無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
お寺の閻魔様が動きまわり、公園の池の蓮の花からはお釈迦様が現れる。次々と奇妙なことが起こる町に引っ越してきた青奈の目下の悩みは、子どもができないことと職探し。ある日、質屋で手に入れたオパールの指輪がしゃべり出し…。ときに優しく、ときにシニカルに。家族とは、夫婦の愛とは、そして人生の幸福とは──。不思議な町で暮す人々の平凡な日常を柔らかな文章で描く、新しい大人のファンタジー。「この『黄金の庭』という小説のリアルなところは、まったり、ゆったりしている部分です。(中略)非日常は、まったりとした日常のうえで起こる。すごく小説的でありながら現実的で、小説としか言いようがないものです。(高橋源一郎氏・「青春と読書」2013年2月号より)」第36回すばる文学賞受賞作。あたたかな感動を呼ぶ、新たな才能のデビュー作。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
仕事を辞め、夫と一緒に新しい町に引っ越してきた青奈の日常を
ゆるゆると描いた本なのですが
面白いのは、普通の描写の中に時折顔を出す、不思議な数行。
たとえば。。。
初詣の帰り道、突如として現れ、いたずら坊主を投げ飛ばす閻魔様。
筆を振り回して通りがかりの人にペンキを塗りたくる、アーちゃんという子ども。
(しかも、アーちゃんは歴代何人もいるらしい)
民家の屋根の上で、蛇をむしゃむしゃ食べているシャチホコ。
指にはめると喋り出し、持ち主にアドバイスまでする指輪、おしゃべりオパール。
公園の池に浮かぶ蓮の花がひらくたび、毎日姿を現すちいさなお釈迦様。
黄金町に住む人々がなんてことはない日常として受け入れている
こんな摩訶不思議なできごとに、「ほうほう、そういうものなのね」とばかりに
青奈も夫の那津男も、実にあっさり馴染んでしまうのです。
黄金寺に捨てられて、寺で育てられ、町で乱暴狼藉をはたらいても
町の人になんとなく許され、13歳になるとその身分(?)を卒業するという
歴代のアーちゃんたち。
心の中に積った汚いものをアーちゃんという生け贄に投影して
みてみぬふりをして過ごしている町の人たちは
いつまでも成長しないコドモの部分を抱えながら
大人として偉そうに過ごしている自分を見るようで、なにやらほろ苦くて。
密かに不妊に悩む青奈も、崩壊しかけた熊のぬいぐるみを溺愛する那津男も
女性に見境のない、青奈の雇い主の千ちゃんも
アーちゃんなしでも自分の汚さに向き合って、浄化できる日のために
魔法の巣のような黄金町で、自分を包む卵の殻を
内側からコツコツと、たよりない嘴でつっついているのですね。
不思議な味わいの物語です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
試し読み
少女・女性マンガ