無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
短編集。発行されたのは1981年。でも20代前後の青年が抱える不安や期待っていうのは時代を経ても変わらないな、と思った。
情景描写がとても心地良い感じ。そのシチュエーションがありのまま浮かんでくるような。シチュエーション自体も、現実味がある感じで好き。
だけど、毎回最後が難しい。わからないから、何度も読みたくなる。大学入試の小説問題にありそう、っていうのが1番の印象。
でもとっても好きだった。読解力が足りないので、一回読んだだけじゃうまく最後の部分を理解できない。主人公の、その瞬間に湧いてきた感情を言葉に表すのは難しいな。また読みたい。
Posted by ブクログ
表題作を含む全7作品からなる短編小説集。物語の多くは若者を主人公とし、青春時代に関わった人たちとの微妙な心理・感情を描いています。
子どもでも大人でもない、もしくは子どもから大人になろうとしている主人公たちの目線を通して、生と死から感じられる残酷さ、若者から見た大人の性事情、奇妙な癖や趣味を持った人に接したときの不気味さなどをとても丁寧な筆致で感じられました。ものすごく重たいわけでもなく、かといって空虚なわけでもない、なんとも感慨深い内容です。
ここ10ヶ月ほどをかけて、この短編集をじっくり2回読みました。1回読み終わった時点ではなにかわかったような、それでいてなにもわかっていないような、不思議な感覚でした。巻末の解説を読んで「ああ、そういうことだったのか」と納得したところもありましたが、2回目を読み終わったときには再び頭の中でさ迷っていました。簡単に理解してはいけないようにも思えましたし、それでも軽く受け止めないとこちらの心が壊されそうにもなりました。それくらい私にとっては衝撃的な一冊です。
純文学とはなにかとか、この短編小説集を完全に理解したのかと聞かれるとうまく答えられませんが、少し時間を置いてからまた読み直したいと思えました。
Posted by ブクログ
この本も上白石萌歌さんが教えてくれた。彼女は「うっとり」と語っていた。たしかに、たしかに。読むことについて構えることなく読むことができる本には、ときどき出会うことがある。まさに出会いましたね。ぼくには『錦繍』以来の宮本輝さん。
それにしても萌歌さん。
「うっとり」かあ。さすがの表現ですな。
いつも彼女は、ご自身の感情を素直な言葉で表現してくれます。ぼくは、そんな彼女の言葉にも「うっとり」しています。
それぞれの物語の濃度と短編ゆえの“短さ”に惚れぼれ。人々や物事に対する“ベタつき”のなさ、さりげなさ。優雅さ。たまりませんね。まさに「うっとり」です。
どっちにしろ割り切れないこと、でも向き合わなければならないこと。解決することが必要だとは思わないし、かといってそれが求められていないとも、思わないけれど。きっと現在進行形で、それぞれの状況は停滞したまま。むしろ停滞そのものをこたえにしても、それはそれで生存のために欠かせないことなのかもしれない。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。