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Posted by ブクログ
この本の特異なところとしては、
「対話」とありながら、プラトン著作集のような人物同士の「」の応酬ではなく、
一貫してエッカーマンの視点から、エッカーマンの心情をも織り交ぜて、ゲーテと対話を行なっている点だ。
このエッカーマン自身の文章の面白さに加えて、着眼点が非常に良い。
お陰でゲーテという人物から放たれる言葉が綺羅星のごとく、鋭く、ときに深く、ときに含蓄の深さからくる重さから、唸ってしまう。
また、エッカーマンのゲーテへの心酔ぶりが、作品にさらに熱を帯びさせている。
ゲーテが、数々の偉大な精神たちと対話を重ねてきたことがよくわかる。
なぜ、ゲーテの「ファウスト」がこれほどに時を経た今でも残っているのか?
その根源的なものはなんなのか?
もっと言えば、
そんなゲーテのように歴史の各時代の中でも一線を画する人たちの共通項はなんのか?
その問いに深い洞察を与えてくれる書物だ。
抜粋
「人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ」
Posted by ブクログ
ドイツ語題名Gespreche mit Goethe in den letzten Jarens Seines Lebensのとおり、生のゲーテと親交があったエッカーマンによる、ゲーテ最後の9年のなかで交わされた対話の集大成。対話本といってもそのほとんどがゲーテの言葉から成り、ゲーテという人物の生き方や思想が伺える。
ゲーテは『ファウスト』を最初に読み、そこで氏をもっと知りたいと思ってこの本を購入。読みながらまるでゲーテ自身が自分に直接語りかけているような気分になる。
個人的に旅するときの座右の銘として置いている「誰でも旅行をするについては、何を見るべきか、何が自分に大切か、を知っていなければならない」ということばもこの本から得たもの。心に響く名言や人生に影響を与えそうな言葉が多くあり、実際に自分の生き方にも影響を与えている。
ゲーテ好きのみならず、生き方・思想を考える者にもお薦めの一冊である。
Posted by ブクログ
岩波文庫 ゲーテとの対話 上巻。1823年〜1827年のゲーテの言葉をまとめた本。
ゲーテの人生戦略がよくわかる。仕事にしても、人生にしても、対象を小さく絞ったり、自分を限定して他から隔離したり、一つの専門に限定し通暁したり、小さいことからコツコツやる感じ。
芸術論にも 差別戦略がよく現れている「特殊なものを描写することが芸術の生命である〜一般的なものは誰にでも模倣される。特殊さが人に受け入れられないか心配する必要はない〜どんな特異なものでも普遍性を持っている」
ゲーテの他人、世界、結果に期待していない言動は好感が持てる
*そう簡単に平和はこない。世の中は謙虚になれるような代物ではない
*他人を自分に同調させるのは馬鹿げている
*性に合わない人たちと付き合っていくことで〜誰とぶつかっても、びくともしないようになる
*正しい行動が 好ましい結果をもたらすとかぎらない
Posted by ブクログ
前々から読んでみたいと思っていたが難しそうなのでついつい敬遠しがちだったのだが、三島由紀夫のインタビューをYouTubeで見たときに「畏敬の念を抱く作家は誰ですか?」と聞かれた時にまず最初にゲーテの名前が出てきたのでそんな事もうっすら気になってついに初めて手にとって読んでみた。エッカーマンがゲーテとの対話を収めた三部作の上。この頃のゲーテはすでに最晩年にあたると思うのだがまだ若いエッカーマンに対する姿勢など非常に芸術に対する姿勢が純粋であるというイメージを抱いた。そしてちょくちょく法務大臣がゲーテの館を訪れたりこの時のゲーテの境遇というのが一体どういうものなのか気になった。何やらすごく盤石な様子なのは窺い知れた。特に感銘を受けたところ→「比較的才能のとぼしい連中というのは、芸術そのものに満足しないものだ。彼らは、製作中も、作品の完成によって手に入れたいと望む利益のことばかり、いつも目の前に思い浮かべている。だが、そんな世俗的な目的や志向をもつようでは、偉大な作品など生まれるはずがないさ。」とか「もし自分の生まれつきの傾向を克服しようと努めないのなら、教養などというものは、そもそも何のためにあるというのかね。他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。(中略)またそれによってのみ、はじめて多種多様な性格を知ることもできたし、性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通してわれわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺戟されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。」とか「われわれは、朝起きたときが、一番賢明である。が、また、一番心配も多い。というのは、心配はある意味で賢明と同義だ、それは、受け身の賢明さだろうが。愚者は決して心配をしない。」など。「われわれはただ、黙々と正しい道を歩みつづけ、他人は他人で勝手に歩かせておこう。それが一番いいことさ。」「人を楽しませることができるのは、その人が楽しいときだけだろう。」などなどとても難しい印象ではあるが読めるところも少なからずあった。続きも挑戦してみようと思う。
Posted by ブクログ
エッカーマンが9年にわたる、ゲーテとの対話の数々を蒐集し、自身が価値ありと、あるいは珍しいと思ったものを文字で書きうつしたもの。
世界的名著。
一度読むだけでは到底理解の及ばないもの、これからも読み続けなければいけないし、その価値がある本。
以下抜粋です。
...市民もまた、彼が生まれあわせた身分によって神から定められた分を守っているかぎり、貴族と同じ感じように自由だ。…われわれは自分の上にあるものをすべて認めようとしないことで、自由になれるのではなく、自分の上にあるものに敬意を払うことでこそ、自由になるのた。なぜなら...上にあるものの価値をみとめることで、自分自身がいっそう高いものを身につけ、それと同じとのになる価値があることをはっきりとあらわすからなのだ...
Posted by ブクログ
エッカーマンによる晩年のゲーテの言行録。一八二三年から一八二七年まで。当時の文学に対するゲーテの見解、色彩論にはまりこむゲーテとエッカーマンの様子、ゲーテが見聞した政治的事件についての感想など、「はざま期」(コゼレック)を生きた人間による貴重な証言が豊富に詰まった作品。「いちばん合理的なのは、つねに各人が、自分のもって生まれた仕事、習い覚えた仕事にいそしみ、他人が自分のつとめを果たすのを妨害しないということだ」という言葉には、革命以降のゲーテの作品――『ヘルマンとドロテーア』や『ヴィルヘルム・マイスター』――に一貫して流れる彼の思考が読み取れる。確かにこれは民主主義革命の時代に対する反発であり、現代人が納得できるかどうかはともかくとして、一つの見識であろう。
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