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家族とは、家庭とは? 「教育ママ」の姿をえがいた人間のエゴと魂のあり方を問う問題小説。
札幌に住む二人の才色兼備の姉妹、遠野木佐貴子と桜田亜由子。亜由子の息子、純一の目を通しながら、父母のさめた関係、母から弟・真二への冷たい仕打ち、叔母・佐貴子とその息子・俊麿の異常な関係などを描いていく・・・。
大人たち、特に母親のエゴを通し、家族の崩壊をえぐるように描く問題長編。家庭小説、社会小説としても必見の一作。
「三浦綾子電子全集」付録として、三浦綾子記念文学館初代館長・高野斗志美氏によるコラム「登場人物を読む/俊麿――『水なき雲』」を収録!
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Posted by ブクログ
平凡で幸せそうな家族なのにこんなにもそれぞれの葛藤があるのかと
思える作品でした。
サラリーマンの夫和朗とその妻亜由子。
子供は男の子が二人、兄純一と弟真二の四人家族。
物語は少年純一の澄んだまなざしをとおして、
父と母の大人の世界を見つめながら進んで行きます。
和朗は昔から浮気症だと思っている亜由子の目線で
最初は語られるので、読者も和朗が悪いと思えますが、
和朗には和朗の言い分があり、
それがこの物語のキーワードになっていました。
この小説は昭和58年発行で、そのころの世相がよくわかる作品です。
夫婦にしてもこれは、まるで仮面の夫婦です。
ギスギスした夫婦間でも子供のためにと、
耐えて耐えて、取り繕っていた時代だったのでしょう。
今では考えられない。
恐らくこのような問題が夫婦間でおこれば、
今ではすぐに離婚、ということになるのだろうなあ。
父である和朗と母である亜由子の狭間で
ゆれながら成長していく少年純一が
自分たち子供の存在を主張し、
母の誤解や父の寂しさを理解していくまでが
三浦さん独力の文章力でせつなくも力強く書かれた作品でした。
ただひとつ、私も「?」と思ったのは、
あめん坊さんも指摘していた「三浦さんらしからぬ点」でした。
おそらく、読んだ方にはすぐにわかるはず。
そういう意味でも、異色の作品です。
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