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Posted by ブクログ
心に訴えかけてくる本です!
映画観賞が好きな2人の少年、植野と今井。
少年2人が行きつけの映画館の受け付けには無愛想ながら魅力的な女性、松下さんがいた。
ひょんなことから少年2人は松下さんに好意を!しかし仲良くなるのは難しく…
そんな時少年達はネットの匿名日記「やめていく日記」を読み始める。その主人公はうつ病で今までやっていたことをやめていくことを書いている日記。
読み進めるにつれて、日記の主人公は松下さんなのではと認めたくないけれど疑い始める…
命を絶とうとしている松下さんを少年達は止めたいけど、どうすれば助けられるか分からなくて…
やはりうつ病など書かれているので気持ちが暗くなって読む気が失せると思ったのですが、それとは裏腹に続きが気になりすぎて後半はスピードアップで読み終わりました。
考え深い本でよかったです!
Posted by ブクログ
YAは時代を切り取ったものである。それは現実的な話に限らず、ファンタジー色の強いものでもそう思います。
読者対象が狭いため、あっという間に世代交代されていくのですね。10代の頃の1年はとても長く、ちょっと前の世相がとても古く感じてしまいます。
だから昔のYAを今の10代が読むとどう感じるのかは気になります。
今作は2003年に発表されたもの。実にその時代が鮮やかに切り取られています。今からもう16年も前になるのですね。ああ、確かにそうだった。この時代はこんな感じだった。そんな懐かしさがひしひしと迫ってきます。
そこに生きる高3の少年ふたり。将来の夢、別れたばかりの彼女、父親のリストラと精神状態、映画館窓口の年上の女性への憧憬と恋心、個人サイトの日記、夢を諦めること、がむしゃらになること。その時代ならではのものもあります。でもその状況に対してどう感じるのかどう行動するのかは普遍的なものもあるでしょう。
今の若者は無気力だ。全てを諦めて達観したような顔をしている。ここ20年以上ずっと言われ続けている気がします。そう言われていた若者が、次世代の若者に対しても同じように言っている。それが時代を超えた若者らしさであるかのように。
しかしここに出てくるふたりは、達観しているようなそぶりでいながら、がむしゃらになっています。虚無の世界でしかないようなネットに書かれていることを真っ直ぐに受け取り、そこにぶつかっていきます。よく知らない相手に恋心を抱き、よく知らないまま突き進んで行きます。
そんながむしゃらさもまた、時代を超えて存在する若者らしさなのかも知れません。
Posted by ブクログ
プリズム、と聞いて淡く儚い美しさを連想した。読み終えると薄暗い人間らしさと、それゆえの美しさを感じた。二人の少年の葛藤と情熱という青春が眩しくもあった。
プリズムとは光を分散させ、光を構成している複数の色を目で見えるようにさせる道具である。光は複数の色が重なって白色に見えている。
人間もまた同じ。様々な色が重なって一人の人間を創る。他者からはその内の全てを知ることはできない。
この物語では、主人公たちはブログというプリズムにより、ヒロインの心の内の一色を垣間見たのだろうか。その色が何色であろうと、その人を構成し、ともすると自身の気付かぬ内にも隠れているのかもしれない。
自身にもプリズムを翳してみたくなる。そんな一冊だった。
Posted by ブクログ
久々に時間に余裕ができ、車内にいながらぼんやりと物語に浸かりたいと思い、夏っぽい高校生の青春ものというイメージに惹かれ読んでみることにした。
主人公の植野とその親友である今井は映画館で出会った受付の女性松下菜那に出会い、その容姿・性格様々なアンバランス具合に心惹かれ、彼女のことをもっと知ろうと探りはじめる。同時にある鬱描写が垣間見えるブログサイトを気になりだす。まあ要するにこのブログサイト書いてるのが松下さんなのではないか、となってくるお話。
親や恋人の影響から将来に対しての不安を登場人物たちは持っており、その影と、年齢ゆえの脆いながらも純粋な真っ直ぐな姿勢とがうまく物語中に融合している。
読もうと思っていたアオハル的な展開ではなかったがこれはこれで自分に合っていたような気がした。
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