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日本を壊したやつは誰だ!? 政官財の中枢が集う“迎賓館”の怪。 裏官房は依然暗躍し、相次ぐ自死事件を追う! 新政権が発足し官房副長官の首がすげ替えられても、政府にとって使い勝手の良い裏組織“内閣裏官房”は存続していた。 彼らは新副長官の命令一下、ある民間施設で発生した怪死を穏便に“処理”すべく急行する。現場は新政権とも繋がりの深い企業が要人を接待するために設けた“迎賓館”だった! 自衛隊出身の武闘派女子上白河レイらが権力者の悪を糾す、痛快シリーズ第二弾!
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Posted by ブクログ
なるほどねぇ。 読んでいると、「あ!この人は、あの人の事なんだな」という事を匂わせる描写がそこかしこ。まぁ、モデルと思しき人物は、確かに、そういう風評がありますからねぇ。 ところどころ、エロ表現があるのは、著者が、元々そっち系の小説を記していた事と無関係ではないでしょう。
安達瑶の内閣裏官房シリーズ第2作目、文庫本書き下ろし(2021年5月文庫本)。 新政権が発足し、内閣官房副長官も韮沢から横島に変わったが副長官室のメンバーは変わらず、内閣裏官房は存続していた。 内閣官房に秘密裏に組織された副長官室。陸上自衛隊特殊作戦群から出向の上白河レイ、警視庁捜査二課から出向の津...続きを読む島健太郎、外務省から出向の等々力健作、国税庁査察部から出向の石川輝久、そして室長の御手洗嘉文の総勢5人が横島内閣官房副長官の命令の元、ある民間施設で起きた殺人事件に急行する。 その施設は新政権とも繋がりが深い企業、人材派遣会社「キャリウェル」が要人を接待するために造った迎賓館「キャリウェル・キャッスル」だった。それまでにも何人ものその迎賓館に関係すると思われる人間が不審な死を遂げている。 今回も上白河レイの活躍で事件を解決するのだが、前作と同様に連続殺人事件そのものはリアル感のない漫画のような展開で、政治的な悪を潰すような展開を期待していた私としてはちょっと違うかなという思いが強い。 それよりも興味深かったのは、政権に絡んで登場する人物が凄いリアルなところ。新総理は前総理の時の官房長官、まさに菅総理だろう。前総理は当然安倍総理、そして悪の権現として描かれている立山大佑は、人材派遣会社の会長で大学の教授、元総理の政策顧問、元金融担当大臣を務め、現在も政府の諮問委員で政商といったら竹中平蔵しかいないだろう。 確かにそうなんだが竹中平蔵が殺人にまで関与するはずはなく、やっぱりフィクションだと思い直す。 元傭兵だった殺人鬼と上白河レイとのアクションシーンは前作同様かなり凄いんだがそこはあまり興味なく流して読んだ。 興味深かったのは、立山が金融担当大臣時代に不良債権処理の金融再生プログラムで会計監査法人の会計士を自殺に見せかけて殺害しており、その娘が立山への復讐のため物語に絡んでくるところだ。意外な展開だったが、まあ楽しめた。 上白河レイが中心の展開よりこのチームメンバーのスペシャリストとしての活躍がもっと前面に出る展開の方が私は好きだ。それも警察組織や官僚組織を敵に回すような知的な戦いがいいのだが、上白河レイがいる限り無理か。
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