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山深い秘境を走る旧道沿いにぽつんと佇む「ドライブインまほろば」。店主の比奈子が一人で切り盛りする寂れた食堂に、突然男の子が幼い妹を連れて現われた。憂と名乗る少年は「夏休みが終わるまでここに置いてください」と必死に懇願する。困惑する比奈子だが、事故で亡くした愛娘の記憶が甦り、逡巡しながらも二人を受け入れてしまう。その夜更け、比奈子は月明かりの下で激しく震え嗚咽する憂に気付いた。憂は、義父を殺し逃げてきたことを告白し――。「生きる意味」を問い、過酷な人生に光を灯す感動長編。
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Posted by ブクログ
最初から最後までずっと面白かった、考え得る一番良い終わり方で良かった。 比奈子の母が、相手を不快にさせるとわかってても謝らずにはいられない気持ちも、それを聞かされ続けて辟易する気持ちも、わかるから辛かった。
実家との往復中に読もうと持って出て、 電車の中で泣くのを堪えるのが大変だった。 家では何度もポロポロ泣きながら読んだ。 今までの読んだ遠田作品の中で私はこれが一番共感度が高かった。 だから泣けた。 虐待メインだから駄目な人には駄目だと思う。 義父を殺す小学六年生の男の子、とか もうそれだけで重い...続きを読む。 そんな酷い境遇の子供がいるなんてありえないとも思う一方で、そういう境遇の子供もいるのかも知れないとも思う。 小説として誇張することで、埋もれてしまう人間の感情や想いを言葉にして表現することができる。 そういう小説だった。
遠田潤子さんの作品は読み始めるのに気合いが必要で、いつもやりきれない絶望感をほんのわずかな希望で持ちこたえながら読んでいる。今作ももうやめて!という悲しい出来事が続いたけれど、最後一筋の光で暖かな気持ちで本を閉じた。
親に虐待されて育って「生まれていいことなんか何もなかった」と語る憂。極悪人に見える親やその兄も苦しみを背負い、そして大切にしたい存在を抱えている。 ストーリーに引き込まれて一気読み。
一気読み。 連鎖する虐待を止めることはできないのか? 何が正しいのか? 自分を救うために親を殺すのがそんなにいけないことなのか? ずっと「なんとかしたってくれ」と祈りながら読んだ。 誰も悪くないかもしれないけどみんな罪人。 普通の人との違いなんて紙一重だなと。 この作家さんの作品は初めて読んだけど、...続きを読むまたもうひと作品読みたくなった。
最初から最後まで読む手を止められなかった。 それぞれの立場で考えると、自分も決してそうはならないという自信がない。それだけに救いを求めながら読み続けた。 結末も無理なく、嫌な感じもなく読み終えることができてよかった。
フィクションでよかった 遠田潤子さんの本を初めて読んだのですが、題名から勝手に ナミヤ雑貨店の様な話しなのかなと思って読み始めて全然違う、、、と心して読みました。 もちろん涙です。 どんな事があっても、子供は死んだらいけない 生きるのに誰の許可もいらない 小説の中なのに、心に錘が置かれたような重...続きを読むさを感じました
どんだけ不幸自慢すんねん!って感じの不幸な人ばかり… まぁ、自慢したい訳やないにしても… メインの登場人物だけで… 親にひどい虐待されて、親を金属バッドで…小学生 ひどい親に育てられ、援交クラブみたいなので荒んだ生活を送ってる兄弟、で弟は殺され、自分も人殺し… 最愛の娘を事故で亡くすけ...続きを読むど、事故を起こした当事者が自分の母親…ツラい 何か、不幸の、オンパレードやけど、この先も、これが続くとなると、やりきれん… しかし、小学生に 「…生まれてきて…なんにもいいことなかった」 「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで…」 「生まれてけえへんかったらよかった」 って言われてしまう育ててた親って… 「やかましいや、この野郎!」 「許せねえ!」 「てめえら人間じゃねえや!」 「叩っ斬ってやる!」 (「破れ傘刀舟」) って気分になる! う〜ん… ポキっ!_| ̄|○ 最後は、 少し光が見えるけど… 多くは望まないにしても、少しは陽が当たって欲しい…
文章が淡々としていて、気持ちよく読み進められた。不幸を書かせたら右に出る人はいないらしい遠田潤子さん。くどい部分もあったが、とても良かった!著書ぜんぶ漁ります。
いろんな家族の形があるけれど、今回の話の人間たちは最低で自分勝手な人間と真っ直ぐ生きようとする人間とが描かれており、共感というか、子供たちがまっすぐ生きて欲しいなと、感じました。
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