妻の超然

妻の超然

594円 (税込)

2pt

結婚して十年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に気づいても理津子は超然としていられるはずだった(「妻の超然」)。九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する酒好きの彼女に罵倒される(「下戸の超然」)。腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作(「作家の超然」)。三つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う傑作中編集。

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妻の超然 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年01月10日

    妻、下戸、作家の三者の「超然」のうち、二人称で書かれた「作家の超然」が壮絶だった。難解な言葉も文脈もないのに、視点はどんどん遠ざかって、やがて文学の滅亡に至る。言葉の意味や情報が失われた後に幻視する光景にただ圧倒される。ひたすらすごい本だった……。
    久しぶりの絲山作品。疎遠になっていた原因でもある「...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月16日

    楽しみ読み進めました。
    読みやすいのですが、「超然」というテーマに沿って書かれた短編という挑戦をしているのに、楽しみながら読み進めることができるもので、作家としてのチャレンジ精神にも感服します。
    文体がとてもリズミカルで読みやすいように感じるんですよね。毒もあるので読んでていてスッキリするんです!
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    Posted by ブクログ 2014年02月26日

     『妻の超然』『下戸の超然』『作家の超然』の三作品が収録されている。
     表題作の『妻の超然』は多少ユーモラスながら、最も近い他人である夫との距離のあるコミュニケーションと、つかず離れずの友人、そして敬愛する料理の先生との部分的な共有を持った関わりを三人称で描く。『下戸の超然』は酒の呑めない男性の一人...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年09月21日

    再読
    夫の浮気に気づいても超然としていられるはずだった「妻の超然」
    下戸の僕はNPO活動を酒好きの彼女に強要される「下戸の超然」
    腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴「作家の超然」
    傑作中編集

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    Posted by ブクログ 2015年11月17日

    超然という意味を知らずに、ばかものがおもしろかったので読みました。
    それぞれの超然とする様はみっとも無いような、意地っ張りのような居心地の悪さがとても読みやすかったです。

    伝わるとすればせいぜいそれは愛想だろう。

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    Posted by ブクログ 2014年07月02日

    小説のような、絲山氏の主張を込めたエッセイのような、とにかく言いたい放題の作品でした。
    絲山氏らしくて良いです。

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    Posted by ブクログ 2014年06月11日

    超然、とは。超然とはなにかなんて、普段は全く思い至りもしないのだけれど。あえて超然を選び、超然であるということについてとことん追求するということ。その前衛性の素敵さにくらくらとする。3つの超然がててくるが、表題の妻の超然は実験的な手法もあり、はっとさせられるような鋭さがあり、これこそがわたしの愛する...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年09月08日

    方々より面白いという噂を聞きつけ,読んでみました.
    妻の超然,下戸の超然,作家の超然の全3編.
    この作品,面白いのは間違いないのだが,なんとも不思議な面白さなのだ.一番のおススメは断トツで妻の超然だろう.結婚10年の冷めた夫婦の物語.妻の強かさと,夫の滑稽さが際立っている.どこの家庭も一緒なのかな....続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年07月13日

    『作家の超然』

    梶井基次郎の『櫻の樹の下には』を思い出しました。美しい櫻の樹の輪廻、樹の中の腐っためぐり、その中に自分や自分の作品もあることを、この絲山さんという作家は強く思っているんだな、と感じました。

    容赦ない書き方をする人だな、自分に厳しいんだろうな、と思います。

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    Posted by ブクログ 2013年05月10日

    「超然」を描いているが、読後感はまったく超然とはならない。
    むしろ、なんとも言えない焦燥感というか、もやもやが残る。それこそがこの小説の影響力なのだろうと思う。すっきりしない、胸にひっかかったものの正体は何なのか。
    (2013.4)

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