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美女の口元から垂れた生贄の血が、点々と羽毛に染みを作る『飽食のセイレーン』──作品に込められた重要なダブル・イメージとは? その酒を飲めば豚に変えられてしまう『オデュッセウスへ杯を差し出すキルケ―』──妖艶な魔女の背景に描かれた、数々のアイテムが示す意味とは? 入場者数68万人超、最長3時間半待ちの大行列。美術史に残る大ヒットとなった「怖い絵」展を監修者の著者が解説。リアルに匹敵する、永久保存版「読む」展覧会!
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Posted by ブクログ
中野京子さんの絵画解説はとても面白い。 展覧会でもガイドがあるとより楽しめるようになって世の中進化したなと思うが、通り過ぎてしまう細かな部分の因果関係まで解き明かし推理小説のよう。 絵画が素晴らしいのは最もだけど中野京子さんの解説でより掘り下げられ成る程と思うものだ。 アンニュイについての表現があ...続きを読むり、欧米の言語と日本語のニュアンスの違いを感じた。 この本は特に怖い絵を取り上げているが、中野京子シリーズはどれも読み応えありです。
件の「怖い絵」展は実際に観に行ったし、あの重くて分厚い図録も買って帰った組だが、新たな発見も多い一冊だった。 こうして改めて展覧会後の反応等を交えて絵を振り返る、この楽しさと興奮よ。 当時本物の絵を間近にした時の感動を追体験しつつ、更なる解説に興奮しっぱなしという。 (図録の解説は中野先生ばかりでは...続きを読むなかったこともあって) 先生がTwitterの反応をかなり気にしておられたのと、その反応を受けての解説文にもなっていたのが、特に面白かった。 まさに新感覚の、今の時代の展示だと思ったので。 巻末には「怖い絵」展の裏側を知れるエッセイも。 別のところでも読んだが、改めて数々の縁と奇跡でもって開催された凄い展覧会だったのだなと感謝しきりである。
中野氏の絵画の解説は面白く為になる。鑑賞には知らなくても良いかもしれないが、知る事によってより深く味わう事が出来る。第一章の「モッサ」の作品は初めて。これがいまから120年まえの作品とは驚いた。
原著はもとより、展覧会自体も幸いにして観に行けたので結構懐かしい気分に。覚えていないのもちらほらあるなぁ。 表紙のモッサは大出世じゃなかろうか。確かに滅茶苦茶インパクトがあった。その分、あまり作品が残されてないのが残念だったけど。 あとがきに等しい、「怖い絵展のできるまで」も面白い。結果的に大成功だ...続きを読むったとはいえ、現場では「際物」扱いだったとは。開催にこぎつけた皆様方に感謝するばかりだ。
2019年11月刊行『もっと知りたい「怖い絵」展』(KADOKAWA 刊行の単行本)の文庫版。単行本を読んだのは2年前。覚えているが、濃淡はある。「切り裂きジャックの寝室」は強烈な印象で残っている。当人がいないところが恐怖を増す。画家も有力容疑者。視点にいるのが本人なのか。殺されたのは売春婦たち。ウ...続きを読むォータールー橋から身を投げるのも娼婦たち。「発見された溺死者」も覚えている。落ちるところまで落ち、追い詰められ至った姿。それは美しくなければならない。落ちる瞬間、切り裂かれる瞬間、何を思ったろう。
モッサ「彼女」と「飽食のセイレーン」が凄い。月並みな感想だけど、100年前にこんな絵画があったとは。
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