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Posted by ブクログ
父が大好きなのだが私は初めての山本一力。帯の文句についつい惹かれて買った安くてうまい江戸の経済小説。
松平定信によって棄損令が交付された江戸が舞台。武士の金策相手たる札差が一斉に貸し渋りを始めたことで一気に景気が冷え込んだ時期、妻と二人家を出た有力廻船問屋の次男坊・裕次郎が江戸の職人相手の弁当販売業を始めるというお話。
食べ物メインの話かと思っていたが、成長する弁当販売業の拡大戦略とそれに関わる人々の姿を中心に描かれる。
登場人物達がいちいち格好いい信念を持っており、彼らが対峙するシーンは剣の交わりに劣らぬ緊張感がある。またタイトルから察していただけるであろうメッセージ性も良く、筋の通った中に温かみを感じる作品だった。
Posted by ブクログ
お兄さんと弟の、凛としただけど愛に満ちあふれた兄弟愛にほろり。主人公の姑たる男の職人気質にくらり。そして、彼らの作る握り飯の描写にゴクリ・・・食いたい!その握り飯食いたい!!
ただ、登場人物が多過ぎて話しがやや発散している気がするのと(物覚え悪くて、登場人物の名前が全部覚えられないわ・・)、あんな弁当で経済効果が上がるのだろうか・・メシ代に金が必要になるんだし、他の買い物控えたりするんじゃないの?とか。まあ、「アベノミクスを奨励してるんじゃないの?」なんて、うがった見方しちゃたからかもしれませんが。
「経済は生き物」ということは、ちゃんと実感出来る書き方だったと思います。
Posted by ブクログ
池波正太郎が好きなので、たまに時代小説も手を出してます。
今回読んだ本は、購入後知ったのですが、日経新聞の夕刊に連載されていたそうです。
【内容】
賄賂が横行した田沼時代の乱れた世を正そうと、老中・松平定信は借金苦の徳川家直参家臣を救うため、
武家の禄米を担保に高利でカネを貸し付け、贅沢な暮らしをきわめる札差に、棄捐令(借金棒引き)を発布した。
川上から川下へ、カネの流れは滞り、人々の身も懐も寒さが厳しさを増すなか、大店の次男が始めた小さな志高き商いが火消しを走らせ、そして…。
という、江戸っぽい感じがむんむんするなぁと思いながら読み始めたら、それよりもむしろ「半沢直樹」。池井戸小説に近い。
時代が違うだけで、人と人の駆け引きなどが秀逸。お茶の出し方、作法で相手の状況を読み取り、
言葉無く想いを感じる心というのは日本人ならではなんだろうなと。
なんだかんだいいながら、江戸っ子気質で大団円。勧善懲悪とは言わないまでも、気持ちよく読み終われます。
リーマンショック後の夕刊に掲載されていた小説だからこその、日本を取り巻く空気感というのは小説内での棄捐令時代と変わらない。そんな時代を変えるという心意気が感じられます。
時代小説はちょっと。。。と毛嫌いされている方も是非に。
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