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釈尊が説いた縁起説「AがあるときBがある」という枠組みから、大乗経典『華厳経』を土台として「一即一切・一切即一」という法界縁起がどのように形成されていったのか? 華厳学研究の泰斗が、中国仏教において天台教学と双璧をなす華厳教学について紹介するとともに、その大成者として過大に評価されがちな法蔵(643-712)の思想的実像に迫る。 また、華厳思想が現代の日本仏教にも地下水脈のように流れていることも論証する。
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Posted by ブクログ
「彼の教学は智儼の持っていた柔軟性を失い、さまざまに亀裂の入った教学になってしまった・・・」 法蔵を異端としてとらえ、批判的な観点から解説している。言い過ぎと思うところもあるが、新しい気づきをもらった。 ◆学んだこと ○法蔵のよくないところって? 人のことを気にする弱さ・・・唯識や禅へのライバル心...続きを読む →フフフ 無窮を認めたこと・・・論理的な破綻 →アハハ 実践性が薄い・・・禅を無視したせいか、信の域を出ていない →??? 法蔵は菩薩行を前提にして説いていると思う。 また、禅だけでは行にならないのでは? ○重々無碍の説明スキーム? 十玄縁起無礙法の流れ 異体門相即・相入→同体門相即・相入→重々無碍 異体・同体とも重々無碍と考えるのか? 同体と見るから重々無碍なのか? 分別→無分別→重々無碍 後得智ならば逆に見る? 重々無碍→同体門相即・相入→異体門相即・相入 同体は不待縁だから、「縁起因門六義法」の以下。 1.空・有力・不待縁 4.有・有力・不待縁 例)籾種に一切が含まれる 次に異体は待縁だから、以下。 2.空・有力・待縁 3.空・無力・待縁 5.有・有力・待縁 6.有・無力・待縁 ○法蔵のいう「智」とは? 不可説の果分に対して、縁起因分を語ることのできる智慧 (P106) 異体門相即の中で用例が多い。 智+法界縁起=縁成の世界(相互関係) 以下、参考。 『華厳経』の註釈である『華厳経探玄記』を書いた賢首(げんじゅ)大師法蔵(643年 - 712年)によれば、智を第十度、慧を第六度にあてて、この中の「智」は因果、順逆、染浄などの差別を決断する作用であるといって「智」を決断作用とし、「慧」は諸法の仮実、体性の有無などを照達することであるとして、それを疑心を断じ、しかも事物そのものを体験的に知ることであるとしている。 (Wikipedia 般若) なるほど。
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吉津宜英
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