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これがスズキナオ流「生活史」 遠い場所への旅や、友達とのせわしない飲み会がまるで夢のよう。出歩けるのは近所ばかりだけど、ひとり海に行き、焚き火を見つめ、オンラインで友達とゆっくり話す。それでも元気でいれば、あと何回かぐらいは今日みたいな素晴らしい日がめぐってくるだろう。 話題作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』待望の続編。
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Posted by ブクログ
優しい本です。コロナ禍で確かに外出はできなくなって不便なことも多かったけど、その分身近な街に目がいくようになった。そんな身近に確かに起こっている何気ない日常や、これまで気に留めなかった店なんかに行ってみたら 大阪在住だという筆者は、あるときは寿司折を食べようと近所を歩いたり、ちょっと海が見たいと明石...続きを読むから船に乗って、その先でぼんやり缶チューハイを飲んだり、内容は緩いけど、その視線や筆致に優しさが滲み出てる。あ、自分もこんな風に世界を見られたらいいなと思えるような本です。
人生を面白くするヒントは案外近くにある。そんなことをこういう本を読んでいるとひしひしと感じる。そして日常が少し愛おしく、大切だなと思えるようになる。気軽に読めて、大切なことに気づける。そんな本だった。
「深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと」 に続いて、何でもない日常を工夫次第でいかに楽し く過ごすことができるかのアイデアが満載です。 標題の作品では、要は未体験の方を選んで行動する ということです。 普段駅前を歩くのであれば、あえて住宅街を散歩す る。缶チューハイを飲むにしても未知の...続きを読む味を選ぶ、 などです。 アイデアと行動力さえあればコロナ禍で制限された 日々さえも楽しく、おもしろおかしく過ごすことが 出来ます。 今回も「面白うそうだな。ちょっとやってみよう」 と背中を押される提案がいっぱいの一冊です。
こういうありふれた日常や、つい見逃してしまいがちになるお店や人の奥深さに気づく喜びを忘れずに噛み締めていきたいと思った。 ナオさん最高〜!
遠出をしなくても、近い日常の中に素敵なことがたくさんあるんだと信じさせてくれる本。読んでいるだけでも癒されるし、自分もそういうのを見つけにいきたいと思えた。
タイトルが最高だと思った。 テーマごとに近所、旅、調査、人の4章に分かれていてどれも楽しく読めたが、特に近所の章に書かれた、日常をささやかに楽しむ姿勢は素晴らしいと思う。
とても癒された。私もこんなふうに日常の中でいつもとちょっと違った場所に行ってみたりして、楽しみや幸せを見つけたい。 大阪近辺の場所が色々紹介されていたので参考になった。
「何でもない日を楽しむ」の最高峰にある本だと思った。それはエッセイの本懐部分であり、記録としても記憶としても羨ましくなるほど美しいと思える。技巧として豊かだったり、決して感嘆があるような内容ではないが、読後感が満足なのは我々が今不自由な生活を強いられているからで、まるで夢の国の話のように著者の日記が...続きを読む胸に迫る。 フットワークの軽さ、出会う人々との関わり方、心の機微に敏感であるということ、真似したくても出来ない著者の能力をしっかりと感じることが出来る、大変な一冊です。
盟友パリッコさんが直木賞だとしたら、スズキナオさんは芥川賞。 分かり難い例えで申し訳無いのですが、自分の中ではそんな感じ。 スズキナオさんは、子供の頃から自分の中に有った、もやもやした願望や希望を「あ」っと思わず言ってしまいそうなくらいさりげなく目の前に提示してくれます。 名付け難き感情に名前を付け...続きを読むてくれるみたいな。なのでしみじみした気持ちで読み始めて、しみじみした気持ちで読み終わります。
本書は前作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』に続く、超ゆる〜い体験型考現学ルポ第2弾。今回は〈近所〉〈旅〉〈調査〉〈人〉の4章立て。 今作でも、小耳に挟んだ街ネタ、ふとひらめいたアイデアに飛びつくようにして、『あえて』『わざわざ』行動に移す。良い意味での『悪ノリ』。ただし、やる以上...続きを読むは真面目に。そのスピリットはきちんと受け継がれるどころか、バージョンアップしている印象すら受けた。 本書の白眉は…表題にもあるように朝寝を貪り、寝癖がついた頭をポリポリしながら、『今日はとにかく大量の水が見たい!』気分に代表される発作的かつ無企画な〈ひとり遊び〉。電車乗り継ぐこと40分。JR須磨駅に到着。駅改札口前のコンビニで発泡酒を、向かいの水野屋でコロッケを、改札出て3分でひとり飲みセットをゲット!海辺の売店では須磨海苔も購入。眼前に広がる須磨の海を独占しカンパ〜イ!時間はまだ3時、須磨浦山上遊園へGo! こんな調子で、『六甲山の湧き水で焼酎飲めば美味いのでは⁈』『コロナ禍で行けないから両親の里 山形県の味を行った気分で味わえないか?』、表題にある『今日は「じゃないほう」ばかりを選ぶ!』企画では、いつものなら東梅田方面行き電車を大日方面行き電車に乗ることから始まる、ひとりアンチテーゼを敢行! コロナ禍の行動制限を逆手に取るかのように『ささやかだけど、感慨深い冒険』に、ひょいひょいと出かけ、ゴキゲンに過ごす様子についついニンマリ。 ページを繰りながら、『わざわざこんなことして楽しい?』という声が著者の中に渦巻かないかな?と訝しむ僕は太宰治の『トカトントン』を想起。何かに熱中している時に、きまって『トカトントン』という金槌の様な音がどこからか聞こえてくる。その音色を聞いた途端、熱中していたことがどうでもよくなり、投げ出してしまう…。 そんな邪念をあとがきの一文が一掃する。 〈知らない場所を訪ねて誰かの話を聞かせていただくとき、親しい友人と一緒に些細なことで笑い合うとき、出会った人々から分け与えてもらった時間を私は本当に大切にできているだろうか、と思う。いつも軽く受け流してしまっているだけなのではないか、大抵の場合、後悔の念を抱く。まぁ、後悔の念と言いつつ、結局はそれを忘れてまた呑気に出かけていくわけだが… 大概において日常は『なんでもない日々』の積み重ね。ハライチ岩井くんの著作『僕の人生には事件は起きない』を借りれば、ありふれた人生も視点を変えれば、面白さに溢れる。ゆえに人には自然に鼻歌のひとつも出るスパイスが必要。本書は安価で手に入るスパイスのあれこれ教えてくれる。今回もオススメです!
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