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Posted by ブクログ
上手い、の一言。
元々新聞の連載だったと言うこともあり、一つ一つがほど良い長さで、シンプルな表現が多く、それでいて濃度が高い。
日常の些細な出来事や作家活動の一環としてのあれこれ、愛犬の話。ふとした出来事を深く、でも、深過ぎて読み手が迷子になることがない程度に掘り下げて書いてくれているので、心にすんなり入り込み、心地いい。
こうやって本を書くのだな。こうやってアイディアを紡いで行くのだなと、一作家の裏側を垣間見れた作品。作家を志す人が読むのにもいいと思う。
本としてまとめられているので、立て続けに読んだけれど、新聞掲載と言う形は正解で、一つ一つエッセイをゆっくり味わうのに適している。
小川さんの作品を読むのはこれが初めてだが、これを機に小説も読んでみたい。
Posted by ブクログ
小川洋子さんが新聞に月一連載していたエッセイを一冊にまとめた本
表紙にもいるラブラドールのラブとのお話が印象的な一冊です
・本の模様替え
一度読んだ本でも中身をきちんと覚えていないことはもちろん、何なら内容を改変して覚えてしまっていることもあるよね、というお話
『走れメロス』のストーリーを180度反対に覚えていたお話がおもしろかった。
・キャベツ共有の和
家庭菜園を始めた小川さんが作物につく虫やナメクジを観察して気づいたことを書かれたお話
自分のことを思い返すと子供の頃は虫が平気だったのに、大きくなるにつれて苦手になり、最近また平気になりつつある。じっくりと虫たちの動きを観察する余裕が自分の中にできたのかも。そうしてしゃがみこんで自分の足元で繰り広げられている攻防を見るのが楽しい思った体験を思い出した。
・ブヒ
小川洋子さんがハダカデバネズミの研究室がある理科学研究室を訪れたお話
ここに出てくる岡ノ谷一夫先生の本を読んだばかりだったので「タイムリー!」と思った。本を読んでいると、全然関係ないと思っていたものが急に結びつく瞬間があって楽しい。
・自らの気配を消す
校閲者や翻訳者についての考察
「役目を終えれば、何の痕跡も残さないまま静かに立ち去る」けれど、確かにそこに存在している仕事、だなと感じました。同じようなことを宮田ナノさんの「すてきな退屈日和」でも読んだので余計にジーンときました。
・早くお家に帰りたい
「帰る」ということに関してのあれこれ
「明日は一日、どこへも出掛けなくていいな、と思いつつ寝床へ入れる夜は、心が安らかですっきりしている」という一文にものすごーく共感。これが行き過ぎて、私は外で働くことが困難になったため在宅で仕事をしている。たまに出かける用事があるとワクワクする気持ちと「早く帰りたい」という気持ちが出発前からせめぎあっている。私は坂口安吾の「帰宅感」にはあまり共感できないよう。
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