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からだは傷みを忘れない――たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。
「傷」をめぐる10の物語を通して「癒える」とは何かを問いかける、切々とした疼きとふくよかな余韻に満ちた短編小説集。
「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」。ある日を境に、「私」は高校のクラスメイト全員から「存在しない者」とされてしまい――「竜舌蘭」
「傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます」。公園で「わたし」が「あなた」を見守る理由は――「グリフィスの傷」
「瞬きを、する。このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう」。「あたし」は「さやちゃん先生」をめがけて、渋谷の街を駆け抜ける――「まぶたの光」
……ほか、からだに刻まれた傷を精緻にとらえた短編10作を収録。
Posted by ブクログ 2024年05月05日
この1冊から、「傷」は癒えたのではなく見えにくくなっただけなのだ、と教えてもらった。
きっかけがあればいつだって、生々しく痛みだす。
どんなに明るく見える人だって、必ず「傷」を抱えて生きている。
でも私たちは傷つかずに、傷つけずに生きることなんてできない。
あの人の「傷」は気遣うべきで、あの人の...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年05月01日
「傷」についての10のお話。
「傷」と言ってもいろんな「傷」がある。
見える「傷」見えない「傷」
自分も体に大きな「傷」を負った事がある。
今はほとんどわからない状態になってる。
小学生の頃の「傷」
母親は「その傷のせいでイジメにあったらどうしよう」とか、大きくなって「手術して目立たなくしたい」っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月30日
千早茜さんの本は長編が好きなのだが今回の短編集はどのお話も満足だった
傷をテーマとした10の物語
中でも一番好きなのは「この世のすべての」
同じマンションの住人であるこの世のすべての犬が嫌いなトラブルメーカー男とこの世の全ての男が怖い女子高生の話
お互いに分かり合えているのかと思いきやラストに驚い...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月27日
好きな作家さんである千早茜さんの新作ということで本作を手に取りましたが、「傷」に対するエピソードがこんなにもあるのかと思うとともに、千早さんの繊細な描写が心地よくてとても面白かったです。
本作は「傷」にまつわる10の物語が集まった短編集。傷つくことで得られる痛みや、トラウマとして残る傷、思い出とし...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月27日
あなたには『傷』があるでしょうか?
人の身体は軟いものです。ほんの些細なことで私たちの身体は『傷』つきます。駆けっこで転んで膝を擦りむいて血を流した、そんな経験は誰にでもあることだと思います。そして、人によってはもっと大きな怪我をした経験もあると思います。無傷のまま一生を終えました…そんな人生はそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月28日
本人にしかわからない傷、その傷にまつわる苦しく辛い過去。傷の深さは、他人の尺度では計り知れず、本人が打ち明けなければ傷の歴史を知ることはできない。しかし誰にも知られないことでかえって深まる傷もある。
登場人物は個性的、というか影のあるひとが多かったように思った。サイコパス的な気質のある登場人物も...続きを読む
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