月と蟹

月と蟹

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

注目度ナンバー1の著者による少年小説の傑作! 「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」──家にも学校にも居場所が見つけられない小学生の慎一と春也は、ヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを考え出す。100円欲しい、いじめっ子をこらしめるなどの他愛ない儀式は、いつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。鎌倉の風や潮のにおいまで感じさせる瑞々しい筆致で描かれ、少年たちのひと夏が切なく胸に迫る長篇小説。 第144回直木賞受賞。

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    月と蟹
  • タイトルID
    :
    214185
  • 電子版発売日
    :
    2013年07月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

月と蟹 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    小学生の慎一と春也、鳴海の危うい関係と、子どもならではの自分ではどうしようもないことに苦しむ閉鎖感が味わい深い一冊だった。何かが違っていれば一緒に危ないことに手を染めてしまったかもしれない慎一と春也の関係が特に印象的だった。

    0
    2025年07月18日

    Posted by ブクログ

    少年少女の想いが鮮烈に表現されている。
    最後にかけてまでの展開。とても楽しめました。
    道尾秀介と言えばミステリー、叙述トリック、どんでん返しというイメージが多いですが、こういう想いが爆発したかのような作品も心に強く刺さるものです。

    0
    2025年03月05日

    Posted by ブクログ

    再読。なんとなく好きな作品だった憶えはあるものの内容は例の如く忘れており、でも読み終えて今回も好きであることを再確認。私は道尾さんオタクですが、中でもこういった少年(少女)の苦悩が鮮やかに描かれている系統の作品が最も好きです。(他に「向日葵〜」「龍神の雨」など。)道尾さんの才能ここに極まれり。今作も主人公の小学生慎一の感情の機微が、序盤〜中盤までムズムズ、ヒリヒリと繊細で引き込まれます。さらに後半284Pでがらりと変化した心境は鬼気迫るものがあり、そのあとはさらに息がつけない展開。ほんと天才。

    0
    2025年01月30日

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞作品です。
    舞台は鎌倉。小学4年生という
    幼い少年の心の内を描いた小説です。秘密基地的な遊び、子ども時代特有の生き物に対する残酷さ、背伸びをした悪い遊びなどを描きつつ、話は進んでいきます。

    主人公の慎一、春也そして鳴海という同級生。皆、家庭や過去に悩みを抱えています。
    基本的には慎一の内省を描いた暗めのタッチですが、クライマックスでの疾走感溢れる文体と、ラストの静かな終わり方が印象的です。

    小学生の高学年という、子供から脱皮していく微妙な時期の心のうちを見事に描いた素晴らしい作品です。



    0
    2024年07月07日

    Posted by ブクログ

    小学生の少年がヤドカリ様に祈りをするというストーリー。子供ならではの残虐性や考え方など、もう子供じゃない自分が読むと感慨深いものがあった。大人になるということについて考えさせられたのもよかった。物語自体はすごくダークで惹き込まれる。誰もが経験したことのある感情が比喩を用いて明瞭に描かれており、共感することが多かった。直木賞は伊達じゃないと思われされる作品だった。

    0
    2024年04月14日

    購入済み

    中二病前夜の年頃を描く

    ⚫️小学校高学年とは、何も分かっていないようで大方のことは識っている年頃だ。そんな子供達の心象言動について、空恐ろしいほど鋭く生々しく描かれている。⚫️それにしても、養育とは難しい。この物語で、子供にとって肉親は胸襟を開ける相手ではなく、教師は登場しない。大人から子供への接し方を考え込まされる。⚫️大人は子供を少々ムリがあっても一人前に扱うことで、真に頼られる存在となり得るのかもしれない。これは大人と子供を目上と目下に言い変えても同じであろう。自分の職場での目下に対する態度が脳裏に去来し反省しきりである。

    #深い

    0
    2023年10月07日

    大切な存在を近くで発見できる

    子供時代、それがこの世のすべてだった。そんなことを懐かしく思い出させてくれる物語です。ちょっと切ない異性との関係、絶望的な大人との関係。その時は何が起こっているのか、ちゃんと理解できていなかったはずなのに、分かったつもりでいた。同級生の変化、自分の変化、町の変化、3人で決めた不思議な儀式。。。読み終わったとき、とても切なくなって、小学校の卒業アルバムを開きたくなった。この作品は直木賞を受賞している。しかし、決して娯楽作品ではない!

    2
    2013年10月09日

    Posted by ブクログ

    2人の少年が両端から綱渡りするみたいに保っていたバランスが、鳴海が加わることで崩壊していき、さらに人生まで狂っていく様子を直視したくなくて、半ば祈るような気持ちでページをめくっていた。小学生って、自分の欲望に対してある意味で大人よりはるかに残酷だ。加減を知らないというか、浅はかさ、認識の甘さが裏返って悲惨な結末を呼ぶ。それを針の返しに喩えた道尾さんはすごい。刺さるのはあっけないけれど抜くときに激痛を伴う。これって何気ない一言や行為が、とんでもない恥や痛みを連れてくるのと同じだ。

    子どもの、死に触れるまでの鈍感さと、誰かを亡くしてから極端に鋭敏になる死への恐れが見事に表現されていた。死という概念を、身体を以て理解するタイミングは人それぞれなのだろう。祖父がくちびるの皮をべろんとめくるところとか、人間の老いた部分を直視する暴力性が現れている。自分が小学生の頃、背中の曲がったおばあちゃんを見るだけで胸がきゅうとなって居心地の悪さを覚えた。心が綺麗とかそういう問題ではなく、自分が悲しくならないために目を背けたいだけだという、あのなんとも言えない罪悪感と哀愁。

    そんな中で語られる祖父のセリフが悲しいし心にずっしりくる。「お前、あんまし腹ん中で、妙なもん育てんなよ」という一言に、母よりもずっと孫を見つめてきたのが凝縮されている。男同士だからか、漁師だった祖父のさっぱりとした気性なのか、年の功なのかわからないけれど。女である私が(いや、女だからこそかもしれないが)母親に嫌悪感を抱くのは、慎一を通して子ども時代の心細さや母への依存を想起し、しかし実の母とは重ならないフィクションの母(純江)に情が生まれるわけもなく、ただ怒りを覚えるからだろうか。あるいは大人になった身として、慎一が不安定になる原因は純江の監督不行き届きだと感じるからかもしれない。過去と現在、二重の怒りが存在しているような気がする。

    傷ついて傷つけて恥ずかしくて、その痛みや後悔や恥や矛盾に耐えられなくなった結果、苦肉の策で痛みに鈍感になることが、大人への第一歩なのか?
    その過程で、どうすれば相手を不快にさせ、自分をすっきりさせられるのか、賢くなっていくのだろうか。諭すような口調の方がいっそう相手を傷つけられると発見するように。そして、自分の加虐性を自覚して、それに恐れを抱いてようやく、むやみに人を攻撃すべきではないと理解するのかもしれない。動物だったらそのうち淘汰されていくだろうけど、なまじ賢くてしぶとい人間はそれくらいじゃ死なないので、たまに行き過ぎた一部の人だけが、法を破ることになるのかもしれない。子供とは、大人が予想できないような罪を犯す危うさとつねに背中合わせの生き物に思えてくる。

    0
    2025年12月05日

    Posted by ブクログ

    道尾秀介の作品は子どもの世界を描いたものが多い印象。
    「月と蟹」も、高学年の小学生3人がメインです。
    ただでさえ大人になりかけの微妙な時期。少ーしだけ見える子どもらしく無邪気な部分にやたら安心するのは、ほぼずっと息が詰まりそうな展開だからかも。
    子どもって大人が思うよりも大人を冷静に見てるものですよね。
    どうしたって大人の事情に心が振り回されてしまうのが、仕方ないけど辛い。
    大人が言い訳したり取り繕ろったりするのも、子どもにとってはさらにキツい。
    子どもの世界にもいろいろあるなぁ、しかもけっこう残酷。
    なんとか自分を守ってほしいと思いながらも、それぞれに立ち向かう姿に苦しくなりました。

    0
    2025年08月26日

    Posted by ブクログ

    消失感を抱えた少年が奇妙な儀式を友達と始める。そこから段々と少年に内包されている自我が変化していき、悲しみや寂しさが溢れてそれは暴力性や非倫理的な思いや行動へとつながっていく。
    話の中に流れる描写が少年たちの行動や心情を生々しく描いている。その少年少女たちも家族を失っていたり、家族に暴力を振るわれていたりと家庭の愛をどこか感じられていない心にすっぽりと穴があるような人たちである。それが交わり交流していく中で改めて主人公に訪れる妬みや嫉妬、それらがいつか主人公の人格もどこか変えてしまう。
    どうして人生は上手くいかないのだろうか、どうして大人になるのは難しいのか、そんな誰しもが抱える気持ちをこの本の読みに捧げながら、溶かしながら読み進めていくと、腹の中にドロドロとした様々な感情が読み手の中に生まれると思う。

    0
    2025年06月14日

月と蟹 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    月と蟹
  • タイトルID
    :
    214185
  • 電子版発売日
    :
    2013年07月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

道尾秀介 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す