あなたにだけわかること

あなたにだけわかること

小説・文芸
1,562円 (税込)

7pt

桐生駿と野田夏が出会ったのは5歳のとき。夏の父に恋した駿の母が、密会のため夏の家に通ったからだ。親同士の情事の間、それとは知らず階下で待っていた幼い二人は、やがて親たちの関係を知る。以来二人は、互いに「できれば思い出したくない相手」と感じながらも、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いの恋愛の証言者のように。男と女の「愛ではないけれど、愛よりもかけがえのない関係」を描く長編小説!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    あなたにだけわかること
  • タイトルID
    :
    215232
  • ページ数
    :
    210ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年07月26日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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あなたにだけわかること のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    それぞれの父と母の逢瀬に連れていかれていた幼い少女と少年。
    大人になった2人は、なるべくなら思い出したくない関係、でもときどき思い出してしまう関係になった。

    夏と駿、2人の異常とも言える関係、そこに絡めた2人の人生が、とても興味深く、好みの作品でした。

    2人が成長していく過程で出会った人たちとの繋がり、それぞれへの思い、根底あるのは親の存在。
    幼少期の親の影響力の強さを思い知らされる思いでした。

    最後まで一気読み。
    面白かったです。

    0
    2017年04月26日

    Posted by ブクログ

    お得意の不倫ものだけれど、今回はちょっと趣向が違った。
    主役は不倫をしている男女それぞれの子供、駿と夏。
    大人が秘密の時間を持つ間一緒に過ごした二人。
    ほんの小さな子供だった二人は人生の時折ふと交わる。
    それは愛なんかじゃない、情でもない。
    共犯者に近いと思う。
    そんな二人の関係性が妙にリアルだった。

    親のしていたことが何だったのか理解する年頃になっても、親を責めたり反抗したりしない二人の姿が痛々しかった。
    どうしようもない親をじっと見てきた二人は、どうしようもない大人になる。
    人生の道々で時折交わる二人は因縁から抜け出せないようにも見えるし、それが必然のようにも思える。

    いい人ばかり出てくる小説はどうも好きになれない。
    空々しくて。
    むしろこの作品のように欠陥を抱えているけれどなんだか憎めない人達にどうしても共感してしまう。
    よくよく考えてみるとまともな人が誰一人出てこない。
    それぞれの親も、恋人も、その子供たちも。
    だめな人間だからこそ愛おしいんだと思う。

    井上さんの作品は好き嫌いが分かれそうであまり勧められないが、この小説はよかった。お勧めできるかも。
    独特のざらざらした感覚を残しつつ、サラッと読める。
    そして何といっても最後の最後が切なくて。
    余韻がじわーっと残る作品だった。

    0
    2013年07月28日

    Posted by ブクログ

    この物語は嫌いと答えるひとのが多いと思う。けど、わたしは始めから吸い込まれ、終わった時には好きだなって思った。

    なにもかもがスッキリしない物語。曖昧な。肝心な描写を避けていて、で、結局どうなったの? の連鎖的な。5歳のときに駿は母親に連れられ線路を超えた先にある夏の家を度々訪れることになる。駿の母は夏の父に猛烈に恋をしていた。夏の母は他界しており、駿の父は外科医だった。
    それから場面は小学生中学年になり、夏はすでに不良と呼ばれ大学生の彼氏がいた。駿はガリ勉的な子。
    さらに中学年になり、高校、大学、結婚…と進んで行くのだけど、どうもすべてが釈然としないのだ。それが嫌な感じではなく妙な心地よさがあるからまた厄介で。断言的なことがない。
    たとえば夏が小学生のときから付き合っていて、愛し合う行為をしていた相手の大学生との別れまでの詳細とか、処女喪失を捧げ愛しくてしかたなかった千秋に他ならぬ駿とセックスをしたと嘘を吐いてわざと恨まれるような別れ方をしたくせに、偶然、や、必然かもしれない再開時に婚約者を棄てて千秋にアプローチしたところ、そこから場面は一気に飛び結婚までこぎつけたその空白。さらには結婚生活を飛ばして娘がいてさらには千秋には他の女がいること、とか。
    その微妙に曖昧で、けど計算しつくされた完璧な曖昧加減が実にわたし好み。
    駿と夏の決して愛ではない、むしろ怯むくらいの繋がりが物悲しかったな。

    0
    2013年06月18日

    Posted by ブクログ

    展開としては、まあ、あれですが、そんなことはあまり関係ないのです。小川洋子さんの作品の中に「作家の声が聞こえる」という話がありましたけれど、まさに井上荒野さんの文章は声、ため息、息遣いが感じられるのです。ずっといっしょにおしゃべりしていたような。
     不倫関係の互いの息子と娘という駿と夏。一度も男女の関係になったことはなく、親の身勝手さに翻弄された仲という関係です。濡れ場を描かずにこれを書けるのってすごいです。映像化したらすべておじゃんになってしまうから、井上さんはこのままそっとしておいてください。

    0
    2018年06月23日

    Posted by ブクログ

    すごくすごく井上荒野らしい作品で、愛に溺れなくっちゃ生きられないダメな男と、同じようにダメな女が、母だったり父だったり、自分だったりして。まっすぐすぎて歪んでしまうジレンマや、のんびりと描かれているおかしな日常や、荒んだ景色がなぜか懐かしく感じるところや、それでも憎めない人々や関係性が、溢れすぎていて、じんわりと切ない。

    0
    2017年11月30日

    Posted by ブクログ

    何人もの人生が一冊につまってしまうのが小説。
    愛の記憶というには、動物的で時に嫌悪感を感じずにはいられない。
    性ほど生々しいものはないが、人の核になりうる。

    人が亡くなったら、その人を巡った感情はどこに消えていくのだろう。人にはすすめないけど、好きな本です。

    0
    2016年05月29日

    Posted by ブクログ

    私の異性の幼なじみにも一人、お互い大事過ぎて幼なじみという言葉がしっくりこず、やはり「この関係は何なんだ」と思わざるを得ない人がいる。
    恋愛関係ではないので浮気には当たらないだろうが、この特別な感情は浮気よりも本気に近く、ケンカしてもいずれ元に戻れるという信頼は結婚相手より深い気さえする。
    それは浮気よりも罪深いと思っているので人には言わない。

    内容自体は、世の中そんなに恋愛感情ばかりの大人だらけか?と違和感はあるが、年齢を重ねても中身の成熟さはさほど変わらない辺り、妙にリアルで納得している。
    千秋へ病的に執着する気持ちに共感はないが、「捨てられたくない」という感情は「好きな人から」という所に重きがある訳ではなさそう。好いている事より好かれてる事にこだわりを感じる。
    対して駿とは捨てるも何もな距離感で、これは絶妙で貴重。
    駿が亡くなった後がつらいね。
    それにしても駿の奥様が一番薄ら怖い。

    0
    2026年04月13日

    Posted by ブクログ

    なんかふわっと読み始めてふわっと終わってしまって、夏と駿が誰の子なのかよく分かんないままだった。
    でも夏と駿の子の代まで話が続くのって、珍しい気がした。
    ぐちゃっとしたひとかたまりの人生たちを見たな、という感じかな。

    0
    2019年11月25日

    Posted by ブクログ

    小さい頃から大人になる過程を書いてました。
    鬱々としていて、両親と子供の複雑な関係の話です。

    斜め読みでしたが、途中で不倫や浮気で面白くなったので、また読み返したいです。

    0
    2014年01月30日

    Posted by ブクログ

    鬱々としたものを抱えて屈折しながら成長してゆく過程が生々しい。
    過去のトラウマが、長い年月をかけていつしか身体の一部のような暗い穴になっている。
    ふたりの間に好意はなかっただろうけど、そこに空虚なものを感じている者同士、愛情に似た親近感があったのかなと思う。
    むしろそこが似ていたからこそ、恋にはならないのか。求めるものを、自分と同じように相手は絶対に持っていないと確信してるから。

    0
    2014年01月22日

あなたにだけわかること の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    あなたにだけわかること
  • タイトルID
    :
    215232
  • ページ数
    :
    210ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年07月26日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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