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【サントリー学芸賞受賞】 意識の成立過程を追い「心」の全体像を探る。他者の心の存在によってはぐくまれる意識は、脳や心とどのようにつながっているのか。認知・脳科学の最新研究をふまえ、人間の存在の本質にスリリングに迫る。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
無意識的過程こそが「脳の来歴」の貯蔵庫 p206 :故に身体的であり、イメージ的である。右脳的過程と親和性があるのも頷ける。 暗黙知の領域での記憶の総体が、環境の急変に耐えられなかった時、錯誤を生み出すとあるがp90、「黙過」によって対処するような場面もあるだろう。特にそれが対人関係で起きるときと...続きを読むは、どういうプロセスがあると考えられるか。そこに失敗を読み解く鍵があるのではないか。 p169 他者との間で行われる無限の投影と反響が意識の実像 :脳ー身体ー世界の境界は曖昧で揺らいでいる。「我ー汝」が、分け難いものであるというのもここから来ているのかもしれない。大昔のホモ・サピエンスに「個」という概念が無かったのも頷ける。 にも関わらず、分断はなぜ起きた?シャーデンフロイデは何故生じるのか?神を客体化した故か? 人間は一体何を見なくなったのだろうか。 競争して勝たないとより良い種になれない、貢献できないとする呪いに掛かったのだろうか。貢献者が人一倍良い目に合い過ぎたから生まれた感情が嫉妬だろうか?どこかで手段を間違えたのか。
外界すべてが脳の「出先機関」という発想がすばらしい。 「あぶない」と脳が感じる前に、筋肉は危険を感じて自律的にすでに動いている。 など、私には新発見がいっぱいあった科学の本。
すごいの一言でレビューが終われるくらいすごい。 156p 全体を通してのことだが、 認知とは、記憶とは「どうやら脳内だけで完結するものではない」という主張がこのページできれいにまとめられている。 173p 「痛みとは何か」という問いかけが深い。そしてぐっさりと奥まで刺さる。 さかさメガネで明ら...続きを読むかになる意識。 読む前に死ななくてよかった。
<目次> 0.脳と心の全体像 1.錯誤とは何か 2.脳の「来歴」―錯誤から浮き彫りにされるもの 3.心とからだと他者―連動する脳と世界 4.意識と無意識のありか―心の全体像 5.人間観と倫理
この著者である,下條先生はすごい人だと思う.一見,単純な実験で,ここまで革新的に「意識」に対して切り込んでいける洞察力,見習いたいものだと思う.
意識を孤立した脳のなかの出来事としてとらえるのではなく、脳と身体と環境との密接なつながりのなかでとらえるべきだという考え方を示した本です。 著者は、意識を孤立した脳の中の出来事とする立場では、錯誤や意志といったものを取り逃がしてしまうことを、具体的な事例を通して説明しています。さらに最終章では、向...続きを読む精神薬プロザックをめぐる議論を手がかりに、自由と倫理に関する重要な問題へと議論を進めています。 かつて哲学者の大森荘蔵が、現象論的な「立ち現われ一元論」という立場から、「脳産教」の批判をおこなったことも思いあわされます。本書は現象論的な立場ではなく、どこまでも実証的な認知科学の立場から、「脳産教」の前提に含まれる問題を炙り出すとともに、倫理学的な問題への展望までおこなっています。
[ 内容 ] 「心」とは意識のことか。 意識プラス無意識か。 では意識とは何なのか。 「錯誤」を手がかりに、脳・認知科学の最前線から「心の全体像」へ迫る快著。 [ 目次 ] 第1章 錯誤とは何か 第2章 脳の「来歴」―錯誤から浮き彫りにされるもの 第3章 心とからだと他者―連動する脳と世界 第4章...続きを読む 意識と無意識のありか―心の全体像 第5章 人間観と倫理 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
◎全体として何に関する本か 心を知ることは可能かどうか。我々の意識とはどこに存在するのか。そもそも意識とは何か。そういった我々の存在に関わる根本的な問題について心理学者である著者の考えを述べている。 ◎何がどのように詳しく述べられているか 序章では、錯誤(同じ線分の長さが違って見える等)の例か...続きを読むら、我々の意識がどのようなメカニズムになっているのかを明らかにする。目や脳が間違った結果として錯誤が起こるのではなく、環境にうまく適応した結果、錯誤が起こるのである。このことから、正解とは環境によって変わるものだと著者は言う。例えば、犬は色を識別できないので犬には七色の虹が見えない。しかし、我々には虹は七色に見えるので犬が間違っているのかというと決してそうではない。犬の世界では虹は存在しておらず、やはり犬も正解なのだ。 本の全体を通して心理科学的事例が数多く取り上げられており、それらを著者と一緒に考えることで「意識とは脳に存在するのではなく、脳・身体・環境に連続して存在している」という著者の主張に納得できるような構成となっている。 ◎その本は全体として真実か、どんな意義があるのか 最終章「人間観と倫理」では、『プロザック現象』というものが取り上げられている。プロザックとは向精神薬と呼ばれる抗鬱剤であり、鬱病を解消する効果を持っている。これが画期的な薬で、効き目が抜群で、服用した鬱病患者は悲観的な気分が治るだけでなく、人格のバランスや人間関係も一気に良くなり、思慮深くなり、集中力も増し、仕事もはかどり、これまでの抗鬱剤と比べてはるかに優れていた。 そして、さらに画期的だった点は、健常者にまで効くところである。圧倒的多数の「病的ではないが、多少落ち込みやすい」人々が服用することで、彼らの生活も良い方向に変化し、気持ちも楽になったのである。そして、それまでの抗鬱剤とは大きく異なる点が、薬への依存性や効き目が切れたときの気持ちの反動などの副作用が一切ないことである。『プロザック現象』とは、画期的な新薬として宣伝されたため、健常者までが大量に使い始めたことで、神経学や精神科の治療の範囲を大きく超えた倫理的問題のことをいう。 著者はこのプロザック問題について様々な視点から考察しているが、結局、心理学・脳科学によってプロザックの服用を否定することはできない。眼鏡をかけて視力を矯正することと、プロザックにより脳や精神を向上させることは科学的には同等なのだ。よって、このプロザック現象は、今のところ宗教観で判断するしか方法がない。カルヴァニズムの禁欲主義により、努力もせずに快楽や爽快感を得ることは悪という感覚がキリスト教圏には根強いため、今の社会的には健常者がプロザックを服用することは悪とされる。 しかし、犬の世界では虹が存在しないことが正解であるのと同じように、正しい倫理もその時の環境によって変わるのだろう。プロザック現象を通して著者が言いたいことは、意識は脳だけではなく環境(この場合は薬の服用)にも存在しているということである。 ◎一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか 少し前に話題になった脳科学の面白さ・奥深さが多少理解できるようになった。社会を自分の頭で考えるとき、その「意識」は脳だけに存在しているのではなく、脳・身体・環境に存在しているのだ。物の見え方や正解が違って見える錯誤などは、決して脳の間違いではなく、意識が環境に適応した正常な結果である。そして、問題の見え方や正解は、その時の環境や本人が経験してきた過去の出来事に大きく依存していることが理解できるようになる。
人間の器官である脳でさえも、環境抜きで理解することは出来ない。簡単に言えばそういう主張ですが、確かな科学的知見と、読みやすい文章で構成されているため非常に勉強になります。心理学を学ぶ人や神経科学などに関心がある人にはかなりおすすめです。
脳と心の問題を整理することで、最終的には、プロザック問題に端を発する、倫理問題にまで踏み込む。薬飲んで元気になるのは、健全なことなのか?杖やコンタクトを使うことと同じことではないのか?最近考える、AIと人間との関係にも似ている気がした。どこまでが人間でどこまでが機械なのか?
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下條信輔
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