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Posted by ブクログ
いやー、感動した。過去1年で読んだ本で一番良かったかもしれない。
明治時代に東北の名家に生まれ、アラスカに渡ってエスキモーたちを率いたフランク安田の人生を取材し、それをもとに書かれた、ノンフィクションに近い小説である。
フランク安田は身動きできなくなった船の助けを呼ぶために一人何十マイルの旅に出て、たまたまエスキモーに助けられた。それをきっかけにエスキモーたちと暮らしていくことになる。エスキモーは鯨やアザラシなどを獲って生きている。白人たちの乱獲で海獣がいなくなり村は飢餓に襲われ、疫病もあり絶滅しそうになった。村人を助けるべく、また旅に出て、インディアンに会い、ゴールドラッシュに乗じてエスキモーたちを移住させる。
過酷な環境での生活や人種差別を乗り越えながらも、エスキモーの妻とともに現地に根付き、エスキモーの生活基盤を整えて、村づくりをした彼の生き様に頭が下がる思いだ。フランク安田は実在した人で、著者の新田次郎はアラスカや安田の生家に取材に行き本書を書き上げたとあとがきにある。この取材が昭和40年代で、安田氏の子孫に直接話を聞けたようだ。著者の使命感を感じる。
生涯日本に帰ることはなかったようだが、彼の故郷を思う気持ちを想像して胸が痛む。こういう人がいたことを知れて良かった。
Posted by ブクログ
宮城の裕福な家庭に生まれながら、家庭の事情で不遇な生活を送ることとなり、一念発起して渡米した安田恭輔。北極警備の船員として生活の糧を得るが、人種差別にあい、遭難しかけた船から追い出されるように救助に向かう。奇跡的に救助は成功するが、船には戻らず、現地のエスキモーと生活することを選択する。その後は、エスキモーの1人として、頑なに部族に貢献し、絶滅しかけた一族を内部へ移住させることに成功し、エスキモーのモーゼと称される。日本人でこれほど現地に影響を与えた人はいないと思えるほどだが、ほとんど知られていないのは残念。旅行記というには重たい物語だが、カナダや北極圏に旅したくなる一冊。
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