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うつの患者は百万人以上いるが、実はその多くは「適応障害」である。環境の変化になじめなかったり、対人関係がうまくいかずに生じる心のトラブルで、自信や意欲がなくなったり、体調不良、不登校、出社困難、依存症などの問題として表れる。過敏な人だけでなく、人一倍前向きな人もかかる、もっとも身近な精神疾患だ。「うつ病」と誤診されて治療すると余計に悪化し、長引く場合も。ではどうすれば改善するのか? どうにもならない問題や悩みを抱え込んだとき、いかに対処すればいいのか。すぐに実践できる方法を、百戦錬磨の専門医がわかりやすく紹介。
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Posted by ブクログ
「問題」に悩むのをやめ、「課題」に向けて動くための処方箋
適応障害や強いストレスに直面したとき、私たちはどうしても「原因となっている目の前の問題」そのものをどうにかしようと躍起になり、泥沼にはまってしまいがちです。本書は、そうした悪循環から抜け出すための本質的な視点を与えてくれました。
特に腑に落ちたのは、適応障害の本質を「居場所を失い、プライドを傷つけられ、心が折れかかった状態」であり、多分に「社会心理学的な問題」であると定義している点です。原因となる対人関係のコンフリクト(衝突)を直接解決することは、現実的には容易ではありません。だからこそ、アプローチを変える必要があります。
本書を読み進める中で至った結論は、「もしストレス要素が全くないとしたら、自分はどんな状態(ゴール)を望むのか」を徹底的に考え抜くことの重要性です。
解決不可能な問題にエネルギーを注いで「過剰適応」してしまうのをやめ、理想のゴールから逆算して「今、本当に取り組むべき本質的な課題」を絞り込む。これにより、答えの出ない悩みを頭の中でグルグルと回す無駄な時間をなくし、一歩前へ進むための具体的な行動に集中できるようになります。
「問題に悩むのではなく、課題に向けて動く」。
ストレス過多な現代社会において、自分自身の心を守りながら、状況を客観的にマネジメントしていくための実践的な技術が詰まった一冊です。つらい時期を乗り越え、次の一手を模索しているすべての人に一読を勧めます。
適応障害はつらいですよ
私自身、適応障害で10年以上、治療していますが、どうすれば治るのかもわかりません。
仕事量・質は減りませんが、仕事の評価はマイナスに傾斜しますし、しんどい時は仕事にも行けないレベルです。
軽く見られているのか、鬱の方の方が手厚くケアもしてもらえます。
納得いく記載ですが、終わりが見えないのが、現実です。
Posted by ブクログ
適応障害とは、居場所がない、あるいはプライドを傷つけられら心が折れかかった状態である。
この段階ではまだ復元力があり、不適応を起こしている環境から離れたりストレスが減ると、速やかに回復するのが大きな特徴である。
しかし、そのままにしておくと心がポキっと折れ、すぐには元に戻らない状態になってしまう。
そのため、早い段階で対処することが大切である。
✏適応障害は、元々適応力がとぼしい人ばかりがなるのではない。全く逆に、人一倍前向きで、適応力にも優れていると自他共に認めるような人でも、適応障害になる。
適応力のある人、忍耐呂のある人は、少々過酷な環境でも自分なら耐えられるという過信があり、弱音を吐かずに歯を食いしばって、なんとか乗り越えようとするからである。
✏小さい子どもの適応障害は、外向きに行動化し、問題行動という形で現れることも多い
ここでの問題行動は、うつや不安が強まることに対して、自分の身を守ろうとする代償的行動だと言える。やり返すことで、どうにか自分のプライドと心の均衡を保とうとしているのだ。
✏ストレスや逆境に強いプライドの持ち方とはどんなものだろうか。それは、自分が最善の信じる行動にプライドをもつことだ。
相手の評価や物事の結果は様々な要素によって左右されるが、自分が最善と信じる行動をとることは、自分の信念や努力によるものだから、何者にも左右されない。
Posted by ブクログ
■社会性やコミュニケーションの最も原初的な段階は、母親と目を見つめ合わせ、表情でコミュニケーションするということ。母親が笑いかけると笑いだす。いないいないばーに反応して面白がるといった反応は情緒的応答というコミュニケーションの第一歩が踏み出されていることを示している。
■社会性の発達がうまく進んでいるかどうかは生後9か月頃に、「共同注意」という発達課題がうまくクリアされているかどうかという重要な分岐点を迎える。
・「共同注意」とは他人と注意を共有しようとすることで例えば母親が見つめているものを一緒に見ようとする。母親の注意に関心を払い同じものに注意を払おうとする。定型的な発達を遂げている子供ではそうしたことがこの時期に来ると自然にみられるようになる。
・自閉症スペクトラムの子供ではこの共同注意がうまくいかない。母親の向ける関心には上の空で自分の見たい方をただ見ているか、ぼんやりしている。
・共同注意が重要なのは、この段階がクリアされて初めて他の人と関心を共有するということが可能になるから。そこからコミュニケーションの新たな段階が始まる。
■メンタルの強さを図る(チェック1)
認知の傾向がポジティブ化ネガティブ化をチェックするもの。
①うまくいかないことがあっても成功を信じて進んでいきますか(+1)
⓶幸福に感じる時より不満や怒りを感じることが多いですか(-1)
③人の長所をほめるより悪口や批判をよく口にしますか(-1)
④自分は他人より劣っていると思うことが多いですか(-1)
⑤楽しい話をよくしたり、よく笑いますか(+1)
⑥自分は恵まれた人間だと思いますか(+1)
⑦どうせ自分の人生はうまくいかない、と思うことがおありますか(-1)
⑧現在の暮らしに満足や感謝を覚えることが多いですか(+1)
■メンタルの強さを図る(チェック2)
完璧主義や二分文法的認知の傾向をみるもの。
①できたところよりもできていないところに目がいく方ですか
⓶楽しい気分でいても何か悪いことがあると急に不機嫌になったり落ち込んでしまいますか
③欠点が見えると急に熱が冷めてしまいますか
④一度でも失敗するとがっかりしてもうやる気がなくなってしまいますか
⑤同じ人をとても好ましく思ったりとても嫌に思ったりしますか
⑥中途半端なことをするくらいなら、しない方がいいと思いますか
⑦平凡な人生より特別な人になりたいですか
⑧白黒をはっきりつけないと気持ちが悪い方ですか
■メンタルの強さを図る(チェック3)
否定的な体験にとらわれやすい傾向をみるためのもの。
①辛いことがあっても、すぐ忘れる方ですか(+1)
⓶同じことをくよくよ考える方ですか(-1)
③ケンカをしてもすぐに仲直りしますか(+1)
④何か嫌なことがあると何日も引きずってしまいますか(-1)
⑤人に言われたことを、いつまでも覚えている方ですか(-1)
⑥嫌なことより楽しいことを考える方ですか(+1)
■メンタルの強さを図る(チェック4)
環境変化に対する過敏性や不安の強さを見るためのもの。
①嫌なことがあると過剰反応してしまいやすい
⓶些細なことにも心配や不安を感じやすい
③環境が変わるとなれるのに時間がかかる方だ
④人前や初対面の人に対して緊張する方だ
⑤音や臭いに敏感な方だ
⑥枕が変わるとなかなか寝付けない方だ
⑦急に予定外のことがあると慌ててしまう方だ
■インフルエンザやウイルス性肝炎なども免疫が強く抵抗力のある人の方が症状が激しく劇症化することがある。同様にうつの場合も抵抗力がしっかりしている人の方が症状が激しく自殺にまで突き進んでしまうという場合がある。
■容量オーバー型のうつや適応障害はその人にかかるストレスや負担が対応できる容量を超過することによって起きる。対処できる容量は疲労や睡眠不足が蓄積すると、ますます小さくなる。そのため、ある限界点を超えると急速に容量オーバーが進み自然に均衡を取り戻すことは期待しがたい。できるだけ早く休息をとったり、ストレスから解放されない限り適応障害やうつ、心身症のデッド・スパイラルに陥っていくことになる。
・こなしきれないほどの仕事を抱えている上に、更に期限付きの仕事を押し付けられるという状況が何度も加わって、ついに潰れてしまうというのが典型的。
・一、二週間であればストレス・ホルモンが放出されることにより、脳や体の活動性を高め負荷が増大した状態を乗り越えることができる。しかし、更に長期間同じ状況が続くとストレス・ホルモンが今度は脳の神経細胞を傷害する方向に働き始める。神経細胞は委縮したり死滅したりし始める
・通常は過労と睡眠・休息不足という両面からの負荷が増大することにより、容量オーバーはさらに強まることになる
・疲労によって脳の処理能力が低下するとますます容量オーバーは深刻になり、泥沼に陥る。この泥沼から抜け出すためにはどうしたらよいのかさえ判断がつかなくなってしまう
・容量オーバーが起きてくるとだんだんと疲労が蓄積し始める。疲れが残る、朝がつらい、以前ほど仕事に対して新鮮な意欲や興味が持てないといった状態は容量オーバーが起きている兆候
・集中力や能率が低下する、判断力が鈍くなる、人と顔を合わすのが面倒になる、電話が億劫になる、しなければいけないとわかっていることをつい後回しにしてしまうといったことも重要なサイン
・そうした場合には、無理に仕事を続けるよりも、思い切って早めに仕事を切り上げたり休みを取ってリフレッシュした方が、擦り切れてしまうのを防ぐことにつながる
・容量オーバー型の適応障害やうつを予防する上で一つ大事なことは情報入力を少しでも減らす努力をすることである。脳が容量オーバーを起こしている上に遅くまでテレビやネットをしてしまってはますます情報負荷が過剰になって、容量オーバーを悪化させてしまう。ネット依存の人に起きやすいのも、その要因の一つとして容量オーバーに拍車がかかるためと考えられる。疲労気味な時には音楽、映像などの情報入力を減らして脳を休めるように努める
・容量オーバーが起きやすいシチュエーションの一つは環境や担当が変わったとき
・容量オーバーが起きやすいもう一つのシチュエーションは逆に環境や仕事内容にも慣れて仕事をそれなりにこなせるようになったとき
・仕事というのは仕事ができる人に集中しやすいという性質をもつ。仕事ができるる人はたいてい責任感もある。多少無理をしてでも頼まれた仕事をこなしてしまう。こうしてできる人ほど潰れやすいという悪循環が生まれる
・容量オーバー型の適応障害を避けるためには、自分にかかっている負荷の容量が適正なものか、常に監視しておく必要がある。そのt前には厳格なスケジュール管理、自己管理を行い、どんぶり勘定で何とかなるだろうと仕事を受けてしまわないこと
・容量オーバーになりやすいもう一つの典型的なパターンは部下を使いこなせない、あるいは部下が使い物にならないという場合に起きる。明らかに使い物にならない部下というのもいるが、多くの場合、使い方に問題がある。ありがちな悪いパターンとしては、部下に任せることができず手出し口出しをし過ぎて部下のやる気や責任感を削いでしまうという場合と部下に対する指導や管理が弱すぎるという場合の二つがある。随時ミーティングをして分担や責任を明確化し、進行状況を報告させ、必要な問題解決について具体的な方法やスケジュールを言わせるようにするという手順が不可欠
■その人がその人らしく生きることを妨害(主体性を奪われた)された場合、人は元気でいられなくなる
・自分が一番大切にしていることやプライドを持っていることを踏みにじられるような思いを何か月も何年にもわたって味わい続けていると、その人の心は次第に活力を失っていく
・主体性侵害型の適応障害やうつ、心身症を避けるためには、管理する側と本人の側がそれぞれにペースといったものをできるだけ侵害しない配慮を行い、必ず守るべき手順の部分と本人の裁量で調節できる部分を明確にし、守るべき手順の部分を最小限にすることである
・これだけは守って欲しいという点を伝えた上で、あとは、本人の自主性を尊重し、良い点や努力している点を褒めるという戦略を基本にする
・みんなの前で恥をかかせたり、感情的に怒鳴ったりすることは絶対にしない
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ビジネス・実用
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