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私たちが日常で交わす何気ない言葉、「大丈夫」「ごめん」「もういいよ」「なんで?」「ありがとうね」などのひとことをテーマに綴った短編を収録。孤独や寂しさを抱える現代人の心を掬い取りながら、ラストにはほのかな希望をそっと提示してくれる物語。歌人としても活躍する著者の、言葉のセンスがきらめく12編。装画を手がけた人気イラストレーター、三好愛氏の挿絵が彩りを添える。
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Posted by ブクログ
本の表紙に魅かれて、手に取った。 「ひとっこひとり・・・」 後に続く言葉は色々、 そんな、色々な年齢の色々な事情を抱えた一人の話。 でも、必ず、そばには誰かが現れて、 寂しさを癒したり、暖かい気持ちになれる、 そんな出会いのストーリー。 「大丈夫」 「待ってた」 「見つかった?」 が、特に切なく...続きを読むて、印象に残った。
ほんわりあたたかな読後感の話が多かった。 結末が予測できる話が多いからこそ落ち着いてあたたかさに浸れた気もする。 料理が上手なシングルファザーを特別扱いして欲しくない高校生の話はなんだか解像度が高く感じた。 承認欲求があるところと、特別扱いして欲しくないところ。みんなそれぞれあるよね。
日常のありふれた言葉からこんな素敵な短編が生まれるのは、やっぱり歌人だからかなと感じた。 優しい印象の装画から、癒やし系の物語を想像したけど、そうでないものも。 人間は「一人」を強く感じる時もあるけど、本当にひとりぼっちってことはなくて、言葉や思い出とか何かしらのもので他人と繋がっているんだよなと、...続きを読む改めて感じさせてくれた。 1話は15ページ程度なのに、予想以上に中身がぎゅっと詰まっていた印象。
歌人でもある東直子さんの 「言葉」 がもたらす12 篇の短編集。 大丈夫、 ごめん、 ありがとね...などのひと言がタイトルになっていて、ページをめくると三好愛さんの優しくて可愛らしい挿絵が描かれています。 お話の最初は孤独感や寂しい気持ちを 抱えてる主人公たちですが最後にはひとりじゃないよ 〜...続きを読むと明るい兆しの見えるお話ばかり。言葉による小さな奇跡てあるのかもしれません。『待ってた』のアケミちゃんとスミレちゃんのお話のラストは悲しいけれど石で綴った「マッテル」の文字。アケミちゃんはきっと見てくれるよ
色々な世代の、境遇の違う人生の一コマを切り取り、心のひだを丁寧に描写しています。その言葉選びに惹きつけられるものがありました。 ちょっぴり寂しい気持ちになりつつも、遠くの方に光が差している、「いろんな生き方があっていいんだよと」励まされるような12編の物語でした。
星3か4で悩みました。12の短編集。 ふわふわとした表紙にやわらかい話を想像していましたが、真逆で驚いた。明るい先の見える話もあるが、読み進めると気分は晴れなかった。 誰もが抱える暗い気持ちや悩みと 側に居てくれる誰かがもたらした言葉を大切に心に届く様子がわかりやすい。 それぞれの章に登場する人物...続きを読むは少なく、どこにでも誰にでも側に居てくれる人がいるということに気付く。
さらっと読む気だったんですが、1話からガツンと来た上に単純に暗い重いでくくれないズンとした話が多くて粛々と読みました。「的外れな優しさだけど、自分に対して矢を前に飛ばしてくれたことは純粋にうれしい」というフレーズは何だか目が覚めるような考え方で印象に残った。
何気ない言葉をモチーフにした短編集。 この本を読もうと思ったのは、装丁がほんわかしていたから、挿絵もタイトルを連想させる。ミニマムだけど温かい。 三好愛さんは、宮部みゆきのおいち百物語シリーズも手掛けてるけど、なんだろう、怪しい話なのに癒やされるホントに不思議なイラストだ。
日常の本当に本当に何気ないヒトコマを切り取った短編集。 この世にはいろんな事情、思いをかかけてたくさんの人が生きている。改めてそれを思いしる。 どの話も深く掘り下げすぎず、読者が想像を巡らせる余韻がたっぷりとある。白黒はっきりさせたい人には向かないかもしれないが、私は好きだった。
人と人とが普段何気なく交わす言葉がタイトルの短編集。 「もういいよ」「なんで?」「ありがとうね」…それらのタイトルはとてもシンプルな言葉だけれど、見ただけでその背景がなんとなく伝わってくるから不思議。 これらの言葉は自分ひとりっきりではまず出てこないだろう。対話する相手がいるからこそ生まれる言葉だと...続きを読む思う。 そんな短編集の表題が『ひとっこひとり』とは。「ひとっこひとりいない」から「いない」をあえて失くすことに、東さんは意味を持たせているのかも。登場人物ひとりひとりが抱える想いを丁寧に掬い取った短編集だった。 『大丈夫』『ごめん』『覚えてる?』『きれい』が特に印象に残った。
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