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不惑間近、単行本に初めて重版がかかったマンガ家「ガンプ」。
上向きかけた彼の日々を一変させたのは、ステージ4の大腸ガンでした。
妻の「サテコ」とつつましく暮らしつつ、ひたすらマンガを描いていた彼を待ち受けていたのは
不安しかない検査と治療の日々。
仕事も家事もままならず、健康だった頃は遠ざかっていくばかり。
仕事のチャンスを手放す描写には胸がしめつけられます。
「すぐに泣けるサテコに半ば感心しつつ『ごめん』と声をかけたと思う」という告知のシーンのモノローグや、
インチキじみた医師への複雑な感情など、
病気に苦しみながら自分の心の動きをこんなに冷静に解釈できるものなのか…と圧倒されます。
ふんわりしたタッチのイラストが作品に奥行きと味わいを与えています。
健康診断、もうちょっと真剣に受けよう…と思った、脂肪肝の書店員でした。
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