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黒皮の長手袋をはめ、威風堂々としている「おおばあ」こと、ぼくのおばあちゃん。父さんのいないぼくは、おおばあと母さんに育てられてきた。おおばあの古い一軒家。おおばあが飼っている黒い日本犬、ぼくの親友のヤジロベエ。おおばあに教わった「呼吸(いき)合わせ」。眠り続ける少女。中学生になってからの少女と「再会」。ぼくは本当に「呼吸を合わせる」こと「生と死」の意味を知る。色鮮やかな「ぼく」の成長物語。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
祖母と孫が織りなす成長物語と言えば、孫の性別は違いますけど真っ先に思い浮かぶのが「西の魔女が死んだ」です。ただ、ファンタジックな成長物語としては本作の方があきらかにハイレベルで、「西の…」を全く評価できない俺でも脱帽です。
片島麦子の初めての本になるのだろうか。 ほぼ1年前に文庫オリジナルで出版されている。 読み終わって、最初に考えたことは、この人は他にどんな本を書いているのだろうという事だった。 おばあさんと孫の話はたくさんあるし、児童文学若しくはファンタジーの定番ではあるけれど、それでも面白かった。
某書店文庫担当者さんのオススメだったので読んでみた。 物語は主人公が回想する形で進んでいく。それだからか、なんとなく白いベール越しにみているような、もやっとした世界観がなんかいい感じ。 「おおばあ」の存在感がすごいだけじゃなく不思議な力を持っているのに案外簡単に死んじゃったり、主人公ロクの父親に関す...続きを読むる事がちょっとした謎解きになっていたり、あれだけ伏線らしきものがあったにもかかわらずロクとミウリがいい仲にならなかったり、この辺が面白いポイントだったかな。 著者はこれがデビュー作らしい。 ラストは続編を期待してしまう終わり方だったし、次の作品も読んでみたいなぁ。 いずれにしても、こういう作品って自分ではたぶん選んで読まないから、いいきっかけになった。
威風堂々としたおおばあと孫の緑の主に小中学生時代がほのかな雰囲気で語られて、現代ものだけれどそこはかとないファンタジーさが心地好い。呼吸を合わせることで夢の中に入り眠り続ける少女を起こし、死に触れる。自分を好きになろうとする変化が急で、させられた感があったけれど、その先の結末が意外でストンとなった。
黒い革でできた頑丈な長手袋を常に身につけ、威風堂々としているおおばあ。不思議な力を持つ彼女のもとには、悩みを抱える人々が絶えず訪れ、お礼にさまざまなものを置いて行く。 数学者でリアリストの母さんと対照的なおおばあ。全く思い出せない父さんと、くっきり記憶にある伯父さん…。父不在の女系一家で、ぼくは黒...続きを読む犬のやじろべえと共に、所在なさを感じているが、ふとした拍子におおばあの持つ不思議な力が自分にも受け継がれているらしいことに気づいて…。 ワルプルギスと言えば、魔女ものでは有名なキーワード。ワルプルギス賞受賞のこちらもやはり、魔女的な要素を感じるストーリーだった。
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