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ワーグナーに愛されたにもかかわらず、音楽史の表舞台から「消された」楽器、ヴィオラ・アルタ。この数奇な運命をたどってきた「謎」の楽器が数十年ものあいだ、渋谷の楽器店の奥でほこりをかぶっていた。ヴィオラ奏者であった著者は、この楽器と偶然に出会い、魅せられ、ヴィオラ・アルタ奏者に転向。欧州を駆けめぐり、なぜこの楽器が消されたのか、その謎を解いていく。19世紀後半の作曲家たちがヴィオラ・アルタを通して表現しようとしていた音色とはどんなものだったのか。クラシック音楽の魅力と謎解きの楽しさに満ちたノンフィクション!【目次】はじめに/第一章 「謎の楽器」との出会い/第二章 失われた歴史を求めて/第三章 ヴィオラ・アルタを弾きながら/第四章 ヴィオラ・アルタの謎を解く/おわりに
...続きを読むPosted by ブクログ 2014年07月16日
世界に二人しかいないヴィオラ・アルタ奏者の平野氏がその幻の楽器との出会いから由緒を探してたどりつくまでの物語はさわやかに仕上がっている。残念ながら音楽に例えて表現する能力はない。
クラシックの道に進んだ平野氏は高校進学と同時に上京し、切れたヴァイオリンの弦を買うために有名な木下弦楽器店に飛び込んだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年06月27日
楽器や音楽には全く知識はないけれど、面白く読めた。
エッセイのような、ちょっとミステリー
山場や盛り上がりは少ないものの、作者の楽器への愛を感じる。
手頃な厚さなので、電車内での読書には最適。
音については、知識が無いため、想像ができない。楽器について詳しかったら、更に楽しいのかと思う。
だから、...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月26日
ヴィオラ奏者である平野真敏氏が、偶然に馴染みの楽器店で出合った不思議な楽器、「ヴィオラ・アルタ」の歴史を辿る物語である。
19世紀にドイツ人のヘルマン・リッター氏によって発明されたこの楽器、一時期はリストやワーグナーに愛されるが、急速に歴史の表舞台から消えてしまう。
ヴィオラ・アルタのサイズは通常...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月22日
タイトルにある「幻の楽器」として挙げられたヴィオラ・アルタという名前に惹かれて購入。
日本は世界有数のヴィオラ普及国というか先進国なので、ヴィオラ関連の本が出ても不思議ではないと思いつつ読み進めていくうち、ドイツで生まれたドイツ音楽を演奏するための楽器が東洋の演奏家によって発掘され世に紹介されていく...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年10月06日
ヴィオラ・アルタという楽器を知らなかった。現代では忘れられたこの楽器を、偶然のようにして入手し、その響きに魅了されたヴィオラ奏者の著者が、この楽器がどのようにして生まれ、また、どのようにして葬り去られることになったかの謎解きをする。「失われた楽器」「珍しい楽器」というので、古楽器の一つかと思ったが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年05月01日
あるヴィオラ奏者が幻の楽器、ヴィオラ・アルタと出会い、そのルーツを求めてヨーロッパを旅する話。ワーグナーに気に入られたというその楽器は近代の発明品であるにもかかわらず、非常に資料が少ないのだが、良い出会いと直感と偶然に支えられ、その秘密に肉薄してゆく。
いやはや、ぜひともNHKで取り上げて欲しいくら...続きを読む
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