.15 かつて一世を風靡したソビエト連邦や国内での学生運動は、得てしてマルクスの影響が多大であるとは一般常識だが、 「そういやマルクスって何したの?」 という単純な疑問から読みはじめたのだけれど。難しい。これ入門じゃない絶対。時代とともに尾ひれがつき歪められていってしまったマルクスの...続きを読む思想の核心を突きたかったみたいだけれど、突いていない。一章ではマルクスの思想を3つの類型に分けているのだけれど、これが本来マルクスが意図した考え方なのか、時代に因って歪められてしまったけれど世間一般が考えているマルクスの考え方なのか、わからない。ていうか論理が二転三転した上にいきなり飛躍するのだから全く追えない。俺の読みが甘いだけなのか。入門だと思って油断するなかれ。予備知識ゼロの人にとってこれは応用だ。世界史受験者とかならわかるんかなあ。 2章の途中まで読み挫折。ときおりシェイクスピアの引用が載っており、乾いた文面に潤いが。論理と情緒のバランスって案外重要なのかも。
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