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Posted by ブクログ
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」
上記の有名な冒頭で始まる本書は、夏目漱石自身の体験をもとに、二週間ほどで執筆されたものだという。
物語はあってないようなもので、著者の「非人情」的芸術論が主な内容になっている。
この「非人情」の意味が明確に示されることはなく、主人公は非人情、非人情と言いながらも、当人にもその意味ははっきりとわかっていない様子。
著者もその主人公の矛盾を意識しているようで、自虐的に描かれている。
『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『野分・二百十日』に続いて本作を読んだが、改めて夏目漱石は愛嬌のある人だと思った。
彼は、孤高であろうとするものの、秀でたところのない、熱くなりやすいだけの頑固者をよく描く。そこには、自身の人付き合いの悪さ(実際には多くの門下生に慕われていたようだが)や、孤独を孤高と取り違えてしまう男性的気質への、痛烈でありながら温かな皮肉が滲んでいるように思う。
こうした部分が野郎の私にはグサグサ刺さり、頭を掻きながら、自分の短所も受け入れて愛してあげたくなる気持ちにさせられた。
『草枕』でも、こうした自虐の文調は健在で、出戻り娘の那美とのやり取りの中には、なかなか思い切ったジョークも多数あり、何度もクスッと笑いながら読み通した。
それにしても、彼の膨大な語彙と知識量には毎度驚かされる。
漢籍の引用に英詩、古典の比喩が自在に飛び交う。明治維新からまだ半世紀も経たない時代にあって、翻訳の基盤も十分に整っていなかったであろうなか、英文学を原文で吸収し、それを即座に日本語へと移し替えるという、その知的水準の高さは我々の想像をはるかに超えている。
比肩する者のない勉強熱心さと、妙に人間臭い素直さ。
この両義性が、国境や時代を軽々と越えて読まれ続ける古典を量産させたのだと思う。
なんだか『草枕』の感想というよりは、漱石作品への懸想文になってしまった。
とにかく彼の作品は好き。
Posted by ブクログ
草枕
著:夏目 漱石
解説:重松 泰雄
出版社:岩波書店
岩波文庫 緑10-4
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
で始まる有名な小説というか、その冒頭の一言以外は、あまり内容を知らない
山本七平氏曰く、日本教のテキストにて、日本教を知りたいならば、草枕を読めと、勧めているので、手にとりました
まず題名がいい、草枕、旅のまくらことばであり、そのおももちは、万葉の昔を彷彿とさせる
いくらなんでも、すぐに、これは紀行文だということがわかる
だが、近代小説としては、三十一文字ではなく、十七文字を主にしている
それに、漢詩あり、Poemあり、ただのくたびれた画家の物語なのであるが、英文学者のただならぬ、ギャップにたちまち違和感をおぼえる。解説にもあったが、主人公の画家とは、夏目漱石そのものなのである
明治の世では、この草枕がバカ売れして、夏目漱石は作家の道に進むことに自信をもったとある
が、内容を一読したが、どこがおもしろいのかは、よくわからなった。美人の女将でもいなければ、こんな退屈なところに何泊もできないよなあ、が、感じたことです
日本教の教徒としては、失格です
都会の喧騒を抜けて、寒村に足を踏み込んだ画家の物語、登場人物もそう多くない
画家=画工なのにあまり絵をかいていないような
主人公 画家
茶屋の婆
馬子の源さん、那古井の源兵衛
宿の小女
宿の出戻りの若女将 那美
宿の旦那、老人
観海寺の和尚、大徹
身投げをした先代の女将(故人)
小坊主 了念
久一 那美の兄 赤紙で出征
目次
草枕
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
注・解説(重松 泰雄)
ISBN:9784003101049
判型:文庫
ページ数:240ページ
定価:650円(本体)
1929年07月05日 第1刷発行
1990年04月16日 第76刷改版発行
2017年06月05日 第112刷発行
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