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耕作放棄地が農地の10%に及び、土地持ち非農家は120万戸とも言われ、農地の荒廃が進んでいる。なぜ農地は無秩序化してしまったのか? その要因を歴史的に検証するとともに、農地問題がいかに農業全体の非生産性に結びつくかを解説。その上で、市民参加型の土地利用を軸にした大胆な構想を提示する。日本農業への緊急提言の書!
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Posted by ブクログ
農業問題も煎じ詰めると、土地問題であった。 現代日本の問題はここに集約される気がする。 林業もここに手を入れない限り、解決はないだろうな。
日本農業のあり方にかんして、より現実的な方向から詰めららており、興味深かった。常識を批判的に捉える視点が切れ味が良くわかりやすい。
2010年6月発行の本。 最近出版された、「日本の農業の真実」(2011年刊行、ちくま新書)は、どちらかといえば大学の先生が数字や諸外国の関係から書いているのに対して、本書は現場レベルの問題点を提起するところから考えていることから、トップ・ダウンではなくボトム・アップ的な思考であると思う。 1章...続きを読む 消えていく農地 (農地の実態や転用の数々) 2章 なぜ農地は無秩序化したか(簡単な歴史) 3章 競争メカニズムの欠如(日本の特徴と政策の数々) 4章 政権交代と日本の農政(小泉改革から民主党政権までの足どり) 5章 日本農業の理想像 (市民参加で復活させたい) という流れで、日本の狭い国土でありながら、灌漑施設が充実しているなどの特長を生かして、生き残っている策まで提言している。 戦後の農地改革もそうだが、そろそろ大々的に策をうたないといけないようになっていると思う。
「見た目が駐車場やゴミ捨て場であっても農地として扱われており、農地としての補助金を受け、軽い税負担を受けている可能性がある。」 みんな既得権益が大好きなんだね
江戸・明治から今日に至るまでのニッポンの農政のあり方から、実際は破綻しつつあるニッポンの農業の現状に警鐘を鳴らしている本。 明治・大正時代は地主と、小作農という関係のビジネスモデルで農業は成立し、土地と切り離せないその性格から地域の協業が不可欠ゆえ、地縁が重視され、自然と相互監視・土地毎の習慣が成立...続きを読むした。 重工業の勃興が始まると地域と都市部の収入格差が拡大したことにより、地縁の弱体化が始まる。一方で戦争が始まると統制経済に都合のよい「農業会(≒JA)」が利用され、戦後も食料配給が必要であったことからさらに政治色の強い組織として「JA」ができあがっていく。 その後、農業の本格的な国際競争が始まると、政治力を強化した「JA」が支持基盤となっている政治家は農家への補助を行うという循環がおき始める。 結果、本質的な生産性の向上が進まず、さらには商業施設への土地売却による錬金術が成立するようになり、高齢化が進む農家は土地売却の機会を期待するという流れが生まれ、農地の不正転用などによる転売が起こり、連綿と築いた灌漑施設・地力が失われるというケースが多発している。 これに対して著者が考える対策は「平成検地」と称して土地台帳を明確化することにより、土地管理を正すこと、市民参加型農業にすることを挙げているものの、どうもイメージがわかないのが本音。 本質的にはやはり、利幅のある作物や果樹、株式会社化による集団農業などによって、「農業で儲かる」という形を生み出さないと根源的な問題は解決できないのではないかと思った。難しい。。。。
農業に競争を導入することの必要性を強調していることが印象的だった。 特に、TPPなどの国際的な競争。 提言にあった「市民参加型の土地利用」で「人から土地へ」は堅実な策だろう
[ 内容 ] 農地の10%に及ぶ耕作放棄地、蔓延する無計画な転用…農地の荒廃が進む中、台帳の不備で実態把握すらままならない。 昨今の農業ブームに隠れて、これまでマスコミが触れてこなかった農地行政の真相を明かすとともに、歴史的な視点や市場効率の考察を踏まえ、崩壊前夜の日本農業を救うための方途をも示す。...続きを読む [ 目次 ] 第1章 消えていく農地―農業ブームの陰で起きていること(いつわりの農業ブーム;農業版「消えた年金」問題;農地の無秩序化;よくある誤認) 第2章 なぜ農地は無秩序化したのか―日本農業の足取り(明治大正期―「手作り地主」による秩序維持;両大戦間期―重工業化と農村の変質;高度経済成長期―JAの発展;高度経済成長の終焉―旧システムの延命;バブル崩壊後―進行する無秩序化) 第3章 競争メカニズムの欠如―農地と農業効率の関係性(農地荒廃がもたらす害悪;競争なき農地市場;日本の農地の特徴;不健全な農業保護) 第4章 政権交代と日本農政―小泉政権以降の模索と迷走(小泉・安倍政権下での農政改革;自民党の方針転換;政権交代後の危うい農政;破滅のシナリオ) 第5章 日本農業の理想像―市民参加型の土地利用へ(「平成検地」の実行;「人から土地へ」の大転換;転用権の入札構造;農地税制の改革;離農プログラム;アジアとの共存共栄) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
農業のあり方についてわかりやすくまとまっている。農業・農政について最初に読むのに良いと思う。特に農地転用についてしつこいくいに書かれている。
【新聞書評→ネット】 「平成検地」の必要性。まず現状把握がスタートライン。 「食のアキハバラ」構想。こだわりの強さ、新陳代謝のよさ、アジアへの目線。
タイトルがもっと何か良いのがなかったのかなあ、と思う。 しかし関連書籍を読むにつけ農水省に対する怒りは留まるところを知らない。給料泥棒か犯罪者か呼ぶに相応しい言葉がみつからない… 政治も行政も頼れないなら草の根で岩澤さんのような市民農園制度を市民一人一人が支えていくくらいしかできることはなさそうであ...続きを読むる。
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