ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
「なぜ『あんな絵』に高い値段がつくのか?」「これって本当に『美しい』のか?」。ピカソの絵を目にして、そんな疑問がノド元まで出かかった人も少なくないだろう。その疑問を呑み込んでしまう必要はない。ピカソをめぐる素朴な疑問に答えれば、素人を煙に巻く「現代美術」の摩訶不思議なからくりもすっきりと読み解けるのだから――。ピカソの人と作品に「常識」の側から切り込んだ、まったく新しい芸術論。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
19世紀の革命期以降、美術の評価の舞台は王族貴族のアカデミーから市民の世論になった。こうなると作者の声高な主張や作品の衝撃度が勝敗を分け、アトリエは世間に衝撃を与える作品の試作や実験の場所となる。ピカソの『アヴィニョンの娘たち』はその代表ともいえるものでいわば「新理論の論文」である。 更に写真の登場...続きを読むによって写実的な絵画は衰退し近代美術は「反写実」に向かった筆触(タッチ)の強調やさらに個々の画家が独自にそのスタイルを工夫することで自らを主張した。スーラの点点やセザンヌの平筆タッチ(p.123~) 近代以降の写実的でない美術の個々の解説は何度読んでも腑に落ちなかった。というよりはなぜこんな絵を描こうと思ったのかが理解できなかった。このようなマーケティングの視点(どの層をターゲットにしたか)ともいえる解説によりやっと腑に落ちた。 絵画が高額で取引されるのも需要と供給という市場原理に則っただけで画商の勝利であっても画家の勝利ではない(p.178)も頷けた。一度できたスター(ピカソほか)の名に乗っかったほうが価値を高められると。
写実主義から、前衛主義へ。 作品の風潮と、その背景として、アメリカの経済発展と同調した取り巻く絵画市場環境の増大。 この波はもはや現代に再来せず、それに最大限乗ったピカソと同調の存在もまた不出世のもの。 「女は苦しむ機械だ」と公言し、その激しい感情の力さえも、破壊的な芸術性に変えて描き続けた、まさ...続きを読むに怪物。 しかし、自画像として、死期が近い中で自ら描いたその暗澹たる表情は、生涯で手にした成功と同等、それ以上の闇を感じてならない。 まさしく、ピカソ本人、作品、評価された背景が網羅的に読み取れた一冊。 ニューヨークに、MOMAに行く前に読んで置きたかった。
疑問を通して美術とは何たるか、を知れてよかった。 徐々に勉強していて、大塚国際美術館で歴史ごとに作品を見た後だからタイミングドンピシャでマッチしていてよかった。
以下の質問に答えている。 1.ピカソの絵(「アビニョンの娘たち」を中心として)は本当に美しいのか、どこがうまいのか 2.見るものにそういう疑問を持たせる絵がどうして偉大な芸術とされるのか 3.そのようにどうしてこれほどの高値がつくのか? 4.ピカソのような絵は誰でも書けるのではないか 5.そう思わせ...続きを読むるような絵を偉大とする美術界はどこかおかしいのではないか 6.そういう絵にこれほどの高値をつける美術市場もどこかおかしいのではないか。 作者はこれにこのように答えている。(以下ネタバレ) 1.ピカソの絵は、それ以前の美術の基準に照らせば美しくない。しかし、ピカソの絵は、超絶なデッサン力に支えられており、非常にうまい。 2.ピカソの絵は当時求められていた前衛芸術であり、衝撃によって人々に従来の基準への疑問を抱かせることを狙っていた。 3.ピカソが現れた時代、それ以前の教会を飾ったり貴族の家を飾るという実用性のある美術と異なり、美術館に入れるための絵が求められており、美術品自体の主張が必要とされていた。ピカソの絵はその需要に応えていたから、高値がついた。 4、ピカソの作品は、高い技術と巧妙な市場戦略に支えてられており、亜流の作家では真似ができない。 5.ピカソの絵は、絵がもっぱら美術館に飾られるものになったと言う文化の変化に対応するものであり、その方向をうまく追求しているために偉大とされている。 6.美術が儲かるとする投資家、画商、オークショニアの力により美術市場が支配されているため、高値がついている。また、新しい作家を育てるよりも、既に定評のある作家の作品の値を上げる方が、投資として効率的であると言う戦略に基づいて、ピカソの絵の価格が上がっている。
色々勉強になりました。 絵については神童で、若くして名声を得て、 その富も名誉も落ちないまま、 女をとっかえひっかえしながら、 長寿をまっとうした、という ゴッホやゴーギャンとかと全く違い 芸術家的な破滅ストーリーが全く無いピカソ。 それはそれで偉大すぎます。
先日、西岡 文彦 氏 による「ピカソは本当に偉いのか?」を読み終えました。 「ピカソの絵って、どこがスゴイの?」、初めてピカソを観た多くの人が抱く疑問です。私もその一人でした。 著者の西岡氏は、本書で、「ピカソとその作品にまつわる素朴な疑問」に答えていきます。 著者によると、ピカソの絵はピカ...続きを読むソ以前の審美的基準でみると「美しくない」、しかし、誰も真似することができないほど、ピカソの画力は「驚異的に上手い」のだそうです。ともかく、ピカソはもとより、美術界にの歴史についての興味深い論考が山盛りの著作です。
絵画ビジネスのバブルという背景。ピカソの英才教育でのデッサン力、破壊性、異常な人格、そこから出来上がる前衛作品。いろんなことがその時代にマッチして大成功したという感じか。 あまり興味がなかった美術の歴史やピカソについていろいろわかって面白かった。 ピカソの絵を自分でも描けると思う人がいるって驚き...続きを読む。私は美術に詳しくないし、わからないけど、あれを見たことのない時に描けるのかと言われたら描けるわけない。 でも、この絵がなんでこんな高価なの?とか、中にはどこがいいんだろう?と思う絵もある。 自分は飾りたい?いや飾りたいとは思わない。 今日でいう芸術家は工事と同じで安い給料で働いていた。19世紀末から20世紀初頭に絵の市場のバブル。ちょうどピカソの時代。 ピカソはビジネスに乗って描いていた。画商の好みを把握して。画商の好みに合わせて画商の肖像を描く。個性というより本当にビジネスに徹してサービスをしている。英才教育による絵画技術があってこそ。そしてロックイン状態で儲けたおす。 “妻を替えるたびに、前の妻を焼いてしまわなければならない”女性を卑下し絵画の材料にしていた酷い男だ。 キュビスム、ドラ・マールの肖像、魔除けとしての絵、母親の溺愛、父親の期待、破壊ピカソの絵は審美的審査にすれば美しくない、ピカソはすごく上手い デッサン力がすごい。
いかにしてピカソが芸術家として富と名声を獲得したか。 説得力があって面白かった。 しかし、この本を読んで、ピカソの作品を「あんなヘタクソな絵が・・・」と思っている人も少なからずいることを知り、逆に驚いた。 個人的にはピカソの卓越した造形能力を疑ったことが全くなかったからだ。 しかし・・。 ピカソとい...続きを読むう人は自分の描いたモチーフが何であれ親密な暖かい愛情関係を持つことはなかったかもしれない。 ピカソは果して画家として幸せだったのかな?
伝統的基準では美しくないが、驚異的に上手い。美術館に入ることを目的に制作された近代以降の絵画では、価値は「自分語り」「前衛」に変わり、圧倒的なまでに突出した存在だった。 ピカソの読み解き方がよく理解できました。役に立たない、美術館がゴール、というのもなるほどです。
ほとんどの人が思ったことがあるだろう「ピカソの絵は本当に凄いのか?」をうまく説明してくれている。 狂人ピカソ、絶対に共感できない。 でもピカソは素晴らしい。「パイプを持つ少年」は恐ろしいほどにリアル。これだけでも初心者の私にもピカソの絵画の才能が分かった。 その絵が描かれた時代の時代背景も密接に関...続きを読む係していることが分かった。 時代背景以外にも、ピカソ以外の画家も一緒に紹介してくれ、初心者の僕にとっては勉強になる本になった。 個人的には、モネの絵が好き
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ピカソは本当に偉いのか?
新刊情報をお知らせします。
西岡文彦
フォロー機能について
「新潮新書」の最新刊一覧へ
「趣味・実用」無料一覧へ
「趣味・実用」ランキングの一覧へ
ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書)
名画の暗号
わかるゴッホ 見方が変わる 理解が深まる!
「西岡文彦」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ピカソは本当に偉いのか? ページトップヘ