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世界は「静かなる大恐慌」に突入した。危機的なのは経済だけではない。国際政治は、1929年の世界大恐慌をはさんだ、ふたつの世界大戦の時代と同じコースを歩み始めた。グローバル化が必然的に招く、社会の不安定化と経済の脆弱化。これに耐えるシステムは、通説とは逆に「大きな政府」の復活しかない、という歴史の趨勢に我々は逆らうことはできないのだ。このグローバル化の行きづまり、急反転というショックを日本はいかに生き抜くか。経済思想、国際関係論、政治・経済史の知見を総動員して、新進気鋭の思想家が危機の本質と明日の世界を精緻に描き出す!【目次】はじめに/第一章 「静かなる大恐慌」に突入した/第二章 グローバル化は平和と反映をもたらすのか?/第三章 経済戦争のはてに/第四章 行きすぎたグローバル化が連れてくる保護主義/第五章 国家と資本主義、その不可分の関係/第六章 日本経済の病理を診断する/第七章 恐慌以降の世界を生き抜く/註/主要参考文献/おわりに
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Posted by ブクログ
当然と思って疑ってないことをひっくり返してくれるような、そんな嬉しい本に時々出会いますが、この本はまさにそれに当てはまります。
このデフレで内需の成長が望めない中、またこの円高の環境下で、日本が生き残って行くには、海外に出て行くしかない。グローバル化は当然の流れであるとみんな思っているし、僕もそう思っていましたが…
グローバル化が進むということは、国と国との間の利害関係が明確に発生し、それが軋轢を生むという事。
この風潮は第一次世界対戦前の世界といっしょだそうです。
昨今の中国との関係もまた違った視点で見れるようになります。
名著だとおもいます。再読して、もう一度今までの視点を整理したい。
Posted by ブクログ
グローバル化は永遠に続かない。100年前の1913年、イギリスを中心に電話が普及し、「全世界の様々な産物を、ロンドン市民はベッドで朝の紅茶をすすりながら電話で好きなだけ注文することができた」とケインズは述べている。英国発のグローバル化がバブルを生み、1930年代の大恐慌、40年代の第二次世界戦争に繋がった。 グローバル化で栄華を誇った英国が「文明国間での戦争は決闘のように時代遅れのもの」と戦争は有り得ないと信じていたのは1913年のこと。その1年後、第一次世界大戦が始まった。ソ連崩壊で始まった第2次グローバル化、インターネットによるバブルが、2008年の米国発の株の暴落、世界的な経済危機に繋がっている。 必ずグローバル化は反転し、保護主義が台頭する。そのとき、世界はまた戦争を繰り返すのか?
Posted by ブクログ
安倍政権の「アベノミクス」が声高に叫ばれる日本の現状と、アルジェリアの事件をみて、本書を思い出し、昨年読んだ本書をもう一度読み直してみた。
本書は昨年9月の発行であるから、夏には脱稿していただろから、今年の激動する世界を的確に予言しているようにも思えた。
昨年本書を読後の「レビュー」は以下のとおり。
『本書は、最近読んだ経済書の中で読後に一番印象に残った。
「グローバル経済」が世界を覆っている現在において、マスコミでは「経済危機」という言葉が乱舞している。その対象はヨーロッパ、アメリカ、日本、中国と世界中が舞台だ。
それぞれ「原因」と「対策」も語られているが、本書はその全体像を「そうかこういう視点で見るべきなのか」と教えてくれるように思えた。
著者の専門は「経済思想」だそうだが、「マルクス」が神通力を失った現在において、本書の指し示す視点は説得力がある。
本書は「グローバル化」を否定しているものではない。ただ「グローバル化」のもとでは、「事前に対策をとることは不可能」な構造のもとで「世界経済が脆弱に」なっているというのだ。
そして過去の「グローバル化」を分析し、その帰結として「第一次世界大戦」が起きたことをその経済的背景から分析している。
また現在の世界の情勢を「経済戦争のはてに」と経済と国家の視点から解析しているが、そこからの「グローバル化は大きな政府に帰結する」との結論には同感の思いをもった。
「国家と資本主義、その不可分の関係」では、いかに資本主義が脆弱なシステムであり、「安定性を担保しているのは国家」という関係であるかがよくわかった。
「日本経済の病理を診断する」における「グローバル化のもたらす社会対立を抑えるためには小さな政府ではなく大きな政府が必要」との結論には、思わず頷いてしまった。
ただ、本書の「グローバル化」「大きな政府」「グローバル化は福祉国家に行き着く」との道のりは、現在の世界情勢を見ると、まるでロープの上の綱渡りのような極めて危うい細い道のようにも思える。
本書は、末尾にケインズの言葉「将来に向かっての次の一歩は・・・思想から生じるに違いない」と引用しているが、たしかに本書は単なる経済書ではなく「経済思想書」であると思えた。
本書を、現在の世界をどう捉えるのかという視点から多くの示唆を与えてくれる良書であると高く評価したい。本書を読んで今後の世界は決してバラ色ではないことを痛感した。』
本書は、現在でも、まったく古さを感じないどころか、激動の現状を的確に分析しているようにも思える。
だとしたならば、やはり世界は今後、さらなる激動に陥るのだろうか。 アメリカ経済もようやく上向きに向かっているようにも見えるし、欧州経済も小康状態で、一時の危機を脱出しているようにも思えるが、本書で明らかにされている世界の現状は、大状況では問題は全く解決の道に進んでいないことを示唆している。
本書は世界の現状をするどく分析した良書であるとあらためて高く評価したい。
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