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1995年、14頭のオオカミが自然に放たれた。 増えすぎた草食動物により荒れ果てたイエローストーン公園の生態系。豊かな自然を取り戻すべく、カナダから頂点捕食者のオオカミが連れてこられた。彼らはそこで群れをつくり、家族と生き、敵と戦い、そして死んでいった。「20世紀最大の実験」と呼ばれたオオカミ再導入計画の様子を、ベテラン・ウルフ・ウォッチャーが生涯をかけて記録したノンフィクション。 序文は俳優・映画監督としても著名なロバート・レッドフォードが執筆。
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Posted by ブクログ
読み始めたら想像以上の面白さにどんどんページが進んでしまった。オオカミの生態もさることながら、オオカミの研究者である著者の文章もとても面白く、前書きなどで彼の友人が書いていたことは本当だと思った。 この面白さ、昔なにかで味わったことがあるなと思い至ったのが、『シートン動物記」。一人の人間によって成し...続きを読む遂げられたとは思えない(協力者からの証言などももちろん含まれるが)とても細かい観察記録でありながら、わからないところが一切なく、かつ物語のように楽しめる。 ”事実は小説よりも奇なり”とは言うが、この物語から言えるのは”動物は人間より奇なり”だ。もうほとんどヒューマンドラマを見ているのと同じような感覚だった。こんなに面白いのはきっと、オオカミ達の関係性に人間と共通するような複雑さがあるだけでなく、そこに野生動物の切実な生き様も加わっているからだろう。私たちは真剣に生きるこの生き物にずっと惹かれ続けているのだ。 友情・家族・恋模様、敵対勢力との戦いから家庭内暴力まで。母オオカミが実の娘にいじめられる苦しい場面もあり、かと思えば血のつながらない父子の間に生まれる絆もあった。年若いリーダーカップルの無邪気なじゃれあいも。そして、原題にもあるこの物語の主人公、小柄だが優しく強い父オオカミのナンバー8、そして彼に育てられたナンバー21が世界で一番有名なオオカミになっていく。 安心できる環境の中で過ごす人間の、想像をはるかに越える野生の世界の厳しさ。しかしそうでありながら、家族を労り、疲れているときでも子どもと遊ぶ時間を楽しむ。その日一日家族が生き抜くための食糧を狩りにいく。しかも何頭分もだ。家族というものを維持するために、こんなに努力する動物がいる。そしてそれらの物語は、こうして記録に残されない限り、ひっそりと森の中で続いているのだ。 8の死後、その脳が解剖され、生前8が多くの負傷を抱えながら狩りを続けていたことがわかった。著者はその様子をモハメド・アリに例えた。しかし8はスポーツ選手ではない。身体が壊れたら引退を宣言できるわけではなく、生涯現役で家族のために戦い続け、その最中に死んでいく真の戦士だった。 そして最後の8と21の戦い。 不敗の戦士に成長した21が尊敬する義父とどんな戦いを繰り広げたのか。実際に読んで味わって欲しい。
イエローストーンで著者のリック・マッキンタイアに会いオオカミの巣穴の場所を教えて頂きました。この本は、イエローストーンの良い思い出になりました。少し擬人的な書き方が気になりますが、エピソード満載の楽しい本です。
家畜を襲うと絶滅に追い込まれたイエローストーンのオオカミ。しかし、捕食動物がいなくなったことで草食動物が増えすぎてしまった。自然の生態系を取り戻すためにカナダからオオカミを゙連れてきて、野生に戻すという壮大なプロジェクトが行われた。そのスタッフとして活動した著者による詳細な記録。 オオカミたちには名...続きを読む前ではなく番号で識別し、遠くから観察を続ける。オオカミの群れとしての生き方、役割、愛情と闘争。とても興味深い。
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イエローストーンのオオカミ
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リック・マッキンタイア
大沢章子
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▲イエローストーンのオオカミ 放たれた14頭の奇跡の物語 ページトップヘ